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はじめに
新たなシステム開発プロジェクトをスタートする際、事前準備の質がその後の成否を大きく左右します。本記事では、プロジェクト開始前に行うべき準備やチーム体制の整備、ベンダーとの連携方法、そしてキックオフの重要性について詳しく解説します。
プロジェクト開始前にやるべきこと
ベンダ評価を行ってパートナーとなるベンダを選定し たら、いよいよ開発プロジェクトの立ち上げです。
プロジェクトの開始前にやっておくべきことを、簡単にまとめましょう。
1. 社内チームの編成と体制の明確化
まずはプロジェクトを推進する社内チームを組織します。プロジェクトオーナー、プロジェクトリーダー、各担当者の役割を明確にし、開発の目的や目指す成果を共有しましょう。
- 重要なポイント:
IT担当者は最低2名以上配置(兼任可)
業務部門からも最低1名以上を参加させる
担当者にプロジェクトの意義や目的をしっかり説明する
2.ベンダーチームの体制確認
パートナーとなるベンダーの体制について、キックオフ前に明確にしておくことが重要です。
- 確認すべき点:
営業責任者、技術責任者、現場リーダーの役割分担
実際にプロジェクトを担当するメンバーの顔ぶれ
連絡体制・エスカレーションルール
3.管理責任の明確化(契約・ドキュメント)
ユーザーとベンダそれぞれの責任所掌を明確にします。基本的には、契約書を取り交わすことになると思います。
内容としては、これからプロジェクトを進めていくにあたってどちらが何の作業に責任を持つのか、最終成果物は何か、ソフト開発の場合なら著作権の取扱はどう なるのかなど、取り決めることはたくさんあります。
契約書を作成するなら、経済産業省から「モデル契約書」というものが公開されていま すので、必要に応じて参考にしてみてください。
- 主な取り決め事項:
各作業工程の責任範囲
成果物の定義
著作権の帰属
スケジュールと納品基準
<関連リンク>
経済産業省 契約書フォーマット
キックオフミーティングを行う
体制が整い、契約などの諸手続きが完了したら、キックオフを行います。
キックオフは、プロジェクトの実質的なスタートです。ユーザー企業とベンダーの双方のメンバーが集まり、以下の点を共有・確認します。
ユーザーとベンダのチームが双方集まって、顔合 わせを兼ねてキックオフ後の進め方やスケジュール、体制を確認します。
あまり工数のかからないシステムの場合ですとキックオフを正式に 実施しないこともありますが、一度くらいはフェイス・トゥ・フェイスで話をしておいたほうが、何かあったときにスムーズに話ができると思います。
- キックオフで確認すべき項目:
双方のチーム紹介と役割確認
プロジェクト全体のスケジュール
初期タスクとマイルストーンの確認
コミュニケーションルールの共有
小規模な開発案件では省略されることもありますが、一度は対面またはオンラインで顔を合わせておくことで、信頼関係が築きやすくなります。
まとめ
プロジェクト開始前の準備は、開発の品質や進行スピードに直結する重要なプロセスです。社内外のチーム体制を明確にし、責任分担を契約ベースで定め、信頼関係の土台となるキックオフミーティングを丁寧におこないましょう。
こうした一連のプロセスが、成功する開発プロジェクトを支える礎となります。

