店舗を繁盛させるマーケティング戦略とは?

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: 田口 勝

マーケティングという言葉をよく耳にされると思います。
マーケティングとは、販売促進と捉われがちですが実は違います。

「商品が大量かつ効率的に売れるように、調査、商品の企画、製造、輸送、保管、宣伝活動、販売活動までの一連の活動」という定義が本当なのです。

私は、店舗型のマーケティングを次のような公式で説明をしています。

店舗の売上=店舗数×〔商品力×商圏・立地力×売場・サービス力×販促力〕という公式です。

店舗型というのは、商圏範囲が必ず存在します。そのため、会社全体の売上を伸ばしていくには店舗数を拡大し、取れていない商圏範囲を獲得していかなければなりません。

また、店舗の売上の要素は商品力と商圏立地力と売場やサービス力と販促力の掛け算になります。
つまり、何か一つの要素が0であった場合、売上は伸びないのです。
売上を伸ばすためには全体を総合的に改善する必要があります。

この公式に基づき調査を実施し、要素毎に戦略を決定することが店舗のマーケティング戦略です。

店舗が売れない一番の理由とは?

店舗が売れない一番の理由は、上記の公式のミスマッチになります。

例えば、商品力と商圏・立地力のミスマッチであったり、商品力と販促力のミスマッチであったり、商品力とサービスのミスマッチであったりします。

さらに具体例を挙げると、比較的家族連れ向けの商品であるにも関わらず、単身世帯が非常に多い商圏での出店であったり、商品の差別化ポイントが広告に正確に反映されていなかったり、高級な商品を提供しているのに、接客が非常に雑であったりすることなのです。

商品力には、店舗の雰囲気も含まれます。そうすると提供する商品に対して、店舗の雰囲気がまったく違うということも考えられます。
店舗の売上を改善するには、まずこのミスマッチを無くしていくことが最重要なのです。

最重要なことは商品力

店舗型のマーケティング戦略はすべて同じレベルで売上に影響を与えるとかというと実は違います。
この中でもっとも売上に与えるインパクトが高いのは店舗数です。

今まで取れていない商圏のお客様を獲得するために複数店舗展開や多店舗展開を行う。
これに叶う売上改善は正直ないため、店舗型の多くの企業が多店舗展開を図る理由はここにあります。

しかし、これは既存店の売上が安定しておりさらに拡大を図る際にしか使えません。

これから開業を実施する方や既存店の売上に苦戦されている方にぜひこだわって頂きたいのは、商品力の改善です。

どんなに接客サービスを良くしても商品力がなければ、お客様は継続して来店していただくことはできません。それは、お客様は商品を購入することが目的で来店をしているからです。

この商品力の改善が4つの要素(商品力、商圏・立地力、売場・サービス力、販促力)の中ではもっとも重要となります。

商品力には、商品そのものの品質だけでなく、価格や店舗の内外装の雰囲気も含まれます。

また、商品力には構成要素があり例えば、ボリュームや提供スピード、味が美味しい、ライブ感がある、香りが良い、お手頃価格である、素材が良い等がそれにあたります。

商品力の構成要素を足し算で他社と差別化する方法と引き算で価格に転嫁する方法と大きくわけると2つの方法で商品力を作っていきます。

足し算で作ったものとしては
競合は「美味しさと目の前でつくるライブ感があり、器も料理に合っており、お手頃価格」という商品力であるのに対して、自社は「美味しさと目の前でつくるライブ感があり、器も料理に合っており、かつボリュームもあり、お手頃価格」という商品力を作れば、他社よりも量が多いということが差別化要素ということになります。

引き算で作ったものとしては
「旨さと早い」だけに絞ることで「安く」するというのは、引き算で商品力を作ったものです。
この構成要素が競合と照らして、差別化されていることが重要であると思っています。
さらに、商品力は売上の公式に基づき、商品構成がされていることが重要であると思っています。

売上の公式とは何かというと次の公式が多くの場合に活用されています。

売上=客数(新規客+再来店客)×客単価(1点あたりの単価×買い上げ点数)

