ChatGPTを活用したビジネスアイデア10選:知的労働の産業革命

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: 小西 薫

AI技術の進化はビジネスの世界に革新的な変化をもたらしています。特に、OpenAIが開発したChatGPTは、これまで専門家のツールだったAIを誰でも利用できるようにした、という点で革命を起こしました。まるで18世紀半ばから19世紀にかけて起こった産業革命のように、ChatGPTによって知的労働にも量産化の波が訪れています。今後、ChatGPTを使いこなせるかどうかで、仕事の効率が大きく向上することが期待されます。
そこでこの記事では、起業家の皆様に向けて、効果的なChatGPTの活用方法をご紹介します。

- 目次 -

 ChatGPTの基本的な活用方法

ChatGPTのような文章生成AIの基本的な機能は「学習したデータに基づいて指示された内容に応じた文章を生成すること」です。この機能を応用することで、以下のような多様な用途に利用できます。

  1. 文章・記事作成
  2. 文章校正
  3. 表組みの作成や箇条書きへの変更など表現の変更
  4. 文章の要約・タイトル生成
  5. 一般的な質問への回答
  6. アイデア出し、パターンの量産
  7. 相談やアドバイス
  8. 多言語翻訳
  9. エクセルの関数やVBA、その他プログラミングのソースコード生成
  10. シンプルな計算

単純にこれらができるだけでも画期的なことなのですが、人間と比較して決定的に違う点はChatGPTが疲れ知らずの機械であるということです。そのため、同じ指示であれば、生成する結果は、1個でも100個でも指示する人間の手間はほとんど変わりません。まるで18世紀半ばから19世紀にかけて起こった産業革命のように、ChatGPTによって知的労働にも量産化の波が訪れています。
ChatGPTをビジネスに応用するにあたって、まずは上記の基本的な用途について少し噛み砕いて説明します。

1  文章・記事作成

最も基本的な使い方で指示した内容に応じた文章を生成できます。例えば、「SEOに関する記事を書いて」などと指定することでブログの記事を生成できます。また、短い物語やシナリオを生成することもできるため、ChatGPTを利用して小説を出版する人も増えています。

2  文章校正

文章の文法や綴りをチェックし、修正案を提案します。誤字脱字を修正できるほか、「である調」から「です、ます調」への変換なども可能です。

3  表組みの作成や箇条書きへの変更など表現の変更

単純な文章だけでなく、簡単な表組みや箇条書きでの表現も可能です。そのため、タスクリストやスケジュールの整理に活用することもできます。

4  文章の要約・タイトル生成

長い文章や記事を短く要約することができます。例えば、「この文章を100文字以内で要約して」など文字数を指示して要約したり、「この文章のタイトル案を10個出して」といった活用が可能です。ただし、意味が異なる文章が生成されることもあるため、人間によるチェックは必須です。

5  一般的な質問への回答

ChatGPTは、あらゆるトピックについての一般的な質問に回答する能力があります。ただし、現在無料で使えるGPT-3.5については知識が2021年9月までのものであるため、それ以降の情報に関しては回答できないことがあります。

6  アイデア出し、パターンの量産

「ChatGPTを活用したビジネスアイデアを10個出して」など、キーワードを与えることで様々なアイデア出しに活用できます。また、「起業を考えている40代の男性」など対象のユーザを指定することでより精度が高いアイデアの出力が可能です。

7  相談やアドバイス

さまざまなトピックに関する相談やアドバイスも可能です。ただし、情報が古かったり、単純に間違った回答がなされることもあるので、専門的な知識が必要な内容については、専門家に相談することをお勧めします。

8  多言語翻訳

テキストを別の言葉で言い換えたり、異なる言語に翻訳することができます。

9  エクセルの関数やVBA、その他プログラミングのソースコード生成

例えば、「シートごとにファイルを分けて保存するVBAを生成して」といった指示をすることで、プログラミングも可能です。

10  シンプルな計算

簡単な数学的計算を実行でき、文章題にも対応しています。ただし、つるかめ算のような少し複雑なものになると、正解率が下がる傾向がありました。いきなり回答を求めるのではなく、まず解法を聞くことで正解率が向上する、という面白い特徴があります。

