2024年に流行るビジネス・スモールビジネストレンド予測

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: 新井 一

まもなく2023年が終わります。まだ総括するには早いですが、今年も激動の一年になりましたね。国外ではテロや戦争が続き、国内でも、某中古車販売業者の不祥事・パワハラ騒動に始まり、大手芸能事務所の性加害問題、歴史ある劇団内部のいじめ事件、ホストクラブ問題など、心の痛む事件や出来事が繰り返されています。

来年こそ、笑顔で、穏やかな気持ちでいられる一年になって欲しいと願いながら、今回も、毎年恒例の〝未来予想シリーズ〟を担当させていただきます。

皆さま、こんにちは。私はドリームゲートアドバイザーを務めております新井一(あらいはじめ)と申します。会社員のまま小さく起業できるコミュニティサロン「起業18フォーラム」を運営しています。

今回のコラムでは、「2024年に流行るビジネス・スモールビジネストレンド予測」と題して、2024年にはどのようなビジネスが流行るのか、既に確定している未来から、起業した人、起業したい人に、どのような動きが求められるのかについて、解説したいと思います。

2023年の振り返りから予測する、2024年のトレンド

今年6月に執筆させていただきましたコラム「2023年後半~2024年に流行るビジネス・トレンド予測」にて、「2023年後半はAIとインフレが話題の中心になり、ツールが高度化して情報拡散スピードが速まる。そして、そんな時代ほど、人間的なアナログサービスが求められる」と予測しました。

12月現在、スタートアップ界隈では、少人数AIソリューション開発企業が続々と立ち上がり、展示会や交流会の場では、し烈な顧客獲得競争が展開されています。また、人件費高騰、人手不足も深刻化しており、設備投資や賃上げのできない自営業者や零細企業が苦境に立たされています。このような背景から、「無人●●」といった類の、個人で運営できる無人サービスも次々に開発されており、万引きを始めとするトラブル対策に課題を残すものの、来年もこの流れは止まらなさそうです。

2023年は、物価高や円安も、経済に大きな影響を与えました。大企業の輸出やインバウントの収益が上振れするため、どちらかと言えばプラス面が目立ちますが、価格転嫁の難しい自営業者や零細企業にとっては、上述の人手不足、そして10月から始まったインボイス制度への対応を含め、このまま放置すれば、「2023年が終わりの始まりだった」なんてことにもなりかねません。

もちろん、悪い話ばかりではありません。時代の流れに乗り、新たに起業したり、業績を伸ばしたりする個人事業主や企業も、たくさん登場しています。

たとえば、少しずつではありますが、SDGs・エシカル消費への関心度が高まるにつれ、スモールビジネスでも取り扱い易い〝フードロス解消〟が脚光を浴びています。サブスク型の規格外(訳あり)野菜やお弁当の宅配などでの起業も増えており、私の周りでもたくさんの方が、その関連事業に取り組まれていらっしゃいます。

そして、時代の変化、急速に変わる組織、一方で旧態依然の昭和型人間関係、様々なストレスから、心のケアを必要とする方も増え続けているように見えます。癒し、つながり、居場所を提供する各種サービスも、2024年には大きく成長することになるでしょう。

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2024年の〝確定未来〟は、〝投資ブーム〟と〝リスキリング祭り〟

2024年は、新NISAが導入されます。政府の後押し、多くのメディアがこれを報じることにより、多くの高齢者、会社員、主婦、学生までもが、投資に参入してくることになるでしょう。私にとっては少し寂しいことですが、年の前半、金利上昇や金融所得課税の増税議論、アメリカの景気後退などが報じられるまでは、起業や副業よりも投資に関心が集まる時間が続くでしょう。一方で、加熱気味だった不動産投資は、とりあえず一服するのではないかと見ている専門家が多いようですね。

もうひとつの確定未来、来年も引き続き目立ち続けるのが〝リスキリング〟です。リスキリングとは、非連続の能力開発、ようするに再教育、学び直しという意味ですが、時代に合った新しいスキルを身につけようという動きで、政府が〝リスキリング支援〟を打ち出して以降、たくさんの教育研修会社やプラットフォーマーがこの流れに相乗りし、一大産業になろうとしています。このリスキリングで学んだことで起業できるほど起業は簡単ではありませんが、リスキリングブームに乗って起業する人は、2024年も増え続けると予想されます。

消費者の購買行動は変わっている!