これは店舗型に関わりなく、広く皆さんが知っている公式であると思っています。
あまりにも基本的な公式ですが、この公式は最低限でかつ最大の公式でもあると思っています。商品力検討する際に、自社のA商品はこのどこの売上に影響を与える商品であるのかを検討していただくことが重要なのです。

既存店であれば、売上が悪いのであれば、まず客数が悪いのか?客単価が悪いのか?を検討します。客数が悪いのであれば、新規客が少ないのか?再来店客が少ないのか?を検討します。

再来店客が少ないのであれば、来店頻度を上げる商品を検討するか?商品に飽きが来ない商品を検討するか?商品力が他社と比較し問題がないか?等を検討する必要があります。

つまり、公式のどこを改善するかでどの商品をどのように改善するのかが変わってくるということになります。

新規客がなかなか上がらないのであれば、商品の品質ではなく、インパクトが不足していることが多いものです。これは、商品の品質は一度経験しなければわからないからです。また、値段が商品に対して手頃ではないのかもしれません。

商品の買い上げ点数が低いのであれば、関連商品の品ぞろえやアピールが弱いのかもしれません。

上記は一部の例ですが、どこを改善するかどの商品をどのように改善するかという視点が全く違うことがわかると思います。まずは、この公式に当てはめて商品力を検討してもらうことが売上改善の第1歩になると思っています。

店舗の段階により改善項目は異なる

先述した売上の公式も開業の段階と既存店の売上改善の段階では重要な点が異なります。

開業の段階では、再来店客はいませんので当然、新規客を捕まえる商品が必要となります。
そのためには、目玉商品が必要であり、目玉商品は明確に差別化されている必要があると思います。また、買い上げ点数にもこだわって頂きたいと思っています。

他社よりも高い商品を提供することは難しくても複数購入してもらうために商品の品揃えを工夫し関連商品を購入してもらえるようにしたり、サービスでカバーができるものです。

既存店の段階では、再来店と買い上げ点数に拘って頂きたいと思っています。人口減少の中、今後も新規客を継続して獲得することは容易ではありません。一度来店されたお客様は再度呼ぶことはできないのか?来店頻度をもう少し短くすることはできないのか?という視点で商品の見直しをしてみてはどうでしょう。

お客様は飽きなどで商品を購入しなくなります。飽きがあるのであれば、飽きが来ない商品構成にしたり、商品力改善を行ったりすることが必要になるでしょう。
来店頻度を高めるのであれば、お客様の利用シーンが増える商品構成にしたり、選べる幅を広げたりすることが重要になるでしょう。

このように商品を改善するといってもさまざまな施策があります。
重要なことはこのような施策が効果を上げることです。そのためには、どこを改善するのかを特定しなければ効果は目に見えないものになってしまいます。

上記を開業段階からしっかり検討することで、店舗のマーケティング戦略は飛躍的に改善します。店舗型の売れる仕組みとは、

・店舗の売上=店舗数×〔商品力×商圏・立地力×売場・サービス力×販促力〕のミスマッチをなくすること
・売上=客数(新規客+再来店客)×客単価(1点あたりの単価×買い上げ点数)に基づき、改善の施策を打つこと

この2点が重要であると思っています。

今後開業される方、既存店の売上改善を検討されている方にはぜひ、参考にして頂ければ幸いです。

さいごに

ひとえに店舗ビジネスと言いましてもカフェやバー、食堂などの飲食店やネイルサロンやリラクゼーションサロン、小売業とさまざまな種類があります。その種類によって重要となる観点が異なる点が多少なりともございます。
現在、店舗ビジネスで起業しご自身のお店を持ちたいとお考えの方がおられたら我々専門家にご相談いただければより具体的なアドバイスをさせていただきます。

執筆者プロフィール:
ドリームゲートアドバイザー 田口 勝氏
(株式会社販路企画 代表)

経営コンサルティング会社勤務後、フランチャイズ業界最大手の株式会社セブン・イレブン-ジャパン本部でSVおよびマネージャを経験。店舗売上拡大のエキスパート。
17年以上のコンサルティング経験で支援実績:200社以上。
ドリームゲートアドバイザーグランプリ:市場調査・分析部門で1位を獲得。

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ドリームゲートアドバイザー 田口 勝氏

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