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ChatGPT利用上の注意

このように、うまく活用するととても便利なChatGPTですが、利用する際には以下の注意点に留意する必要があります。

1  情報が正しいとは限らない

ChatGPTは大量のデータを学習しているため、多岐にわたる分野について回答を生成することができますが、その内容が正しいとは限りません。その回答が正しいかどうかは、自己責任で判断いただくとともに、必要に応じて裏付けを確認する必要があります。

2  チャット内容が保存されることがある

ChatGPTを利用する際には、チャット内容が保存されることがあるため、個人情報や機密情報を入力しないように注意する必要があります。

ビジネスへの応用アイデア10選

上記の注意事項を踏まえたうえで、ビジネスでの活用例を10個あげてみます。
ChatGPTと既存の様々なサービスを組み合わせることで下記のような仕組みの構築が可能になります。
具体的な実現方法に興味を持っていただいた方はぜひ個別にご相談ください。

1   顧客サポート自動化:受付アシスタントとしての利用

業種を問わず、LINEなどのチャットサービスと連携させることで、今まで以上に柔軟に対応できるAIチャットボットの構築が可能です。売上向上につながらない問い合わせ業務を効率化することで、工数削減によるコストカットだけでなく、従業員のストレス軽減にもつながります。また、英語だけでなく、よりマイナーな言語にも対応できるなど、多言語対応を促進させることも可能です。
参考:https://www.chatbase.co/#demo

2  コンテンツ作成の効率化:コンテンツ作成アシスタントとしての利用

マーケティングや広報活動に必要なコンテンツを迅速に作成することができます。例えば、記事の執筆、広告コピーの作成、ソーシャルメディア投稿のアイデア提案など、さまざまなコンテンツ作成作業を支援するサービスも登場しています。
参考:https://www.nobunaga.ai/

3  市場調査の効率化:マーケティングアシスタントとしての利用

競合分析やターゲット顧客のニーズ調査などの市場調査プロセスの効率化への利用も考えられます。例えば、業界のプレスリリースを自動的に収集し、特定のキーワードを含むものだけを要約してメールで通知してくれるような市場調査や競合分析を自動化するツールも簡単に開発することができます。

4  人材育成・研修支援ツール:講師、練習相手としての利用

社員研修や人材育成の支援ツールを開発することができます。例えば、新入社員向けのビジネスマナーや業務知識の学習プログラム、リーダーシップ研修など、様々な研修プログラムの開発が考えられます。これまで一人では難しかった営業スキルを養成するための対話型ロールプレイングプログラムなどもシステム化できます。

5  オンラインコーチングプラットフォーム:コーチとしての利用

顧客サポートの自動化に近いですが、AIをアシスタントとしてではなく、コーチとして利用するパターンです。ChatGPTを自社のWEBサイトに組み込むことで、顧客の悩みや質問に対応するオンラインコーチングプラットフォームを開発することもできます。感情のないAIなのでユーザは相手に遠慮することなく気軽に質問できるようになります。現在、私自身も試験導入中なのですが、このドリームゲートのプロフィールページに組み込んでみましたので、興味を持っていただいた方はぜひご利用ください。

6  企画のアイデア出し:チームメンバーの一員としての利用

イベントやカンファレンスの企画、特にアイデア出し段階で利用することでイベントの準備時間を短縮できるとともに、アイデアの質向上ができれば企業のブランディングや顧客満足度の向上につながります。飲食業界であれば、新たなレシピ開発にも利用することができそうです。

7  インタラクティブなプランニングサービス:営業担当としての利用

例えば、旅行者のニーズや予算に応じたオーダーメイドの旅行プランを提案する旅行プランニングサービスなどが考えられます。検索機能の提供だけでは、魅力が伝えづらいような業種の場合、AIによるオススメ機能によって顧客満足度が向上し、リピート率や口コミによる集客が期待できます。

8  インタラクティブなゲーム開発:コンテンツの登場人物としての利用

インタラクティブなストーリーテリングゲームやアドベンチャーゲームの開発も可能です。これまでのゲームでは登場人物はあらかじめ決められたセリフしか話すことができませんでしたが、状況に応じて柔軟に会話できるようになります。ユーザーとのエンゲージメントが向上し、継続的な収益が期待できます。すでに大人気ゲームのMinecraftとChatGPTを連携させることで、村人と会話できるMod(拡張機能)を開発してしまった人もいるようです。

