小規模事業者持続化補助金の第10回公募が開始されました。
今年度はすでに第8回までの結果が発表されていますが、採択率の平均は63.44%と他の補助金と比べると取得しやすい傾向にあります。
事業再構築補助金などに比べると金額としては少ないのですが、準備にかかる労力も少なく、採択率も高いため、ぜひ活用いただきたい補助金です。
第10回の締切は12月9日(今年度は第11回まで予定)、補助金額は通常枠:50万円、その他の枠で最大200万円です。くわしい制度の要件などはこちらの記事も参考にしてください。【最大200万円】小規模事業者持続化補助金 第10回公募開始!くわしく解説
今回は、主に店舗ビジネスを営む方に向けて、小規模事業者持続化補助金を売上につなげるコツをお伝えします。「この補助金を活用してどのように売上をあげるか」をしっかり計画しておくことで審査官の印象も良くなり、補助金の採択率を高めるのにも役立ちます。
これから申請を検討されている方は是非お読みください。
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キーワードは「逆O2O」
この記事をご覧いただいている方にも新規集客の手段として、すでにSNSやWEBサイトを活用いただいている方も多いと思います。
スマートフォンの普及に伴い、SNSやWEBサイトから実店舗に誘導するO2O(Online to Offline)マーケティングが話題になっています。
たとえば、InstagramなどのSNSアカウントを開設し、自社製品の写真をアップして認知の拡大をはかるとともに、クーポンを掲載して来店を促すなど、オンライン上で実店舗への来店動機を与えるのが通常のO2Oマーケティングです。
つまり、SNSやWEBサイトなどのオンラインと、実店舗というオフラインを合わせて活用するマーケティング手法のうち、O2Oマーケティングは、オンラインからオフラインへ誘導するものを指します。
逆に、オフライン(リアルなもの)からオンライン(WEB、SNSなど)への誘導を促すのが、逆O2Oのマーケティング施策です。
たとえば、チラシやDMにQRコードを掲載し、自社のSNSやWEBサイトに誘導するのが典型例です。※「QRコード」はデンソーウェーブの登録商標です。
小規模事業者持続化補助金の活用を考えた場合、この逆O2Oを意識することがポイントになります。
というのも、小規模事業者持続化補助金を活用したサイト構築も可能ではありますが、数年前からウェブサイト関連費のみによる申請はできなくなりました。
しかも、ウェブサイト関連費については、補助金交付申請額の上限が全体の1/4という制限ができたため、通常枠の場合、ウェブサイト関連費としては、12.5万円が最大補助額となります。
そのため、小規模事業者持続化補助金を活用してサイト構築する場合でも、補助金を最大限活用するのであれば、新サービスを紹介するチラシ作成・配布、看板の設置等と組み合わせて申請するのがおすすめです。
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印刷物からオンラインへ
逆O2Oの施策は店舗ビジネス以外の業界でももちろん活用できますが、実店舗に誘導したいビジネスで特に効果を発揮します。
メールやSNSへの投稿は、社内で実践すればDMやチラシなどの印刷物と比較してコストが抑えやすいため、気軽に実施することができます。
しかし、どんなに内容が良かったとしても、その投稿が顧客の目に触れなければ、残念ながら認知拡大の担い手としては価値がありません。
そもそも知名度の低い新規ビジネスや中小企業の場合、「顧客に発見してもらえない」=「知名度が低い」ということが最も超えなければいけないハードルとなっているのが現実です。
そこでポスティングの出番です。
デジタルマーケティングばかりが話題になりがちですが、商圏(実際に来店いただけるお客様の生活する範囲)が限られる店舗ビジネスの場合は、不特定多数に対するSNSの投稿やネット広告よりもポスティングの方が確実に顧客へリーチすることができます。
もちろん、チラシやDMにクーポンを掲載して、直接店舗への誘導をはかることも有効ですが、自社サイトへの誘導も合わせて実施いただきたいポイントです。チラシやDMの紙面にはどうしても掲載できる内容に制限があります。
ですが、紙面にQRコードを掲載して自社のWEBサイトに誘導できれば、ほぼ制限はありません。また、紙では伝えづらい店舗の様子やニュアンスも動画なら簡単に伝えられるかもしれません。
チラシやDMで顧客の興味をひき、「詳しくはWEBで」とWEBやSNSに誘導するのが逆O2Oのポイントです。もしSNSやWEBサイトへの投稿を継続しているにもかかわらず、閲覧数が伸びない場合には、アナログな手段ではありますが、ぜひ、ポスティングやDMを検討いただければと思います。
ポスティングの費用についてですが、ある印刷会社では、印刷費用と配布費用がセットになっているプランを選択すると最少1,000部7,900円からと比較的安価に注文可能です。
商圏が狭い場合は、補助金の採択を待たずに実践いただいても良いかと思います。
ただ、ポスティングチラシ等の初回反響度(来店・問い合わせ等のアクションが起こる率)は、業種によって異なりますが、平均0.01%〜0.3%と言われています。反響度0.3%とは、1000枚を配って3人が問い合わせ(あるいは来店)をしてくるということです。
低いと感じた方が多いと思いますが、当然といえば当然です。
そのため、ポスティングを実践する場合、「3回やってみる」のがコツです。
