起業の心得:ゲンイチ第66回 ネゴシエーション Negotiation

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

ネゴシエーションとは「交渉。協定・取引などの話合い」って辞書には書いてあります。以前にプレゼンテーションの話をしたら、評判がよかったので、今日はこのネゴシエーション、交渉のツボを少しだけ伝授します。

ビジネスの世界では毎日がネゴです。得意先と、仕入先と、銀行と、投資家と、業界と、ある時は警察や行政とも交渉します。そして、社員とも交渉です。今日は相手には関係なく共通する交渉のツボをお教えします。

まずはテーブルについてもらうということです。今話題の人が「相手がテーブルについてくれない」と悪戦苦闘していますが、実はここが一番のツボです。嫌々でも、すねてても、怒っていても、頭から「話、聞くだけね」って無愛想に言われても、テーブルについてくれないのでは交渉は始まりません。飛び込みセールスをした経験がある人ならよくわかりますよね。交渉決裂、売込み失敗、クロージングできなかった…残念。でも、相手がテーブルについたなら実はその時点では半分以上勝っていたんです。話ができただけでも喜ばないと。その為には常に敵を作らないことが大切です。いつも吉田が言ってるネットワークです。人のご縁を大切にしましょう。
次にテーブルについたら、いかにこっちのペースで商談を進めるかっていうことです。「商談をリードする」って言います。でも、誰が商談をリードするかは、テーブルにつく前に決まってることが多いです。つまり、段取り8分ってことです。敵を知り、己を知れば百戦危うからず。
例えば、時間に遅刻したら、そこで負けです。遅刻しなくてもぎりぎりに駆け込んで、汗だらだらで、息がまだ切れている。相手に「遠慮なく上着を脱いでください」って言われたらそこで負けです。真夏に汗一つかかずにすっとして応接に座っている。交渉はここからです。それと、アウェイかホームか?サッカーと一緒で圧倒的にホームが有利です。事前の準備が出来ます。作戦が練れます。どの商談室を使うか?どこに座らせるか、パワポやホワイトボード、資料や、お茶のタイミング、すべてが演出できて、必要なら人数でも勝てますよね(笑)。売り手が買い手を訪問するのが普通ですが、展示会とかショールームっていうのは仕入先を自分達の陣地に引きずり込む作戦ですよね。商談をリードしやすくするのです。
次に「資料は渡すな…」これも商談をリードするツボです。よく、パンフとかコピーの資料を使って説明しますよね。僕はお客様用の資料を先に渡しません。説明用の資料をお客様に向けてテーブルに置き、右手でページを繰りながら説明します。ところが、せっかちなお客様はこの資料を自分の手元に取ろうとします。取られたら負けです。相手は僕の説明に関係なく、ペラペラ資料を見て、最後のページまでいってしまいます。僕の説明は半分も終わっていないのに、「わかった、わかった」って感じでそれ以後の話は聞いてくれません。これでは商談はリードできません。僕はテーブルの上の資料を死んでも離しません(笑)。左手でしっかり押さえて、お客様にも前かがみになってお話を聞いてもらいます。商談をリードするには場の進行はこっちがします。場を支配しないといけません。
あなたは商談をリードして、交渉を進めます。ここで大切なのが、断らせる技術です。「いりません」「必要ないです」はっきり断らせることが大切なのです。一番いけない交渉は相手に「検討します」っていう答えを言わせることです。営業マンにとってこの「検討します」って断り文句が一番やっかいです。

営業マン:「○○さん、これを買ってください」
お客様:「そんなのいらないよ」
営業マン:「…とおっしゃいますと?」
お客様:「だって、高いし、うちは間に合ってるし…」
営業マン:「なるほど、しかし、これは高くないのです。説明させていただきます」

つまり、YESには説明はいらないのですが、NOには説明責任が発生します。「もらうよ」には何故もらうかの説明はいらないのですが、「いらない」にはその説明がいります。この理由を言わせることで相手も問題意識がわかります。交渉の糸口がつかめるのです。「お客様の堅い口を開かせる」って言います。
まだまだ、あるんですが、今日はこれぐらいにしておきましょう。

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