コロナ時代、創業融資は受けにくい?創業融資NGになる条件とは?

この記事はに専門家 によって監修されました。

こんにちは、ドリームゲートアドバイザーの松原元(まつばら つかさ)です。

私は株式会社SoLaboの大阪支社長を務め、行政書士・社会保険労務士としての経験を生かし、約350社以上の個人事業主や中小企業への融資支援業務に従事しています。

新型コロナウイルス感染症の影響が続く中、弊社に創業を検討されている方からの相談は増えている状況です。今回はその経験をもとに、コロナ禍での創業融資の状況や、どのような方が審査落ちになっているのかを説明します。

コロナ禍でも創業融資は受けられるのか

今回は創業融資を積極的に支援している日本政策金融公庫を前提に説明していきます。

日本政策金融公庫の場合、新型コロナウイルス感染症に関する融資を希望する方の問い合わせが、ピーク時には通常の5~10倍になっていたことで創業案件の対応は難しい状況でした。ピークは過ぎたとはいえ、新型コロナウイルス感染症特別貸付を受けた方が2回目の融資を希望して申し込みをしているケースもあり、いまだに通常の2、3倍の案件を対応している支店もあるとのことです。

そのような状況下での創業ですので、結論からいうと以前と比較して創業融資を受けるのは難しくなっているといえます。

とくに新型コロナウイルス感染症の影響を受けているビジネスモデル(飲食店など)は、コロナ禍以前よりもシビアに審査が行われている印象です。弊社SoLaboで創業融資の支援をしたお客様でも、通常時であれば1,000万円の融資を受けられたであろう方が、減額をされているケースがありました。

時間的に余裕があるのであれば、新型コロナウイルス感染症が終息してからの独立を検討するのも、希望する金額の融資を受けるためのひとつのポイントともいえますが、なるべく早く創業したい方もいらっしゃると思います。

そのため、とくに創業融資を検討されている方はこれから説明する、「どういった方が審査NGになっているのか」を参考にして進めていただくのが良いでしょう。

コロナ禍で創業融資が受けにくい5つのケース

自己資金がない、もしくは少ない

創業融資の場合、通帳でどれだけ自己資金を貯めているのかが最も重要な審査ポイントといっても過言ではありません。

なかには自己資金がない(貯めることができない)から、融資を受けないと事業を始められないという方がいらっしゃいますが、創業融資では申込人の今までの計画性を重視しています。

「事業のために頑張って○万円の自己資金を貯めてきたが、想定している事業計画では○万円足りない。そこで足りない金額の融資を受けたいから申し込む」という流れであり、金融機関としては申込金額が妥当であるか、融資できるかどうかを審査します。

金融機関としても頑張ってコツコツ準備をしてきた方を応援したいと考えていますので、自己資金を計画的に貯めてきた過程を見せることで、事業に対する熱意も伝えることにも繋がります。

いくらくらいの自己資金が必要?

実際に自己資金が主な原因で融資を受けられないという方は多くいらっしゃいます。

日本政策金融公庫の新創業融資制度には自己資金要件として事業計画に必要な金額の10分の1の自己資金が求められますが、このコロナ禍では最低でも3割、できれば5割程度の自己資金を準備しておくべきでしょう。

もちろん業種や各申込人の状況により異なる場合があり、あくまで目安となりますのでご注意ください。

タンス貯金はNG。通帳を分けて。

新型コロナウイルス感染症が終息してから融資を検討している方は少しでも自己資金を多く準備しておきましょう。

これから自己資金を貯めようと考えている方は生活用と貯蓄用で通帳を分けて貯めることをおすすめします。いつから貯め始めたのかが明確にでき、創業動機の裏づけとなるからです。

銀行に預けるのは面倒などの理由で手元に現金で貯める方がいらっしゃいますが、絶対に止めましょう。

現金で貯めている場合は自己資金としては基本的に見なされません。理由としては金融機関からすると本当に申込人が貯めてきたのか、他の誰かから借りてきたのかが判断できないためです。

また、それまでは預金残高がほぼゼロだったのに直近3ヵ月で急激に預金残高が増えていたり、数十万円や100万円単位の入出金が頻繁にあったり、少しでも疑わしい入出金があったりすると、担当者が納得できる理由を説明できない限り、融資を受けるのは難しくなります。

要するに出所が分からない場合は自己資金にはなりません。

ローンやクレジットカードの支払いに滞納、未納がある(個人の信用情報に事故情報がある)

