誰もが予想し得なかったパンデミック。外出自粛要請から数週間が過ぎ、公務員や大企業にお勤めの皆さまからは、「今の職場で良かった」といった本音も聞こえてくるようになりました。
この新型コロナウイルス、いつ終息するのかがわかる人は、この世界に一人もいないでしょう。仮に特効薬やワクチンの開発が急速に進んだとしても、ウイルスが変異してしまえば、状況も変わってくるはず。起業家、経営者たるもの、ここは「最悪の事態」を想定して、柔軟に対応をしていくことが求められます。
しかし一方で、これから起業する人にとっては、今は大きなチャンスです。まだ借り入れがない、大きな資金を投資していない、会社を辞めていない、そんな皆さまにとっては、多数のライバルが撤退していく絶好の機会とも言えるのです。
改めまして、皆さまこんにちは。私はドリームゲートアドバイザーの新井一(あらいはじめ)と申します。会社員のまま起業準備を進めることができるコミュニティ「起業18フォーラム」の代表をしております。
日々続く外出自粛で、すっかり気が滅入ってしまっている方も多いのではないかと思います。連日連夜、マスコミから暗い話題ばかりが報道されるので、仕方ありませんね。
私は気分が晴れない時には、一人で家の周りを散歩することにしてします。街を眺めてみると、そこにたくさんの経営者たちの「知恵」や「意地」を垣間見ることができます。休業を決めた店、テイクアウトを始めたお店、通常営業を続けるお店、人がいっぱい見えるオフィス、それぞれの事情があり、経営者が日々大きな決断を下しているものと思います。彼らの頑張りを目の当たりにすると、「自分も頑張らなければ」と、強い気持ちが湧いてきます。
今、多くの経営者たちが苦しんでいるのは「重たい固定費」です。ズバリ、休んでいても発生する「人件費」と「家賃」です。一方で、起業18フォーラムの会員さんたちは、本業の業績は人それぞれですが、数年後の起業を見据えた今の副業に関しては、一部、人を集める系のビジネスをしていた人たちからは「売上が下がった」というご報告はあるものの、業績絶好調という人も少なくありません。売上が下がった人も「オンライン対応」を進めたことで、急回復する人がほとんどです。日頃から、リスクを最小化するために、「小さく」「固定費をかけず」「柔軟に」を意識したビジネス構築をしてもらってきた成果です。
ビジネスは「柔軟に変化できる者」が生き残る世界です。そして、常に最悪の事態を想定し、「固定費を軽くしておくこと」が、既存の経営者にはもちろんのこと、これから一人で起業する人に求められる基本になると確信しております。
さて、今回のコラムでは、こんなコロナと共に生きる時代がしばらく続くとして、この機会をチャンスに変えるために、どのようなビジネス(業界・モデル)を選択するべきか、考えてみましょう。
- 目次 -
コロナ後、衰退するビジネスは?
仮に、このコロナ禍が短期的に、2020年のうちに終息した場合には、ビジネスはどうなっていくでしょうか? 恐らく、政府の景気対策と重なり、殆どの業界の業績は急回復、テレワークもさほど定着せず、判子文化もそのまま残り、満員電車も元に戻っていくでしょう。
しかし、現時点において大方の予測は、この状態が断続的ではあるものの2年は続くと見られており、そうなれば今後のビジネスの未来予想図も大きく変わってくることになります。
まず、仮にそうなった場合、急速に衰退していくビジネス(業界)ですが、これは誰もが想像している通りです。ポイントは「不要不急」と「3密」に絡む業界は、従来の「商品・サービスの提供方法」を続けていくことができなくなるという点になります。たとえば、「映画館は配信サービスに切り替わってしまう」といったことです。
その他にも、飲食、小規模な小売店はもちろん、旅行や観光、航空や交通、プロスポーツや舞台・音楽なども含めたイベント系、クラスターで真っ先に名指しされたライブハウス、民泊や貸会議室、宿泊などの場所貸し、大手では建築やハイブランド品、テレビ、広告などもしばらくは苦戦するでしょう。
多くの個人事業主が行うスモールビジネス、関連サービスはどうでしょうか? 社会不安から婚活をする人は増えるでしょうが、「会えない」ことをどうカバーするか、同様に、「集まれないブライダル」「触れられない美容」「ジム・スタジオに行けないフィットネス」「交流できないカルチャースクール」など、従来型のビジネスモデルで対応できない課題が山積しています。
だからこそ、これから起業する人には「大チャンス到来」なのです。最初からそれを前提にビジネスを構築し、投資を小さく抑えることで、身体が重くて柔軟に転換できずに喘いでいる既存プレイヤーと互角に戦える可能性が出てきているのです。
コロナ後に流行るビジネスに転換させる方法は?