先日、興味深いニュースが飛び込んできました。家計の女性用下着類への支出額が大きく減少しており、消費者は体型に合う下着に高額を払うよりも、付け心地の良い安価な大量生産品を選ぶようになっているというのです。その大きな流れの変化により、業界大手メーカーが赤字になる見通しなのだとか。世の中、何から何まで値上がりしているわけですが、バブル時代のように何もかもが高級志向になっているわけではないということですね。

来年は大幅な賃金上昇が期待されていますが、それも中小零細、個人にとっては、まだ先の話。このまま健全なインフレにつながっていくのか、需要増ではなくコスト上昇によるインフレが続いてしまうのか、はたまた再びデフレがやって来るのか・・・。スモールビジネス界隈では、自らブランドを立ち上げ、オリジナルの下着を製造販売している方もたくさんいらっしゃいます。大手企業の戦略は、業界のトレンドに大きな影響を与えます。かつて〝デフレの申し子〟と呼ばれたいくつもの企業が2024年にどのような戦略を取るのか、注意深く見ていきたいと思います。

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M&Aがさらに活発に。お手軽パッケージで起業する時代の到来か!?

2024年の確定未来はまだまだあります。物流・運送業界のドライバー不足、そして、もうひとつ深刻なものが、中小企業の後継者不足問題です。事実、私の周りでも、いくつもの会社が、後継者がいないことにより黒字のまま廃業しています。政府や自治体、様々な機関が事業承継を支援していますが、当事者に聞いてみると、長年ワンマン経営をしてきた会社を他人に引き渡すことは簡単ではないようで、また、従業員の雇用継続を条件にすれば、さらに難しい状況になることもあるようです。会社員は大変です。たとえば業績好調の外資系企業にM&Aされて会社が生き残っても、自分が生き残れるとは限らないのですから。

あるニュースによれば、中小企業の約127万社が後継者未定、もしそのまま廃業となれば、失われる雇用は最大650万人とも試算されているとのこと。そして、中小企業庁によれば、M&Aによる事業承継の可能性がある中小企業は、国内に30万社ほどあるそうです。

しかし、これも悲観する話ばかりではありません。これから起業する人にとってはハードルが高いかもしれませんが、既に事業をしていて、2つ目の事業を模索している人などにとっては、このような黒字企業を、あるいは好調な事業単体を買い取って引き継ぐことも、一つの選択肢になり得るからです。引き継げる内容によっては、フランチャイズよりも確実性が高く、新しい、若い経営者によって発展させられる可能性も大いにあると考えられます。

なぜその企業/事業が売りに出されているのか、のれん代(数字に表れない価値)や簿外債務、公開情報(売上・利益・コスト等)の信ぴょう性を十分に確認しなければなりませんが、これだけの数の企業や事業が売りに出されている今、お宝が埋もれている可能性は大いにあると考えられます。2024年は、M&Aを利用して起業する人も増えるでしょう。

2024年が、皆さまにとって素敵な年になりますように!

著書「起業がうまくいった人は一年目に何をしたか?」で、スモールビジネスの第一歩について解説しています。ぜひご覧ください。

起業セミナー会社員のまま始める起業準備「6ヵ月で起業する方法」も定期的に開催しています。

 

執筆者プロフィール:
ドリームゲートアドバイザー 新井 一
(パーソナルビジネスブレインズ・コンサルティング事務所 代表)

起業18フォーラムの代表を務められている新井アドバイザー。会社員時代に起業した経験をもとにしたアドバイスは多くの支持を得ております。
2007年から独自のマーケティング理論を基にした集客メソッドを公開。全国で1,000回を超えるセミナーや10,000件以上の相談に応じるなどの実績を豊富にお持ちです。

プロフィール新井一のセミナー

ドリームゲートアドバイザー新井 一

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