融資に影響を及ぼす個人の「ブラック歴史」とその対処法

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: 村野 智範(株式会社SoLabo)

融資を断られたという方の中には、過去に金融事故を経験している場合がよく見受けられます。金融機関からの融資を受けたいと思っても、すべての方が受けられるわけではありません。金融機関ごとにそれぞれ独自の審査があり、貸すか貸さないのかの判断をしています。

そこで、今回は融資に影響を及ぼす金融事故の解説と、どのように対処すればよいかをご紹介します。特に創業融資を受けたいと考えている方は確認してみてください。

個人ブラックとは

金融機関は個人信用情報を含めた、さまざまな観点から融資の審査を行います。個人信用情報には、債務整理やローンの延滞などの金融事故(事故情報)が登録されています。事故情報を登録されている方が、いわゆる個人ブラックと言われています。

創業融資の際に引っかかってしまう金融事故

業界経験を積み、自己資金も徐々に貯めてきた方でも、融資を受けられないケースがあります。融資は総合的な判断をもとに可否が決まりますが、過去に金融事故の経験があることも審査に落ちてしまう要因の一つです。

融資の審査において、金融事故の経験の有無は重要なポイントであると言えます。

なぜ金融事故があると融資を受けることができないのか

融資における審査は、返済の可能性がどのくらいあるのかを見極めるために行われます。そこで過去に金融事故があると、金融機関から「融資をしても返済できる可能性が低い」と判断されるので、審査で不利になります。

審査は総合的な判断で決まりますが、金融事故は返済の可能性に大きく影響し、結果として融資が難しいとの判断につながります。

金融事故の一例

金融事故は、CICやJICCなどの信用情報機関に信用情報として登録されます。金融事故の一例として、以下が挙げられます。

  • クレジットカードの延滞、強制解約
  • 各種ローン(カードローンや車のローンなど)の延滞、代位弁済
  • 自己破産
  • 債務整理
  • 携帯電話端末における分割払いの延滞、強制解約
  • 奨学金の延滞

クレジットカードや車のローン、カードローンなどに関しては延滞するとローンが組めなくなると聞いたことがある方もいると思いますが、携帯電話や奨学金も同様です。

審査は総合的な判断で決まりますが、金融事故は返済の可能性に大きく影響し、結果として融資が難しいとの判断につながります。

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金融事故への対処方法

債務整理やクレジットカードの延滞など、過去に金融事故を経験したことがある方は以下の方法を検討してみましょう。 

自身の信用情報を確認する

自身では解決したと思っていても、信用情報上には金融事故(事故情報)が残ったままになっているケースがあります。金融事故(事故情報)がある状態で、融資を受けることは原則としてできません。そのためにもまずは自身の信用情報を確認しておきましょう。

もし事故情報が確認できれば、その情報は金融機関側も確認できます。弁護士などの専門家に相談・依頼して、解決を図りましょう。基本的に放置しても情報は消えることはないので、すぐに対応する必要があります。

クレジットカードが作成できるかどうかを確認する

たとえ信用情報上に事故情報がなくても、安心はできません。金融事故以来、クレジットカードを持っていない方はクレジットカードが作成できるかどうかを確認しましょう。

しかし、クレジットカード会社は、それぞれ独自の基準で審査をしており、信用情報上に何もなくても、審査に通らないことがあります。その場合、金融機関からすると、事故情報はないけど、何かあるから審査に通らなかったと想定され、融資の審査においてネガティブになってしまいます。

そのため、クレジットカードが作成できない状況で、金融機関からの融資を受けられる可能性は低いと言えます。クレジットカードが作成できれば、客観的にも正常な状態であると判断され、過去の金融事故が審査に影響する可能性は低いと言えます。

クレジットカードが特に必要ないという方は、携帯電話端末の割賦販売(分割払い)を利用することで確認するのが良いでしょう。割賦販売とは、分割払いで商品を販売することを言います。携帯電話を購入する際に24回払いで契約したことがある方もいるのではないでしょうか。割賦販売を利用するときにも審査があり、信用情報上に事故情報があれば、原則として利用ができません。

住民税などの税金は必ず支払っておく

信用情報上では税金の支払い状況は確認できません。しかし、原則として税金を支払っているかどうかも審査の対象です。領収書などで支払いが確認されます。

そのため、住民税や固定資産税などの税金は必ず支払っておきましょう。仮に通帳上に、税金などの滞納による「差押」が確認できると、融資を受けるのは難しいでしょう。

また、公共料金においても通帳上で支払いが確認できれば問題ないですが、コンビニ等で現金で支払っている場合、領収書の提出を求められることがあります。そのため、公共料金に関しても期日までに支払っておいたほうがいいといえます。

より審査の可能性を高めるために行ったほうがいいこと

過去の金融事故以降は滞りなく支払いを行っており、なおかつより多くの自己資金を準備することで、融資の可能性を高めることができる場合があります。創業融資の場合、自己資金をどれだけ準備しているかどうかが審査において重視されます。

自己資金は準備していればしているほど評価されます。創業融資を検討している方は自己資金が重要ですが、過去に金融事故を経験している方は特に、なるべく多くの自己資金を貯めてから、融資を申し込むのがいいでしょう。

まとめ

過去に債務整理やクレジットカードの延滞などがあり、金融事故を経験したことがある方は、金融機関から融資を受けるのが難しい場合があります。ただし、信用情報上ですでに事故情報がなく、直近でクレジットカードが作成できていれば、融資を受けられる可能性はあります。

当社株式会社SoLabo(ソラボ)にも信用情報が不安で問い合わせいただくケースが多くあります。過去に金融事故の経験があり、少しでも審査において不安な点があれば、まずはお問合せください。

執筆者プロフィール:
ドリームゲートアドバイザー 村野 智範
(むらの とものり) /株式会社SoLabo

資金調達支援を専門に取り扱う株式会社SoLabo(ソラボ)にて2,400件以上の融資実績を基に経営者の資金調達をサポート。
トップコンサルタントとして毎月30件以上の資金調達支援を実施。これまでに400件以上の経営者をサポートして参りました。創業者からベテラン経営者まで、事業をどう続けていくのか、中長期を視野に入れたアドバイスをいたします。

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ドリームゲートアドバイザー 村野 智範 

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