まず大切なことは、自分の商品・サービスに「不要不急」と言われないラインナップを揃えることです。たとえば、ハウスクリーニングを消毒にも対応できるようにするなど。あるいは、オンライン・オフラインの柔軟な切り替えができるようにしておくことも大切です。固定費の大きい既存プレイヤーにとってこれらは至難の業ですが、これから起業する人や小さく固定費をかけずに起業や副業をしてきた人にとっては、とても簡単なことだと思います。
仮にこのコロナが長期化する場合、多くの人は必要な物以外は買わなくなります。次第に、今変化し始めた行動様式が定着し、自粛要請が、一定周期で繰り返す「恒例行事」のようになっていくでしょう。その時、「不要不急」と「必要至急」、「オンライン」と「オフライン」の両方の商品・サービスを持つ会社や起業家が生き残っていくはずです。
コロナ後に伸びるビジネスの作り方は?
これから起業する人には、このコロナ禍をチャンスとし、今後伸びていくだろう業界で起業すること、あるいはビジネスモデルを取り入れていくことが必須と言えます。
大手建設は厳しい時代になるでしょうが、小さなリフォームは在宅勤務が増える分、需要が増えるでしょう。そして健康系、巣ごもり、在宅で楽しめるグッズや食品、YouTubeやLive配信などもますます伸びそうです。また、成功は簡単ではありませんが、地方に移住して農業を始めるなど、一次産業従事者も増えるでしょう。
オンライン化にうまく対応できれば、小売り、美容、フィットネス、学習塾、カウンセリング(コーチング)、占い、ナイトワークなど、個人が活躍できるフィールドはますます広がると思います。「サービス提供も消費も自宅で」という視点で、商品開発をしてみましょう。
まとめ コロナに負けない起業家になるために
東日本大震災以降、今ほど先行き不透明な事態を経験したことがありません。目先の資金繰りはもちろんのこと、誰にも先が分からない以上、下手にコロナ対応の設備投資を増やすのもリスク、在庫を増やすのもリスク、対応が遅れれば廃業の危機、経営者は難しい判断を迫られています。
会社員とて同じです。会社が今どういう状態なのか、正確に現状の数字を把握できている人は少ないと思います。コロナになる前から、今年はAI、5Gの普及、消費増税から、消えてしまう職種や不景気について話題になることも多い年でした。この騒動でさらに、一人ひとりの危機感は増している(お花畑の人もいますが)はずです。
今こそ、稼ぐ力を身に付けるための行動、待ったなしです。それが自分自身の人生を家族を、そして、勤めている会社を守るチカラにもなるでしょう。今は、全ての人の知恵、チカラ、勇気を結集する時なのです。
起業18フォーラムでも、オンラインセミナーを開催して、皆さまにたくさんのノウハウをシェアしていきたいと思います。(詳細はこちら)一緒に頑張りましょう!
執筆者プロフィール:
ドリームゲートアドバイザー 新井 一
(パーソナルビジネスブレインズ・コンサルティング事務所 代表)
起業18フォーラムの代表を務められている新井アドバイザー。会社員時代に起業した経験をもとにしたアドバイスは多くの支持を得ております。
2007年から独自のマーケティング理論を基にした集客メソッドを公開。全国で1,000回を超えるセミナーや10,000件以上の相談に応じるなどの実績を豊富にお持ちです。
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