2025年6月、生成AIが劇的に進化し、誰もが手軽に使える社会インフラとなりました。これまでもAIは進化してきましたが、今日のそれは今までの比ではありません。それに伴い、スモールビジネス環境も急速に、劇的に変化しています。
かつて月100万円を稼ぐことができたスキルが、あっという間に「誰にでもできること」になりました。それはつまり「AIを使えない人」のみを対象とした「月10万円も稼げない作業」になってしまったことを意味しています。そして、2カ月前の情報(YouTubeやnoteなど)が、すでに遠い昔の情報に感じてしまう。いつかそんな未来になるというSFではなく、これが今の現実です。
こんにちは、ドリームゲートアドバイザーを務めております新井一(あらいはじめ)です。会社員のまま小さく起業できるコミュニティサロン「起業18フォーラム」を運営し、日々起業支援の現場でビジネストレンドの変化を目の当たりにしています。
今回のコラムでは、私がスタートアップの現場で見ているこの「劇的な転換」についての考察、そして、2025年後半のスタートアップに与える影響と新しい潮流、低予算でも着実に収益を伸ばしていくための具体的な戦略を、収益フェーズ(月5万円→10万円→30万円以上)ごとに徹底解説します。
- 目次 -
AIによる「価値破壊」と「価値創造」
単純な作業や情報提供は、もはや、ビジネスにならなくなりました。Webライティング、動画編集、データ入力など、多くの分野で価格破壊が起きています。AIにより今まで1週間掛かっていた作業が1時間で終わってしまうのですから仕方がありません。かつて、フリマアプリがリサイクルショップを脅かしたように、AIはいわゆるフリーランスが請けてきた作業はもちろん、ホワイトカラー会社員の業務を根底から揺るがしています。
同時に、今の日本における深刻な人手不足と高齢化社会は、効率化だけを求めているわけではありません。効率化できる部分はAIを活用し、自分自身(人間)は「人間的サポート」に注力すること。そんな時間配分の見直しが、フリーランスや一人社長が生き残れる唯一のチャンスとなります。効率と便利さの裏で求められる「人間同士の温かい触れ合い」。「コミュニティ」や「手触り感」のある体験、そして、自分のことを深く理解し、寄り添ってくれる存在の価値がより一層高まるはずです。AI時代におけるスモールビジネスの可能性は、ここにあります。
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①自動化、AIで稼ぐといった煽り、ウソに騙されない。詐欺も横行している。
②AIにできる作業はAIを徹底活用。自身の時間をお客様への個別対応に振り分ける。
③単純な情報提供&作業の価値はなくなる。手触りのある体験やコミュニティを形成。
収益レベル別:2025年後半に流行るスモールビジネスとは?
それでは、これらの潮流を踏まえ、これからの日本で成功するための具体的なビジネスモデルを、収益フェーズごとに見ていきましょう。
フェーズ1:月5万円前後(副業型ビジネス)
目標:リスクを抑え、AIを味方につけて最初の収益を得る。
戦略:AIが得意な作業はAIに任せ、「人間ならではのひと手間」で価値をプラスする。
AIライティング +“心に響く”リライト代行
AIが生成した文章(note、SNS投稿、商品説明)に、お客様が指定したターゲットの感情に訴えかける表現や、共感を呼ぶ視点を加えて磨き上げる仕事です。AIにもできそうな作業に感じますが、実はAIは文章生成などの作業を効率化するのは得意ですが、その文章や画像をそのまま使っても、集客や販売にはつながりません。AIで量産された動画のファンになる人もいない。試したことのある方なら、お分かりいただけると思います。お客様に寄り添いながら、根気強く、結果が出るまでサポートすることが、人間にできる価値のあるサービスになります。
シニア向け「デジタル伴走」サポート
地域密着型の、スマホ操作、オンライン予約、SNS利用など、AIが使えない層に向けたサービスです。AIにできない「共感」×「安心感」といった人間力を商品とし、根気強く、温かく、「PayPayで孫にお小遣いを送りたい」といった具体的な悩みに寄り添い、サポートします。また、全く使えないわけではないが活用できない層に向けた「プロンプトサポート」も考えられます。わざわざそのために購入されるサービスにはなりませんが、「月額●●円で何でも電話で質問できます」といったサブスクにすることで、地域のご老人たちを丸抱えすることもできそうです。
フェーズ2:月10〜20万円(オンライン活用型ビジネス)