全く知らないサービスの案内が投函されていてもすぐに捨ててしまう方が大半でしょうし、興味を持ってもタイミングが合わなかったりで、すぐに問い合わせてくる方はまれです。
ですが、この反響度は同じ地域にポスティングを繰り返すことで徐々に上がってきます。そのため、1回のポスティングで反応がなかったから、と諦めるのではなく、少なくとも3回は実施してみることをおすすめいたします。(心理学に興味のある方は、「ザイアンスの単純接触効果」としておなじみかと思います。)
小規模事業者持続化補助金の通常枠であれば、補助率は原則2/3、最大50万円分の補助金が利用可能ですので、ポスティングであれば、かなり試行錯誤できるのではないでしょうか。
ちなみに、DMの場合、印刷と宛名の印字に加えて郵送費もかかるため、目安となる単価は1部あたり55円程度になります。東京都で5,000部配布すると27万5,000円が料金の相場となります。
Tips:デザインQRについて
紙面からオンライン上のコンテンツに誘導する場合、QRコードを利用することが一般的になりました。
QRコードというと白黒の無機質なイメージが一般的ですが、実はデザインを加えてオリジナリティを出すことも可能です。
参考として、私も利用したことがあるサービスを2つご紹介します。
Unitag
このサービスでは、WEB上で簡単にオリジナルのQRコードが作成可能です。
色を変更したり、会社やサービスのロゴを入れることもできます。
私も下記のようなQRコードを作成して、名刺に掲載しプロフィールページにリンクさせています。
FacebookやLINEではデザインされたQRコードが採用されており、一般的になってきていますが、自分で作ったQRコードでも同じことができるところに興味を持っていただき、良い話のネタになっています。
Clipbox QR
https://apps.apple.com/jp/app/clipbox-qr%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%89/id1411089997
こちらは、より自由度が高く好きな写真を背景にしたQRコードが作成できるiPhoneのアプリです。
設定する写真によっては、QRコードとして読み取りづらくなるため、注意が必要ですが、工夫しだいで顧客に強く印象づける使い方ができるのではないでしょうか。
印刷物でも販促効果を計測する方法
一般的に、チラシやDMを活用した場合、インターネット広告に比べてその効果が計測しづらいのではと感じる方も多いのではないかと思います。
当然のことながら、ポスティングの効果が高い場所と、そうでない場所がありますので、配布場所による費用対効果を計測することは非常に重要です。
たとえば、1000部のポスティングを実施したあとに3人の来客があった場合、それがチラシの効果かどうかを確かめるにはどうすれば良いでしょうか?
実は、様々な方法で簡単に計測することが可能ですので、目的に合った方法で計測してみてください。
来店数を計測する場合の例:
- 地域ごとに配布する時期をズラす。
- 配布場所によって、掲載するクーポンの番号を変える。
問い合わせ数を計測する場合の例:
- 問い合わせのきっかけを質問する。
- 掲載する電話番号を地域ごとに変更する。
WEB誘導の場合
- googleアナリティクスなど無料の計測ツールを利用するとともにリンク先にタグを付与する。
販促効果の計測は重要ですが、上記のようにその方法は様々です。
販促効果の計測が可能であれば、QRコードからの誘導先は必ずしも自社のWEBサイトでなくても問題ありません。
自社が紹介されているYoutube動画、InstagramなどのSNS、Googleマイビジネスの口コミページなど、無料で活用できるサービスも多数あります。
本当に様々な選択肢がありますので、迷ってしまった場合は、ぜひドリームゲートの無料相談をご利用ください。
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さいごに
以上のように、小規模事業者持続化補助金では、逆O2Oをキーワードとして意識した事業計画書を作成いただくと、売上に直結する活用ができるはずです。
元々、この補助金は小規模事業者がその事業を継続していけるよう「販路開拓」や「生産性向上」につながる経費を補助することが目的であることから、「直近の売上との関係が薄い」=「事業の継続性に疑問が残る」ような計画だと、採択が難しいと考えられます。
そのため、私が考えるこの補助金の採択率を上げるポイントは、「採点官が目的に沿った補助金活用と判断しやすい」=「補助金を活用した販路開拓の結果、明確に直近の売上につながることが分かりやすい」書き方になっていることです。この記事が少しでも皆さまの参考になり、補助金の採択と売上UPにつながれば幸いです。
小規模事業者持続化補助金の申請サポートから、補助金を活かした販促活動までお手伝いしていますのでお気軽に無料メール相談よりご相談ください。
執筆者プロフィール:
ドリームゲートアドバイザー 小西 薫(こにし かおる) / 株式会社ニコプロダクション
『起業Q&A回答者 総合ランキング』第1位!どんな質問にも即日回答。【UI/UXデザイン】を専門に、webにおけるマーケティング、ビジネスモデル構築に特化したアドバイザーです。さらに事業再構築補助金、ものづくり補助金など、中小企業の補助金申請もサポート。
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