飲食店を開きたい!
店舗選定から顧客開拓まで繁盛店への道のり

営業・マーケティング

執筆者: 加賀谷 豪

飲食店という店舗ビジネスは、開業においては非常に人気のある業種です。新規創業時に飲食店での開業が多いのはもちろん、既存の本業に加えて、多角化の一環として飲食店の開業を選択する経営者も多いのが実情です。つまり、飲食店という店舗ビジネスは、競争が激しい業種の1つと言えるでしょう。

飲食店といっても、居酒屋、ファストフードサービス、ラーメン屋、蕎麦屋、バー、スナック、お寿司屋など、種類はさまざまですが、いずれの飲食店も共通で活用できる営業戦略は存在します。

今回は、飲食店開業時に備えておきたい営業戦略の基礎について、いくつか紹介していきたいと思います。今回紹介する内容は、基礎的戦略のほんの一部ですので、他業種から飲食業に初めて参入する経営者や、初めて飲食店を開業する創業者様などに参考にしてもらいたいです。

また営業戦略というのは、いくつも考え方があり、どれが正解という明確なものはありません。いくつか紹介した内容を元に、自身のお店に合った戦略を検討していきましょう。

店舗展開をどこにするか

新店舗を開業する際に、周辺の競合店の状況をリサーチするのは必要不可欠です。その場合に、店舗をどこに構えるか、周辺のお店を考慮して選択する場合、主に下記のような戦略が考えられます。

・周辺に飲食店自体が少なく、かつ新店のコンセプトに対するニーズがある地域を選択する(主に郊外、住宅地)
・・・・飲食店自体が少ないということで、潜在的に飲食店に対するニーズがもしある地域だった場合、一気に繁盛する可能性があります。例えば最近は、居酒屋での食事も2次会などを想定せず、家族などで近隣で済ませたいというニーズが多いため、郊外へ複数店舗展開をする居酒屋チェーンも多くなってきております。一方で、新店が繁盛した場合、当該情報をリサーチして、チェーン店などがすぐ近隣に算入してくるケースが想定されます。
また、郊外で新店開業に成功した場合は、2店舗目以降も、他の地域の郊外で開業する戦略が考えられます。中小企業の場合、店舗開業の初期費用、固定費が繁華街より少ないという魅力があるからです。

・周辺に飲食店が多く、かつ新店のコンセプトがかぶる店舗が少ない地域を選択する(大きな繁華街)
・・・・飲食店が多い地域は、競争は激しい一方、飲食店を求めてお客さんが自然と集まる地域になるため、新店のアイデア、コンセプトにおける類似店が少なく、且つ市場ニーズに合致した新店を開業できれば、大きく成功する可能性があります。しかしながら、繁華街での開業は、郊外に比べて家賃等の固定費、初期費用が大きくなるケースが多いため、ハイリスクハイリターンであることは否めません。しかしハイリターンは事業者にとっては大きな魅力ですので、会社の経済的状況次第で、挑戦する価値はあるかと思います。

・一定の複数店舗を、一定の地域の近隣に複数開業する(中小企業の場合、郊外の方が可能性あり)
・・・・一定の地域に、市場がバッティングしたとしても、敢えて店舗を複数開業するという選択肢もあります。
まず、メリットとして挙げられるのは、当該店舗グループの知名度を、当該地域において一気に高めることが可能です。

例えば、人口10,000人のエリアに対し、①1店舗の出店であれば10,000人が顧客対象になるのに対し、②4店舗の出店であれば1店舗あたり2,500人が顧客対象という計算になります。
しかし、複数店舗の出店による広告効果、知名度の上昇により、利用見込み客の割合としては①より②のほうが高くなる可能性があるのです。
また、一つの店舗が満席の場合に、すぐ近隣に姉妹店がある場合、そちらへ顧客を案内することが可能です。さらには、店舗の混み具合に応じて、店員の割り振り、多店舗への応援がしやすいというメリットもあります。
そのため、繁華街にあるチェーン店では、よく活用される戦略ですが、中小企業等の場合は、コストを考慮して、最初は郊外の一定の地域で当該戦略を活用するほうがよいかと思います。また郊外に複数店を展開する場合、全く同じお店よりは、グループ店であることがわかり、かつコンセプトを異なるものにするなどの工夫が必要です。
複数の異なる郊外でそれぞれ店舗展開していくか、大きな繁華街でチャレンジするか、ターゲットの郊外を絞って、複数店を展開するか、それぞれにメリットがあるため、十分検討した上で判断していく必要があります。

