【事業再構築補助金】実際に申請してみて分かった9つの注意点

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: 松原 元 (まつばら つかさ)

 

新型コロナウイルスの影響を受けている事業者にとって力強い支援となる事業再構築補助金ですが、現在(令和3年5月31日)第2回の公募が開始しています。さらにあと3回程度の公募が予定されているため、採択を目指すために、十分な準備をして申請するのがよいでしょう。

当社株式会社SoLabo(ソラボ)では第1回の公募において、多くの事業者の方を支援しました。その中で、実際によく見受けられた注意点をまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。
実際に申請してみて分かった9つの注意点アイキャッチ

事業再構築補助金とは

事業再構築補助金とは、コロナ禍で影響を受けている事業者が思い切った事業展開・再編などを行うのを支援するために創設された補助金です。補助金額が最大1億円と、他の補助金と比較すると、大型補助金です。

事業再構築補助金の申請における9つの注意点

①決算書の一部として個別注記表が必要

公募要領の添付書類の中にも記載がある通り、決算書を準備する際には損益計算書や貸借対照表だけでなく、製造原価報告書・販売管理費明細・個別注記表が必要です。

個別注記表とは、損益計算書や貸借対照表では読み取れない、会社個別の会計方針を記載した書類です。重要な会計方針に係る事項、会計方針の変更に関する注記などは必ず必要ですので、準備しておきましょう。

②自社従業員の数と定義について

電子申請をする際に、まず「1.申請者の概要」で商号や住所など、基本情報を入力します。その中に従業員数も入力します。この従業員数ですが、申請する企業が補助対象であるかを確認するために必要です。

今回の補助金は大企業や宗教法人などを除いた中小企業、中堅企業が対象です。そのため、日々雇い入れられる者、2か月以内の期間を定めて使用される者、季節的業務に4か月以内の期間を定めて使用される者、試みの使用期間中の者を含まない従業員数を記載します。

また、本補助金の申請上、従業員は解雇する際に予告を必要とするものとの定義になっています。

③事業の産業分類への当てはめ

こちらも電子申請時の注意点ですが、「4.事業概要」で事業再構築前後の主な事業又は業種を類型(新分野展開、事業転換、業種転換、業態転換、事業再編)に応じて、大分類、中分類、小分類、細分類のそれぞれを選択しなければなりません。自身の事業分類がどの分類に該当するか、下記総務省の産業分類を事前に確認しておきましょう。

総務省 日本標準産業分類

④事業再構築の必要性について

既存事業の状況や事業環境などを勘案して、そもそも事業再構築が必要なのかどうか、今回の補助金に便乗した計画ではないことなど、補助金の趣旨にもとづいた事業再構築であるかどうかが重要なポイントであるといえます。

⑤補助対象経費の主たる経費と関連経費の区分

補助経費には建物費、機械装置・システム構築費、技術導入費、専門経費などがあります。

今回の補助金では、基本的に事業拡大につながる事業資産(有形・無形)への投資が求められています。このため、一過性の支出と認められるような支出が補助対象経費の大半を占めるような場合には、本事業の支援対象にはなりませんので、ご注意ください。

例えば、資産性のない経費(広告宣伝・販売促進費など)のみを計上する事業や、1つの経費区分だけに大半の経費を計上する事業等が挙げられます。

⑥50万円以上の設備は型式、型番まで明確にする必要がある

取得する主な資産(単価50万円以上の建物、機械装置・システム等)の名称、分類、取得予定価格等を記載しなければなりません。その上、型式・型番まで明確にする必要がありますので、確認しておきましょう。

⑦事業再構築指針に合わせた事業計画の作成

事業再構築補助金を採択されるためには、事業再構築補助指針に則った事業計画を作成しなければなりません。事業再構築の指針を理解することが、採択の可能性を高める近道であるといえます。加えて、認定支援機関(認定経営革新等支援機関)と共同で事業計画を策定する必要があります。

当社株式会社SoLabo(ソラボ)も認定支援機関として、事業再構築補助金のサポートを行っています。事業再構築補助金に関して、ご質問やご不明点がございましたら、お問い合わせください。

事業再構築補助金 事業再構築指針

事業再構築補助金 事業再構築指針の手引き

⑧売上減少の比較月の抽出

補助対象要件として、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて売上が下がっていることが必要です。下記が第2回公募要領に記載されている売上高減少要件です。

  • ア.「任意の3か月」とは「2020年10月以降の連続する6か月間」の範囲内であれば連続した3か月である必要はありませんが、比較するのは選択した3カ月と同じ月です。
  • イ.「コロナ以前の同3か月」とは、原則、事業者が任意で選択した3か月と2019年1月~12月または2020年1月~3月の同3か月とします。

※コロナ以前(2020年3月31日以前)から創業を計画等しており、2020年4月1日から2020年12月31日までに創業した場合は、特例的に支援の対象となります。

この場合、売上高減少要件は、2020年10月以降の連続する6か月間のうち任意の3か月の合計売上高を、2020年の創業時から同年12月末までの1日当たり平均売上高の3か月分の売上高と比較して算出してください。

なお、事業計画書において、コロナ以前から創業計画を有していたこと及び新型コロナウイルス感染症の影響により売上が減少していることを示していただく必要があります(例えば、2020年3月31日より前に策定した創業計画の提出、自社が属する業種の売上が減少していることを、公的統計等を用いて示す 等)。

 

