起業・経営FAQ:譲渡価格500万円のジャズ特化型BAR案件における投資妥当性と買収時の留意点を教えてください。

この記事は2026/02/26に専門家 曲尾 悟志 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局


譲渡価格500万円のジャズ特化型BAR案件における投資妥当性と買収時の留意点について

ポイント/結論

Q. 譲渡価格500万円のジャズ特化型BAR案件における投資妥当性と買収時の留意点を教えてください

  • 営業利益500万円に対し譲渡額500万円は利益倍率1倍で非常に割安だが、属人性の確認が不可欠。
  • 事業譲渡では契約の巻き直し(再契約)が必須。家主の承諾と保証金の再差し入れに注意。
  • 保証金は譲渡額とは別に数百万円単位で必要になる可能性があり、資金繰りに余裕を持つこと。
  • 従業員とキーマンの残留意思確認と、前オーナーによる引継ぎ期間の確保が収益維持の鍵。
  • 音楽特化型は前オーナーの「顔」で持つ業態。常連客離反リスクを契約条件に織り込むこと。

曲尾 悟志

この質問への回答者

曲尾 悟志(まがりお さとし) 起業家道プロデューサー・価値診断士®

BRUSH UP co.,ltd.代表。「新しいモノの見方はギフト」を強みに、起業支援、M&A活用、経営戦略まで幅広く対応。28年で50以上のビジネス経験とドリームゲートNo.1実績を活かし、成功・失敗体験に基づく「起業家道®」の実践的助言を提供している。

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質問

現在、小規模M&Aによる店舗取得を検討しており、譲渡価格500万円のBAR案件についてご相談です。本件は、運営会社(法人)の株式取得ではなく、店舗の資産や権利を買い取る「事業譲渡」のスキームを想定しています。

【対象店舗の概要】

  • 立地・賃料:中野駅徒歩6分 / 賃料約6万円
  • 業態:音楽(ジャズ)特化型バー(8~15席)
  • 収益:営業利益 年間500万~1,000万円
  • 譲渡希望額:500万円

【ご相談事項】

  • 提示価格の妥当性と投資回収の目安
  • 「事業譲渡」において、不動産賃貸借契約や取引先との契約を引き継ぐ際のリスク(COC条項等)
  • オーナー交代による収益性の毀損リスクと回避策
  • 買収時に別途必要となる費用(保証金の積み増し等)の考え方

専門家による回答: 譲渡価格500万円のジャズ特化型BAR案件における投資妥当性と買収時の留意点について (回答者:起業家道プロデューサー・価値診断士® 曲尾 悟志氏)

回答者
曲尾 悟志
曲尾 悟志(まがりお さとし)
起業家道プロデューサー・価値診断士® BRUSH UP co.,ltd.代表
「新しいモノの見方はギフト」を強みに、起業支援、M&A活用、経営戦略まで幅広く対応。28年で50以上のビジネス経験とドリームゲートNo.1実績を活かし、成功・失敗体験に基づく「起業家道®」の実践的助言を提供している。

利益水準に対して譲渡額500万円という条件は、数値上は非常に魅力的ですが、「事業譲渡」特有の実務リスクを慎重に見極める必要があります。

1. 価格妥当性と投資回収

営業利益500万円に対し譲渡額500万円であれば、利益倍率は1倍。小規模M&Aの基準(3〜5倍)と比較しても非常に割安です。ただし、この「利益」がオーナーの属人性(人脈)によるものでないか、再現性の確認が不可欠です。

2. 事業譲渡における最大のリスク「契約の巻き直し」

本件のような事業譲渡では、個別の契約をすべて「巻き直し(再契約)」することになります。ここで最大の壁となるのがCOC(チェンジ・オブ・コントロール)条項に準ずるリスクです。

・不動産賃貸借契約:
オーナーが変わることで、家主から再契約を拒否されたり、賃料の値上げを要求されたりするリスクがあります。

・保証金の再差し入れ:
事業譲渡の場合、前オーナーの敷金・保証金を引き継げず、新オーナーとして別途保証金を差し入れる必要が出てくるケースが大半です。譲渡額500万円とは別に、数百万円単位のキャッシュが必要になる可能性があるため、資金繰りに注意してください。

・許認可・取引先:
飲食店営業許可や酒類販売免許の再取得、仕入れ先との契約変更がスムーズにいくか、事前に確認が必要です。

3. 従業員と顧客の離反リスク

小規模店舗では、従業員(1〜4名)との雇用契約も巻き直しとなります。

・従業員の残留意思:
オーナー交代を機にキーマンが離脱すると、運営が立ち行かなくなります。

・常連客の離反:
音楽特化型という趣味性の高い業態は、前オーナーの「顔」で持っているケースが多いです。SNSの引き継ぎや、現オーナーによる一定期間の並走期間(引継ぎ期間)の確保を契約条件に盛り込むべきでしょう。

4. まとめとアドバイス

本案件は「買い」の条件が揃っていますが、譲渡契約を結ぶ前に必ず「家主が契約継続を承諾するか」「保証金はいくら必要か」を確定させてください。

「安く買えるか」だけでなく、「不動産や従業員との契約を無事に引き継ぎ、収益を維持できるか」という実務面にリソースを割いてデューデリジェンスを行うことを推奨いたします。

他にも検討すべき課題

事業譲渡時には、以下のような追加課題も出てきます:

  • 「事業譲渡時に発生する諸費用のリスト」
    保証金、仲介手数料、礼金、許認可申請費など、譲渡額以外にかかる費用の目安
  • 「家主交渉のタイミング」
    どの段階で家主に話を通すべきかという実務フロー

何かお困りごとがあれば、いつでもご連絡ください。

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