初めての店舗開業で
成功させるために必要な準備やスキルとは?

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: 田口 勝

カフェやバー、食堂などの飲食店やネイルサロンやリラクゼーションサロン、小売業といった店舗を構えるビジネスでの起業や開業を考えた場合、まず何が必要なのでしょうか?
出店する店舗探し、資金調達・メニュー開発や販促物作成など、実は開業までの準備は数多くあります。

店舗型のビジネスは初期投資が大きく、かつ物件を借りるといった不動産も扱うため開業した後から「やっぱりこの場所ではだめだ」と思っても簡単に移転などできません。

そのため、計画的に事前準備を実施しなくては、抜けや漏れだけでなく最終的には閉店という結末になってしまいます。
これから店舗の開業を目指される方には、しっかりとした事前準備を行って成功して頂きたいと思います。

店舗を閉店に追い込んでしまう一番の理由とは?

飲食店やサロン、小売業等、店舗型のビジネスで開業を希望される方は非常に多くおられます。

しかし、開店したのは良いが6ヶ月~1年以内で閉店してしまうのを見ると、新たに開業することを躊躇される方も多いのではないでしょうか?
このような店舗型のビジネスで成功するためには、まず閉店してしまう理由をしっかりと分析・検討することで必要な開業準備を理解することが重要です。

一番の理由は、「出店する商圏」と「自店の業態コンセプト」が合っていないということが原因です。

これは多店舗展開している大手チェーンでも起こり得ます。店舗型のビジネスは来店型のため、どうしてもお客様に店舗に来店してもらわなければなりません。そのため、商圏範囲が決まってしまいます。その商圏のお客様の特性やニーズ、利用シーンに応じた店舗づくりが出来ていないとお客様から支持されず客足が遠のいてしまうということになります。

失敗しない店舗運営の3つのポイントとは?

数多くの開業を目の当たりにした観点から最低限重要視して頂きたいポイントを3つご紹介いたします。

①自店の業態コンセプトとマーケティング戦略の立案

「どのようなお客様のどのようなニーズに対応して販促活動を実施していく」という戦略を明確に決定する必要があります。
店舗で提供する商品や価格、店内の雰囲気やイメージ・サービスなど、この戦略立案の結果が事業計画書に反映されなくてはなりません。

②業態の適応した店舗物件の選定

自店が提供する業態に応じた「店舗物件の選定」が必要になってきます。
そのためには、店舗物件を精査しなくてはらなりません。
商圏調査・立地調査・導線調査、競合調査などの調査を行い分析することが必要になります。

③必要な資金調達

①と②の結果から、「必要な資金」を決定します。
資金は物件取得費や内装・外装工事費、機器代などの設備資金から開業した後の人件費や原材料費、広告宣伝費などの運転資金も含まれます。
運転資金は早期に売上が上がってくる場合とそうでない場合とでは必要な資金が大きく変わってきます。そのため、資金調達においても店舗の業態コンセプトやマーケティング戦略、店舗物件の選定の結果が反映してくるのです。

私は店舗開業の7割は事前準備の内容と質でその後の運営が大きく変わってくると思っています。
ぜひ、上記3つのポイントは必ず抑えて事前準備をして頂きたいと思います。

店舗の開業に向けた準備と必要なスキル

先に挙げた3つのポイントを踏まえ、開業までに行っていただきたい項目を7つのステップに分けて紹介いたします。

ステップ1:業態コンセプトの決定

最初にどのような業種・業態をお客様に提供したいのかを決定します。
例えば、バル(食堂とバーが一緒になったような飲食店)の業態で比較的若いサラリーマンの方が仕事帰りに1人でも気軽に立ち寄り食事をしてお酒の飲めるお店をつくりたい。価格的に気軽さを提供し、かつ、少ない資金で始めたい。
資金的に店舗の広さは獲得できないので立ち飲みで回転を上げていきたい。等です。

ここで重要なことは、どのような商品をどれぐらいの価格で提供するのか。
それはどのようなお客様やニーズ、利用シーンに対して提供するのか。という商品部分。
そして、どのようなサービスを提供するのかというサービスの部分をまず決定することです。

商品部分は店舗という内外装やイメージなども影響をするので併せて決定します。
そして、そのお客様はどのような立地に出店すれば来店してもらえるのか?また、どのような販促手段を用いれば見てもらえるのか?を検討します。

ここでは、ご自身のやりたい業種・業態を自由に発想してもらうことが重要だと思います。

最後に必要な人員やスキル、設備、不足している情報などを検討します。そうすると今から何をしていかなければならいかが明確になってくると思います。飲食店のメニューがいまいちということであれば、料理について研究する必要があるでしょう。

ステップ2:市場調査・商圏調査の実施

業種・業態のコンセプトが完成したら、そのコンセプトが本当に実現可能なのかを市場調査と商圏調査を行います。

市場調査は、業界紙やインターネットなどでもある程度情報収集が可能です。
ご自身がやろうとしている市場の規模や動向だけでなく、社会全体がどのような動きになっているかを調査します。
社会全体の動きとは例えば、「女性の活躍が広く世の中に取り上げられるようになった」や「健康志向がより高まっている」など、世の中で一般的に言われているキーワードで充分です。
ここで重要なことは、業種・業態のコンセプトを決めた後に調査をするということです。
コンセプトを決めた後ですので当然、自分に関係があるところだけを深く調べていただくことになります。
そうしないと広く浅い調査になってしまいますので留意が必要です。

さらに立案した業種・業態がマッチングするエリアを選定します。その際に行うのが商圏調査です。商圏調査とは「人口や年齢層、世帯人数」だけでなく「事業所の数や従業員人数」「近隣の施設への来場目的や来場者数」「小売業の販売金額」等を調べるものです。

