ChatGPT(AI)の登場で今後伸びるビジネス、廃るビジネス

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: 新井 一

人工知能は現代社会のあらゆる面でその影響力を増していますが、その中でも特に注目すべき進化を遂げているのが、OpenAIのAI言語モデル〝ChatGPT〟です。この技術の進化のスピードは驚異的で、かつてインターネットやスマートフォンがもたらした変革以上のインパクトがあると言っても過言ではありません。

そして、今(2023年5月)の時点で既に、簡単に使える〝対話型文章生成AI〟である〝ChatGPT〟のみならず、さらに高度な完全自動AI〝AutoGPT〟〝BabyAGI〟〝Godmode〟や、画像生成AI〝Stable Diffusion〟〝Midjourney〟〝DeepFloyd IF〟などの進化版が続々と登場しており、それらがもたらす1年後、5年後のビジネス環境への影響は計り知れません・・・。

読者の皆さま、こんにちは。私はドリームゲートアドバイザーを務めております新井一(あらいはじめ)と申します。 会社員のまま小さく起業できるコミュニティサロン「起業18フォーラム」を運営しています。

冒頭、やや煽り気味の文章になってしまいましたが、このAIの波は決して、悪いこと、怖いことばかりではありません。同じ業界、同じ仕事であっても、波に乗れた企業や人の仕事は、新たな高みへと向かうことになります。一方で、その流れに乗れなかった場合は・・・、自分の存在意義を問われることになってしまうでしょう。

どのようなビジネスや人材がこの波に乗ることができ、逆にその波に飲まれてしまうのか、今回のコラムでは、ChatGPT(AI)の台頭により今後伸びる、あるいは廃れていくビジネスや人材について、起業支援の専門家として考察してみたいと思います。

ChatGPTにより伸びるビジネス

1 コンテンツ生成&運用代行システムの提供

AIを用いた、記事やキャッチコピー生成、SNSや広告運用など、〝コンテンツを生み出すAI〟と〝運用を代行できるシステム〟を提供するビジネスは大きく伸びるでしょう。

この技術は、ニュース記事やエンタメ、ゲームのシナリオ作成など、幅広く応用可能なので、多くの業界が影響を受けることになると思われます。しかし、そんな〝システム〟を売る企業が伸びる一方で、〝中の人(企画部門やライターやデザイナー等)〟は、AIへの置き換えが進み、仕事の奪い合いによる単価下落、賃金の伸び悩みも予想されます。

2 教育・学習支援事業

AIに学習させた個々のレベルを反映させた〝個別教育プログラム〟の提示が可能になることで、いわゆる教師やスクールは、データや分析結果を基に、より質の高い指導を提供できるようになります。また、スマホやタブレットを使った学習ツールの普及により、家庭学習市場も広がることが考えられます。その過程で、仮に、子供同士の交流や社会性を育む機会が減ることになれば、それを補う新たなサービスも誕生するでしょう。

このような個別プログラムの提供は、教育分野だけでなく、健康や医療、ペット事業にも、今まで以上に展開されることになりそうです。

3 カスタマーサポート

GPTと組み合わせたボット型自動応答システムが、さらに進化するでしょう。従来の「何となく不便」「トンチンカンな返答」が減り、24時間365日、人間のように対話のできるAIチャットが、ストレスなくサポートしてくれる未来はすぐそこにあります。

一方で人間によるコールセンター的サービスは、削減される方向に向かうでしょう。すぐに全廃とはならないでしょうが、海外や沖縄で人材を確保し、センターを運営するコストとの比較になります。

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ChatGPTにより影響を受ける可能性のあるビジネス

1 データ入力、記帳代行などの単純な事務

すでに、銀行やカード会社との連携による〝クラウド型会計ソフト〟の進化は急速に進んでおり、この先さらに精度の高いアップデートが行われるはずです。税理士を始めとする士業の仕事がすぐになくなることはありませんが、高度な専門家としての経験やスキルが求められない単純な業務については、AIシステムへの置き換えが進むでしょう。