目標:専門性と顧客との信頼関係をベースに、安定した収益基盤を作る。
戦略:AIを使いつつ、「人間的なサポート」や「コミュニティ」で差別化する。
「習慣化」伴走型オンラインコーチング
食事、運動、英語学習、メンタルケアなど、顧客の「変わりたい」をサポートする仕事です。従来型のメジャーなビジネスモデルですが、これからはAIを活用した、よりパーソナライズされた分析や、資料作成&情報提供が求められるようになるでしょう。ポイントは、これまでどおり手を抜かず、LINEなどでの「人間による」励ましや進捗確認など、「感情的サポート」を組み合わせることです。AIで効率化したい、自動化したいと思ってしまいますが、「AI活用×寄り添い」こそが、スモールビジネスが唯一生き残る道なのです。アナログに時間を割くためのデジタル活用であることを忘れないでください。
中小零細企業向け「AI導入よろず相談」コンサル
これほどAIが進化している今でも、業務にAIを活用している中小企業は多くありません。私自身も、従業員が自腹でChatGPTを有料契約して使っている現場をたくさん見ています。社長が今さらAI活用セミナーに参加して、「ほー、すごいね」と感心しているレベルです。そんな昭和の経営者相手にAI導入をサポートする仕事は、この先1~2年、広く求められるでしょう。ただし、この手のコンサル仕事は、ネットで受注するのは難しいので、リアルの繋がりを辿っていく必要があります。副業会社員にはできない、独立フリーランスの強みである「日中の営業活動」を軸に展開することが求められます。
フェーズ3:月30万円以上(高単価型・リアルビジネス)
目標:ブランドを確立し、高単価でも選ばれる存在になる。
戦略:万人受けはAIに任せ、ニッチを深掘りして顧客層を特定する。
「あの人に会いに行く」古民家人生相談・占い処
独自の世界観で改装した自宅を拠点に、カウンセリングを提供するサービスです。AIには決して提供できない、ゆったりと五感をひらきながら「息」を感じることのできる空間、癒しをプロデュースします。ポイントは「その場にしかない唯一無二の体験」と「オーナー自身の人間的魅力」です。ここでは例として起業18フォーラムのメンバーが実際に展開している「人生相談サービス」を挙げましたが、それに限らず、このような「場」と「体験」、そして「人間的魅力」を提供できるサービスは、これからの時代にも求められ続ける強力なコンテンツになるでしょう。
「私の経験が誰かの光に」共感型高単価講座・コンサル
育児、介護、闘病、起業など、自身の壮絶な経験を通じて得た知見や乗り越える力を、同じ境遇の人々に向けて提供するサービスです。AIには語れない「生きた物語」と、深い共感、粘り強いサポートが必要になります。起業に関しては、従来型の高額SNSコンサル、自己啓発寄りのアイデア出し&商品化サポート、物販、動画編集などのスキルアップ系ジャンルは淘汰され、AIをフル活用してもできない「集客」「営業」「インフルエンサー人脈」、または「有資格者(士業)による実務サポート」を提供できるサービスだけが生き残るでしょう。今のようなコンサル乱立時代は、まもなく終了です。
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まとめ:未来は、あなたの手の中にないかもしれない。だからこそ・・・
2025年後半、私たちはAIと共に生きる時代の本格的な幕開けにいます。それは、これまでの常識が通用しなくなる厳しい時代です。しかし、それは同時に、人の熱(人間性)が、かつてないほど評価される時代の始まりでもあります。
正直、AIは多くの人から仕事を奪います。ですが、それに怯えているのではなく、「仕事を奪ってくれる」と言い換えてみるとどうでしょうか?
その分、私たちに「人間として、私は何を成し遂げたいのか?」という問いに向き合う時間が生まれるはず。
唯一確実なことは、「この先も変化は続く」ということ。その波を恐れず、自らの人間力を信じて、進んでいきましょう!
執筆者プロフィール:
ドリームゲートアドバイザー 新井 一
(パーソナルビジネスブレインズ・コンサルティング事務所 代表)
起業18フォーラムの代表を務められている新井アドバイザー。会社員時代に起業した経験をもとにしたアドバイスは多くの支持を得ております。
2007年から独自のマーケティング理論を基にした集客メソッドを公開。全国で1,000回を超えるセミナーや10,000件以上の相談に応じるなどの実績を豊富にお持ちです。
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