9  言語学習アプリケーションの提供:モチベーターとしての利用

「旅先でのやりとり」などシチュエーションを指定した会話も可能ですので、言語学習にも活用できます。このとき、学習者の進捗状況に応じて適切なフィードバックや励ましを与えることで、AIを学習者のモチベーションをアップさせる存在(モチベーター)として提供することが可能です。コンテンツも画一的な内容ではなく、学習者の興味やニーズによって変化することで、継続的な学習を促すことができます。Google翻訳やDeepLに比べると対応する言語は少ないですが、英語だけでなく、様々な言語に対応しています。
参考:https://www.speak.com/

10  データ分析・可視化支援:データアナリストとしての利用

データを様々な視点から自動的に分析し、適切なレポートを出力するシステムも開発することができます。決算書を読み込ませることで機械的な財務指標を出力するサービスはありましたが、経営判断のアドバイスまで可能になります。コンピュータが得意なデータ分析を人間が理解しやすい形に加工することで、意思決定や戦略立案の効率化も図ることができます。また、複数のデータソースを組み合わせて新たなインサイトを発見する機能も実装することができそうです。

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ChatGPTが出力した結果に関する著作権と商用利用について

ChatGPTの利用規約を確認すると、この記事を執筆している2023年4月時点では「規約に従うことを条件にアウトプットの全ての権利を譲渡する」とあります。また、「商業目的を含め、どんな目的にもコンテンツを使用することができる」という記載もありますので、ChatGPTの出力結果については、利用者が著作権を持ち、ビジネスの利用も可能です。ただし、今後変更になる可能性はありますので、念の為、商用利用前に「Terms of use |
OpenAI
」をご確認ください。英語ではありますが、ChatGPTを利用することで日本語への翻訳が可能です。

ChatGPTの料金

ChatGPTには無料版と有料版のChatGPT
Plusがあり、どちらのプランも日本語で利用する事ができます。一般的な質問であれば無料版でも十分に利用できますが、有料版では無料版にある機能制限がなく、より便利に利用する事ができます。


また、開発者のために、他のアプリケーションと連携するためのChatGPT
API
も提供しています。こちらは従量課金制となっており、使用した分だけ料金がかかります。

1 無料版

ChatGPTの無料版は誰でも利用する事ができます。ただし、無料版だと一定の制限があり、それを超えたい場合は、有料版に申し込む必要があります。
無料版の場合、利用者が多い時間帯に「ChatGPT is at capacity right now」と表示され、利用できなくなる事があります。また、入力できる文字数制限が最大2048文字までだったり、回答に時間がかかる場合があります。

2 有料版(ChatGPT Plus)

ChatGPTには有料版の「ChatGPT Plus」があり、より高度な機能を利用する事ができます。利用料金は月額20ドルかかり、支払いにはクレジットカードが必要です。

ChatGPT Plusでは、より多くのデータを使用し、複雑なモデルを採用しているため、より早く高品質な文章生成が可能です。そのため、大量の文章作成を必要とするプロジェクトやビジネスにも適しています。

また、利用者が多い時間帯でもスムーズにアクセスする事ができ、ChatGPTの新機能やアップデートも優先的に利用できます。

さいごに

ChatGPTのリリースからはまだ半年ほどしか経っていませんが、その普及速度はインターネットやスマホ以上です。もはやChatGPTのようなAIの影響を無視することはできません。

もちろん、ChatGPTだけでも様々な活用方法がありますが、他のサービスと組み合わせることで素晴らしい化学反応を起こすことができるサービスです。

現時点では間違った結果も出力されますので、今回ご紹介したような用途においても人間のチェックは必要です。とはいえ、登場時には書籍に比べると信頼性が低いと言われていたインターネットも今では当たり前になってしまいました。

ぜひ、今のうちから積極的な導入を検討いただければと思います。

無料メール相談による個別の相談もお待ちしております!

執筆者プロフィール:
ドリームゲートアドバイザー 小西 薫(こにし かおる) / 株式会社ニコプロダクション

『起業Q&A回答者総合ランキング』第1位!どんな質問にも即日回答。【UI/UXデザイン】を専門に、webにおけるマーケティング、ビジネスモデル構築に特化したアドバイザーです。さらに事業再構築補助金、ものづくり補助金など、中小企業の補助金申請もサポート。

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ドリームゲートアドバイザー小西 薫

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