日本政策金融公庫の審査では必ず信用情報を確認します。

例えば債務整理後、期日通りに返済をし、すでに完済している状況であれば、自己資金や経験、事業計画に問題がなければ、融資を受けられる可能性は十分にあります。

しかし、支払いが頻繁に遅れており、直近も遅れがあるという状況であれば、融資を受けるのは非常に厳しいです。ご自身の信用情報に不安のある方は事前にCICなどの信用情報機関に問い合わせをして、自身の状況を確認しておきましょう。

異動情報などの事故情報が残っている場合、融資を受けることが難しい可能性が高いです。

業界経験がない(未経験)

日本政策金融公庫としては6年以上の経験が望ましいとされています。そのため、未経験だと融資を受けるのはかなり厳しいです。

未経験の方が成功する確率が低い上に、コロナ禍で既存の事業者が困っている状況ですので、さらに厳しいと評価されてしまいます。とくにフランチャイズに加盟して事業を始める方は未経験分野である方が多く、融資NGになる方が多いです。

フランチャイズ本部に頼った事業計画を基に日本政策金融公庫の担当者と面談をした方が、未経験かつフランチャイズ本部頼りで事業内容を把握していなかったため質問に答えられず、融資を受けられなかったケースもあります。

未経験の方で、時間的に余裕がある場合、最低でも1年以上の業界経験を積みましょう

合理的に説明ができない事業計画を作成している

自身が思っているよりも固めな事業計画を練りましょう。

多くの方が今までの勤務経験からこれだけの売上は大丈夫だろうと想定して計画を作成すると思います。しかし、金融機関にとっては、その数字が楽観的過ぎる計画になっている場合があります。

事業計画には根拠が必要です。もちろん金融機関もすべてが計画通りにいくとは考えておらず、申込人が経営者として今までの勤務経験を基に、どれだけ考えて事業計画を作成しているのかを見ています。

売上の根拠を提示するのは簡単ではありませんが、美容師の方であれば顧客リストを準備したり、建設業の方であれば取引先から受注書や見積書を発行してもらったりと、金融機関の担当者が納得できるような準備が必要です。

プラスアルファとしてコロナ禍でも売上が確保できることを合理的に説明できなければなりません。取引先がひとつであれば、もし新型コロナウイルス感染症の影響などでその取引先からの仕事がなくなった場合、売上がゼロになってしまうでしょう。

そこで、「メインの取引先としてはA社だが、並行してB社にも独立の話をしているため、B社からも仕事が受注できる予定である」などと説明できれば、金融機関の担当者からの評価は良くなります。

また、今このコロナ禍で創業する動機も重要です。

例えば新型コロナウイルス感染症の影響で廃業した店舗があり、立地が良い居抜き物件を借りることができるため、創業を決意したというのは創業動機としては不十分といえます。既存の事業者が上手く行かなかったのに、申込人なら上手く行くということを合理的に説明でき、金融機関の担当者に納得させる必要があるのです。

金融機関としてはコロナ禍で創業することに懐疑的になっているといえます。そのため、なぜこの時期に創業しないといけないのかについて、今一度考えてみてください。

感染症対策や休業要請などが出されたときの対応策を考えていない(特に店舗系ビジネスの場合)

たとえば、繁華街の居抜き店舗が見つかり、創業したいとします。

繁華街であれば人通りが多く、集客が見込めるというメリットがある反面、新型コロナウイルス感染症の影響を受ける可能性が高いです。そこで、当面の感染症対策をどのように行っていくのかは金融機関の担当者としては気になります。

席数を当面は7割程度に抑えて営業するであったり、土日はデリバリーを中心にした売上を想定し、デリバリー専用のメニューを開発するなどの対策を考えておきましょう。

「コロナも落ち着いてきたし、もう大丈夫だろう」と楽観的な考えで、感染症対策に関してあまり考えておらず、金融機関の担当者の質問に対して答えることができない場合、評価はかなり下がることになりますので、ご注意ください。

まとめ

コロナ禍で創業融資を受けるのは簡単ではありませんが、しっかりとした準備をすることで、融資を受ける可能性を高めることができます。

希望金額を減額される可能性も頭に入れておき、減額された場合にはどうするなど、さまざまな可能性を踏まえて融資を検討しましょう。

少しでも不安に思うことがあれば、資金調達の専門家に相談して進めましょう。

執筆者プロフィール:
ドリームゲートアドバイザー 松原元(まつばらつかさ) /(株式会社SoLabo/行政書士・社会保険労務士)

資金調達支援を専門に取り扱う株式会社SoLabo(ソラボ)にて2,400件以上の融資実績を基に経営者の資金調達をサポート。株式会社SoLaboでは大阪支社長を務め、行政書士・社会保険労務士としての経験を生かし、約350社以上の個人事業主や中小企業への融資支援業務に従事。お客様が融資の審査に通るために、正しい情報をお伝えし、親身にサポートいたします。

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