販売単価を上げる戦略

販売単価を上げる戦略として、基礎的な戦略方法の一部をご紹介します。

―アップセル、クロスセル、パッケージセル戦略-
これらの戦略は、主にテレビショッピングなどで有効な戦略と言われているものですが、飲食店でも活用可能です。

・アップセル・・・価格バリエーションを3種類設けるなどして、購入単価を上げる戦略。
ex)お造りの盛り合わせで、松・竹・梅という3パターンの商品を設け、出来るだけ松・竹のメニューを注文してもらう。

・クロスセル・・・顧客が購入した商品の関連商品も一緒に販売することで、購入単価を上げる戦略。
ex)ビールに豪華なお通しをつけて、購入単価が高い場合でも、顧客満足度を高めることを目指す。

・パッケージセル(ダブル購入)・・・セット販売、又は1個より2個という戦略により、購入単価を上げる。
ex)マクドナルドのバリューセットなどのように、セット内容を充実させた商品をメニューの目立つところに設け、単品メニューよりセットメニューを買ってもらうよう促す。

このように、ちょっとしたメニューの工夫で、顧客満足度を保ちつつメニュー単価を上げることができるため、創業したての方は、戦略の1つとして活用してみましょう。

顧客管理戦略

顧客を管理するための戦略で、近年有効とされているのは、コミュニケーション戦略(CRM戦略)と言われるものです。

これは、顧客とお店のつながりを強くし、親近感を顧客に感じてもらい、リピート率を上げることを目指す方法です。

まず、CRM戦略の基本は、お店の情報をメールやライン、ブログなどで顧客へ定期的に配信し、出来るだけ顧客にお店の情報をコンスタントに見てもらうことで、お店との心理的距離を縮めることを目指します。親近感を常に持ってもらうということです。

そして、顧客に関する情報を管理し、顧客のニーズに合致する情報を伝えて、お店に来てもらうよう、働きかけます。

例えば、顧客の誕生日がわかれば、誕生日ごとに誕生日割引のクーポンをメールなどで配信し、お店に来てもらうきっかけを作ることができます。または、性別がわかれば、レディースデーなどを設け、女性が割引になる日を情報配信し、お店にきてもらうように促します。お子様のいらっしゃるご家族には、おもちゃ配布のイベントなどを紹介するのも有効でしょう。
さらには、顧客の好きなメニューなどがわかれば、当該メニューの割引セールを開催し(例えば、から揚げ半額セール!など)、当該顧客に情報配信するということも可能です。
これらの顧客情報を確保するために、メルマガ登録やLINE登録を促し、登録した場合に当日活用できるクーポンなどを付与するなどの方法があります。
このCRM戦略ですが、いろいろなお店で行っているため、今となってはあまり目新しさはありませんが、確実に有効な戦略の1つといえます。

近年は、CRM戦略を効率的かつ計画的に行うための情報管理システムなども多数あり、システムをうまく活用して、戦略的情報配信もかなり精度の高いものにすることが可能です。
システムを活用すれば、誕生日メールなども自動に配信できますし、年齢や性別、趣味嗜好などによってグループ分けし、イベント情報を配信するグループを選定して配信するなども可能なのです。
例えばメルマガなども、イベントの都度全顧客データに配信すると、顧客にとってあまり必要のない情報も頻繁に配信されることで、当該メルマガをしっかり読むという習慣がうすれてしまいます。的確に、ニーズに合う情報のみ配信されれば、顧客にとって、より親近感が高く、閲覧率の高いメルマガとなるのです。

今回は飲食店を経営するにおける戦略の一部をご案内しましたが、より高度な戦略を検討する場合は、コンサルタントなどの専門家にも是非ご相談下さい。

執筆者プロフィール:
ドリームゲートアドバイザー 加賀谷豪(税理士、ファイナンシャルプランナー)
株式会社ピクシス 代表取締役/税理士法人アクシオン 代表社員

1981年 北海道札幌市生まれ
同志社大学卒業後、税理士事務所業界経験12年の内、起業者の税務顧問をメインとして携わる中で、より起業支援に特化した研修、勉強会などのサービス提供を目的として、平成26年に株式会社ピクシスを設立。マーケティング戦略・ネット集客に係るプランニングにより、売上のビジョンを明確化するという目的と、それによる充実した事業計画を作成活用することで、融資対策につながるご提案を目的とした「10-million-school」の共同開催を継続的に行っている。平成28年に税理士登録とともに、税理士法人アクシオンを設立

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