資金調達(融資)のノウハウ Vol.09 予定通りに経費が動く事業計画書を作るコツ。

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
皆さんが作る完璧な事業計画書。しかし、見込みどおりに行く会社は10社に1社も無いのが現実なのです。今回は、失敗しないための事業計画と資金繰り表作りについてお話しましょう。

起業家に見る2つのタイプ

 私が見る限り、起業する人を見ていると二つのタイプに大別されます。

・売り上げが計上できる得意先を確保している方→営業力のある方
・売り上げが計上できる商材、ノウハウを開発、確保している方→技術力のある方

 つまり、財務、資金に関しては当然ながら二の次についてくるわけですね。

 そのような方々に、今後の事業計画をお聞きすると、大体以下のとおりの話になります。

(社長)
売り上げはねー○○社が○○を買い取ってくれそうだから毎月○○万円はいきそうだね!
それで、仕入れが○○円だから毎月粗利益は○○円だね!
人件費が○○円でその他の経費が○○円だからー毎月○○円儲かるんだよー
そしてそれを、事業計画フォーマットに落とし込んでいき、損益計画を作ると、見事に完璧な事業計画が作られていきます。

 社長と顔を見合わせ、うーん、すごいですねー!とニヤニヤしてしまうようなパターンが今まで何十社もありました。
しかしながら、経費は2割り増しで見ておく僕の経験から見ると、残念なことにその見込みどおりに行く会社は10社のうち1社もありませんでした。

 代表者自身がそれで独立しようと言うぐらいの商材やルートを駆使して事業計画を作成するわけですから、それを過信するのは否めませんが、やはりその段階で客観的な指摘も必要ではないかと思います。
 また、逆にそれは仕方がないことだとも思います。そもそも人というものは、自分に対する評価が実際の、外部の評価によりも15%ぐらい高いそうです。(どこかで聞いたことがあるのですが、自分に照らし合わせると確かにそんな感じかなと思います。)
 そしてどんなにリサーチ、市場調査をしてあったとしても、最終的にビジネスをスタートさせてみると、結局結果がどちらに転ぶのかは、のるかそるか!なんですよね。特に起業という現場の当事者はわからないのです。それだけの自信があるから起業するわけですし・・・
 そもそもそのような思い込みがなければ起業なんて無理ですよね。楽天的でなければ起業はできない!
 ですから、せめて経費に関しては予定の2割増ぐらいでリスクを見るようにしましょう。さらに、損益だけではなく、資金繰り表を作成するのです。とくに資金繰り表に関しては、自主的に作ってきた人は私の経験では皆無です。

 

資金繰り表を作成しよう。

 資金繰り表と言うと、作り方がわからない方も多いですが、簡単かんたん!足し算、引き算ができれば誰にでも作れます。
 別に銀行に提出するような形式でなくてもよいのです。
 僕も、たくさん資金繰り表を作ってきましたが、一番使える形は現金出納帳のような形式に、今後の入金、出金予定をずらりと並べていくだけです.(エクセルなどで関数を使って作成すればさらに簡単、家計簿感覚)
 銀行などに提出する資金繰りはそれなりの体裁のものを作りますが、実務で使う資金繰り表はそのような形のものこそが使えます。(実際、売上高100万円の会社から数百億円の会社までこのような資金繰り表で管理しています)

 どのようなビジネスもそうですが、売り上げが計上されて(請求書を発行して)入金になるまでには、末締めの翌月払いなどのいわゆるサイトがあるのです。それに対して、仕入れなどの締め支払いのサイトがあります。また、売上は現金とは限らず手形だったりするわけです。そうなると、損益上は利益が出るけども、資金繰りはマイナスになってしまうのです。

そこで、資金繰りを円滑にまわすための鉄則

それは

————売上入金は早く、対応する仕入れ、経費支払いは遅く————

 当然と言えば、至極当然ではありますが、どのような規模の会社であってもこれが大原則です。
 売り上げの入金が遅れたから・・・なんて従業員に給与が払えないなんてことになったら、従業員からの信頼も失墜し、社員の士気にかかわってくるので大変です。
 それを回避するためにも、資金繰り表を作る必要があるのです。

 

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