2 翻訳サービス

ChatGPTやDeepLを使えば、すでに専門性の高い翻訳も可能になっています。人間による翻訳サービスは、数年のうちに新たな価値提供に転換しなくてはならないでしょう。

また、人間が勝てると思いこまれている、直訳を超えた〝人間らしさ〟も、ChatGPTなら、編集や構成を含め難なくクリアしてきます。翻訳の分野では、極めて近い将来、人間が従来のように仕事を得続けることが困難になるでしょう。

3 コーチングやコンサルティング

壁打ちによる思考の整理は、ChatGPTが最も得意とする動きの一つです。また、スマートウォッチなどのガジェットとAIによる個人情報の管理が進めば、心理状態やストレスレベルがより正確にわかるようになり、AIとの適切な対話が可能になります。従来の習慣化サポートや、ライフコーチと呼ばれるお仕事は、大きな影響を受けるでしょう。

このようなライフスタイルが定着すれば、エステやスポーツジムなどで行われている様々なカウンセリングへの影響も避けられません。

ChatGPT(AI)の進化からは誰も逃げられない

私たちの仕事、働き方は常に変化と進化を続けています。それは産業革命の時代から現代のデジタル化、グローバル化の時代まで、機械、IT、通信の進化によって形を変え、我々のライフスタイルと共に進化してきました。そして、この進化の過程で、一部の人々は職を失うことになり、一方で新たなチャンスが生まれ、成功を収める人々も誕生しました。

今、我々が直面しているのは、AIの進化による新たな産業革命です。この革命は、これまでのどの時代よりも劇的な変化をもたらす可能性があり、特にフリーランスや中小企業の社員、非正規社員にとって、大きなインパクトがあると思われます。この先数年で、インボイス制度の導入、増税、年金の減少といった経済的な困難も加わり、これまで安定してきた仕事や、業界の地位は揺るがされることになるでしょう。

「そんな大げさな」と思う方もいらっしゃると思います。しかし、数年後にこのコラムを読み返した時には、きっと「あの頃はこんな悠長なことを言っていたんだな」と感じるはずです。折りたたみ携帯電話に長いアンテナをつけて、着メロをダウンロードしていた頃から今日までとは、進化のスピードが違うのです。

特に〝下請け型フリーランス〟として働いている技術系の方々は、自身のスキルと価値を見直し、キャリアチェンジを含めて検討する必要が出てきます。そして、30~40代の中小企業の社員は「AIに仕事を奪われないように」と考える期間はとっくに過ぎていることを認識しなければならず、「AIと共存するための行動」を実践する時期に来ています。50代以上の人々は、残りの会社員人生、この変革の波からどう逃げ切るか、役職定年後の働き方を早急に決めなくてはなりません。

従来から弱い立場にいた、文系20代や女性、非正規社員は、この変革に対応できなければ格差がさらに広がってしまう可能性があります。しかし、ここにはチャンスも存在します。この変化を受け入れ、理解し、スキルをアップデートすることができれば、動きの遅い世代を〝ごぼう抜き〟することも可能でしょう。

ここで言う〝アップデート〟とは、従来のスキルを磨くことではありません。今までの常識では生き残れない、つまり、今までのキャリアを否定しなければならないということであり、それは簡単ではないばかりか、とても辛いことでもあります。しかし、我々が未来に向けて進むためには、それしか道はないのです。

厳しいコラムでごめんなさい! 一緒に頑張りましょう!

YouTubeでもAI台頭時代にやるべきことを解説していますのでご覧ください。

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執筆者プロフィール:
ドリームゲートアドバイザー 新井 一
(パーソナルビジネスブレインズ・コンサルティング事務所 代表)

起業18フォーラムの代表を務められている新井アドバイザー。会社員時代に起業した経験をもとにしたアドバイスは多くの支持を得ております。
2007年から独自のマーケティング理論を基にした集客メソッドを公開。全国で1,000回を超えるセミナーや10,000件以上の相談に応じるなどの実績を豊富にお持ちです。

プロフィール

ドリームゲートアドバイザー新井 一

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