中小ベンチャーにこそ必須の経営戦略 Vol.2 ワークライフパランスは勘違いされている。

人事・労務

執筆者: ドリームゲート事務局

■「ワークライフバランス」って?

では、筆者が力説する「ワークライフバランス」とは、いったいどういうことでしょうか?

仕事と生活をどちらも半分半分に切り分けることでしょうか?
時間配分を変えることでしょうか?
ゆとりを持つことでしょうか?・・

正直筆者は、このような答えに対していささかの違和感を感じます。

「ワークライフバランス」とは、一般的に「仕事と生活の調和」と訳します。

「国民一人ひとりがやりがいや充実感を持ちながら働き、仕事上の責任を果たすとともに家庭や地域生活などにおいても、子育て期、中高年期といった人生の各段階に応じて、多様な生き方が選択・実現できる」

ということを意味します。

また、法的には、

「次世代育成支援対策推進法が改正され、今年4月から101人以上の全企業に対し、一般事業主行動計画の届け出が義務となった為に、それに対応すること」といったことがあります。

■ワークライフバランスの歴史

では、ここで、今一度、日本の「ワークライフバランス」に関する歴史を筆者なりに整理し、現在の日本が置かれている状況を考えた上での真の「ワークライフバランス」について考えたいと思います。

●日本におけるワークライフバランス導入の背景と推移

1) 企業による福利厚生の時代
日本企業の家族的経営により、社員の福祉の向上と企業生産性の向上を目的に 福利厚生の充実してきた。
例:戦後は独身寮、高度成長期は持ち家対策・財形貯蓄、安定成長期は健康づくり運動
・1986年 男女雇用機会均等法の施行(日本の職場における最大のマイノリティは女性)
・1990年「1.57ショック」(1989年の出生率が戦後最低。※1966年に1.58)   
→ 少子化問題の顕在化

2) 仕事と家庭の両立支援(ファミリー・フレンドリー)の時代
政府は育児休業制度の整備、保育所の拡充を進めた。
※「少子化=女性の問題」とらえ、働く母親が仕事と家事・育児・介護を両立させる支援施策
※女性が子どもを生み育てやすい社会につくることを目的として、男性の家庭責任や働き方の問題はほとんど触れられず。
・1999年 出生率1.34に更に減少(低下傾向に歯止めかからず)    
保育サービス関係だけでなく、雇用、母子保健・相談、教育の事業も加え施策の幅を広げる。
※ 育児休業や保育サービス等、直接的に妊娠・出産・育児に関わる施策だけでは、少子化を食い止めることはできないということにようやく気づき始める。   
企業の実態はCSRやコンプライアンスの一環として進めていた。

3)働き方の見直しの時代へ
「少子化対策プラスワン」(2002年)を策定。
① 事と子育との両立
② 子育費用軽減サービス
③ 出産増加の基礎づくり
の3つの分野。
ここで初めて男性を含めた働き方の見直しに触れる。
・2003年 「次世代法」企業(301人以上)へ「次世代育成計画行動計画」の策定を義務化。
※働き方の見直しという点では、職場優先の意識や固定的な性別役割意識等の是正のための取組。
・2004年 「仕事と生活の調和に関する検討部会」の報告書 →働く人一人ひとりも含めて
働き方の見直しや男性のWLBに言及。今後、持続的成長経済社会を実現するためには、次世代を支える人材(子ども)の育成を必要とし、そのためには、働く人一人ひとり(男性も含めた)の仕事と「生活」の調和が重要とした。
※「生活」には家庭生活だけでなく、趣味や余暇、地域活動、自己啓発の時間などを含む。
・2007年「国民生活白書」 →総ての国民に向けて 薄れていく人とのつながりを再構築していくためにもWLBの推進が不可欠とした。
・2007年「仕事と生活の調和(ワークライフバランス)憲章」「仕事と生活の調和のための行動指針」    
※非正規雇用と正社員の長時間労働の問題が浮上。
介護の問題、団塊ジュニア世代(1971-74)の介護負担の問題浮上

■ワークライフバランスはどの企業にも当てはまる「働き方の見直し」の問題

つまりは、もともとワークライフバランスに関する施策は、福利厚生・少子化対策の一環として働く女性の両立支援施策からスタートしましたが、「現在では男性も含めすべての働く人すべての働き方を見直し、生きがいと意欲をもって自らの希望に基づき安心して働ける社会をつくるための施策の推進へ変化してきている」と言うことです。

言い換えれば、閉塞感漂うグローバル経済下において、日本の企業が、さらにそのうち99.7%を占める中小ベンチャー企業の労働生産性を高め、元気に躍進するために、どの企業にも当てはまる「人」や「働き方」の見直しの問題であるということです。

次章では、中小ベンチャーが具体的にどうワークライフバランスに取り組んでいくかを解説していきます。

次に続く

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