その際に活用していただくと便利なのが、「jSTAT MAP」という総務省統計局が出している商圏調査ツールです。無料で活用できますので、ぜひインターネットで調べて活用頂きたいと存じます。ここで自分の業種・業態と合ったエリアを3エリア程選定することが重要です。

エリアの候補を絞った後は、実際にそのエリアに現地調査に入り、人の流れがどのようになっているか?どのような客層がどのような目的で通っているのか?等を調査します。
現地調査を行うことで、どのような場所に出店すればお客様に来店しれもらえるのかが見えてくると思います。

ステップ3:物件選定・立地調査

商圏調査が終われば、対象エリアで物件の発掘を行います。対象エリア内の空き店舗や不動産業者を回り、ご自身の希望に合う物件を探します。
物件については空き状況しだいということになりますので、できる限り何度も対象エリアに足を運ぶことが重要となります。

希望に近い物件が出てきた場合には、内覧を行います。内覧を行う際に実施して頂きたいのが立地調査です。
その物件の「視認性」「侵入性」を特に確認して頂きます。

「視認性とは」
視認性とは店舗がお客様から見つけやすいかという視点で確認するものです。
歩いてこられるお客様がメインであれば、10m先から店舗や看板が見えれば店舗の様子が見える状態になっています。
また、車で来られるお客様がメインであれば、店舗から最低50m先から見えることが理想です。
店舗そのものが24時間365日広告をしてくれる広告塔ですので、ぜひともしっかり確認しましょう。
また、店舗が見えなくても看板でカバーする方法もあります。店舗と看板の両方で店舗の見つけやすさを確認しましょう。

「侵入性とは」
侵入性とは店舗への入りやすさです。歩いてこられるお客様がメインであれば、入口の広さや、店舗の様子が外から確認できることであたったりします。
車で来られるお客様がメインであれば、車の入る侵入口の広さであったり、段差、入口の個所数であったります。
ご自身の物件がお客様の視点で入りやすいかを客観的に確認することが重要です。

ステップ4:事業計画書・資金調達

物件選定が終われば、事業計画書を作成し、資金調達となるのですが、ここで現実的な話をすると再度、業種・業態のコンセプトやマーケティング戦略の見直しをする必要があります。

現在、完璧といえる物件はほとんどないというのが実状です。そのため、ある程度の物件で決めなければなりません。とおりのお客様がなかなか来店してもらえない可能性が高い物件なら、商品力と販促力を改善する必要があるでしょう。そのために何か足りないところがあるのであれば、不足しているスキルを埋めていく必要もあると思います。

その見直しをした結果を事業計画書に反映させ、実際に掛かる設備料金と運転資金を計算し、金融機関への資金調達を実施します。資金調達には自己資金(日本政策金融公庫で言うと通常は調達希望金額の1/3~1/10と言われています)も必要です。
資金調達後、物件契約を行い内装・外装工事や設備の発注を行う流れとなります。

ステップ5:メニュー開発・販促物作成

資金調達ができれば、メニュー開発や商品選定、販促物の作成などを実施していきます。
これは、事前の業種・業態コンセプトとマーケティング戦略の結果から作成します。

物件契約から開店までは1ヶ月~2ヶ月程度しかない場合がほとんどです。そのため、これについても物件選定段階で一緒に検討をしておくと良いでしょう。
また、必要な許認可申請や免許等もあれば漏れずに申請や取得が必要です。

ステップ6:従業員募集・開業準備

開業日までの間には、従業員が必要であれば募集し、初期教育を行うことも必要です。
現在は、従業員募集はどこの企業様も苦戦する傾向がありますので、充分な期間をとって実施していくことが重要だと思います。

また、最終的に内装・外装工事の進捗を確認したり、設備の搬入を確認したり、商品をつくる上での商品や原材料の発注も必要でしょう。不足する備品などもあれば購入し、開業準備を行います。

ステップ7:開業

工事が終了し開業できる準備が整えば、いよいよ開業となります。
開業後は、最初に立案した業種・業態コンセプトやマーケティング戦略と実際のズレを確認しながら、早急に修正を行い、売上を軌道に乗せていきます。

事前準備の内容と質を上げることで課題抽出や軌道修正が容易に

開業した後に売上が苦戦した場合でも、最初に業種・業態コンセプトやマーケティング戦略を立案し、店舗の環境を商圏調査や導線調査・立地調査などで調査をしていれば、「何が問題なのか?」の課題抽出は容易です。

そのためにも「失敗しない店舗開業3つの秘訣」をこれから店舗開業される方には最低限事前準備をして頂きたいと思っております。店舗開業の参考にして頂ければ幸いです。

さいごに

ひとえに店舗ビジネスと言いましてもカフェやバー、食堂などの飲食店やネイルサロンやリラクゼーションサロン、小売業とさまざまな種類があります。その種類によって重要となる観点が異なる点が多少なりともございます。
現在、店舗ビジネスで起業しご自身のお店を持ちたいとお考えの方がおられたら我々専門家にご相談いただければより具体的なアドバイスをさせていただきます。

執筆者プロフィール:
ドリームゲートアドバイザー 田口 勝氏
(株式会社販路企画 代表)

経営コンサルティング会社勤務後、フランチャイズ業界最大手の株式会社セブン・イレブン-ジャパン本部でSVおよびマネージャを経験。店舗売上拡大のエキスパート。
17年以上のコンサルティング経験で支援実績:200社以上。
ドリームゲートアドバイザーグランプリ:市場調査・分析部門で1位を獲得。

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ドリームゲートアドバイザー 田口 勝氏
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