※罹災の影響を受けた場合(災害等の影響を受け、本来よりも2019年の売上げが減っている場合)に限り、2018年1月~12月とすることも認められます。

(例)2021年6月に申請する場合、2020年10月以降の連続する6か月とは「2020年10月~2021年5月」の期間における連続する6か月を任意で指定する。

当該期間における連続する6か月を任意で指定したうちの3か月(例えば、「10月、12月、2月」、「12月、4月、5月」等)の合計売上高を算出。コロナ以前の同月(「10月、12月、2月」、「12月、4月、5月」等)の合計売上高と比較して10%以上減少していることを確認する。

なお、2月については、2019年2月又は2020年2月と比較することが可能。

※対象にならないケースの例

・10月、4月、5月(10月が始点月となるため、4月は7か月目、5月は8か月目となる)

・11月、12月、5月(11月が始点月となるため、5月は7か月目となる)

売上高減少要件|事業再構築補助金 公募要領(第2回)より引用

そもそも売上が下がっていなければ、申請要件を満たさないので、ご注意ください。

⑨前年、前々年の売上が法人事業概況説明書では千円単位なのに、補助金申請では1円単位まで必要

売上高減少要件を確認するために、申請時に2020年10月以降の連続する6ヶ月のうち任意の3ヶ月の売上を記載しなければなりませんが、1円単位である必要があります。

そのため、おおまかな数字ではなく、細かい数字が求められますので、事前に税理士に相談するなどして、準備しておきましょう。

事業再構築補助金の第2回公募での主な変更点と注意点

令和3年5月20日に第2回公募要領が公表され、何度か改訂を重ねています。現時点における第1回公募との変更点、第2回公募での注意点についても簡単に解説します。

売上減少要件が「申請前直近6ヶ月」→「2020年10月以降の連続する6ヶ月、のうち任意の3ヶ月」に変更

第2回の公募要領では、売上減少の要件の中に「2020年10月以降の連続する6か月間のうち、任意の3ヶ月」という言葉が追記されたことにより、2020年9月以前の売上では申請できなくなりました。

2020年4月~12月の新規創業者もコロナ以前から計画している場合は対象となり得る

第1回の公募要領では2020年3月時点で開業していない事業者は補助の対象外でした。しかし、今回の公募要領では2020年7月以降に開業した場合も補助の対象になる旨の記載があります。

前回の不採択が発表されるまでは申請不能

第1回の公募に申請された方は採択結果が出るまで、第2回の公募を申請することができません。第1回の公募結果は6月中に発表される見込みです。

採択発表は8月下旬~9月上旬

第2回公募結果は8月下旬~9月上旬に発表される予定です。

予告通り緊急事態宣言特別枠は今回で最後

緊急事態宣言が発出された地域の事業者(特に飲食店の方など)が利用しやすい「緊急事態宣言特別枠」は予告通り今回の第2回の公募で最後となります。

事前着手は2/15以降で変わらず

第1回の公募から引き続き、事前着手制度の利用を検討されている方は、令和3年2月14日以前に行われた購入契約(発注)等については、補助対象経費として認められませんので、ご注意ください。

また第3回公募以降では、事前着手の対象期間の運用について見直しを行う場合があるとの記載があるため、第3回公募以降の申請を検討されている方は注意が必要です。

加点項目の変更・追加

  • 加点①&特別枠要件について、「1~3月のいずれかの月で30%以上減少」→「1~5月のいずれかの月で30%以上減少」に変更
  • 加点②について、「1~3月の固定費>同期間の協力金」→「1~5月の固定費>同期間の協力金」に変更

加点①・②に関して、期間の変更が行われました。

加点項目として、新たに加点③が追加

加点③「データに基づく政策効果検証・事業改善を進める観点から、経済産業省が行うEBPMの取組に対して、採否に関わらず、継続的な情報提供が見込まれるものであるか。」という項目が追加されました。

③の加点項目については、電子申請システム上でチェックするだけで加点されそうですので、あまり大きな加点とはならないのではないかと予想されますが、特にデメリットもないので、基本的にはチェックするのがよいでしょう。

※EBPM(Evidence-Based Policy Making)とは、「政策の企画をその場限りのエピソードに頼るのではなく、政策目的を明確化したうえで合理的根拠(エビデンス)に基づくものとすること」です。

内閣府 内閣府におけるEBPMへの取組より引用

まとめ

補助金は状況に応じて、公募要領などが改訂されます。特に事業再構築補助金については、頻繁に改訂が行われていますので、最新の情報は事業再構築補助金ホームページをご確認ください。第2回公募は令和3年7月2日18:00が締切予定となっているため、上記注意点を踏まえて、十分な準備をして申請に望みましょう。

なお、当社株式会社SoLabo(ソラボ)も認定経営革新等支援機関として登録しており、事業再構築補助金のご相談を承っておりますので、お気軽にご相談ください。

執筆者プロフィール:
ドリームゲートアドバイザー 松原元(まつばらつかさ) /(株式会社SoLabo/行政書士・社会保険労務士)

資金調達支援を専門に取り扱う株式会社SoLabo(ソラボ)にて2,400件以上の融資実績を基に経営者の資金調達をサポート。株式会社SoLaboでは大阪支社長を務め、行政書士・社会保険労務士としての経験を生かし、約350社以上の個人事業主や中小企業への融資支援業務に従事。お客様が融資の審査に通るために、正しい情報をお伝えし、親身にサポートいたします。

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