Vol.1 現代の温泉ビジネスは感性に訴求する

事業計画

執筆者: ドリームゲート事務局

 「温泉ビジネス」という言葉が使われ始めたのは、1990年を過ぎてからと思われます。スーパー銭湯が出現したのが「第1期」。その施設規模の増大とブラッシュアップ化、また地方公共団体による村おこし事業としての温泉掘削が全国的行われたのが「第2期」。やがて既存の旅館やホテルによる日帰り温泉事業が始まり、第2期における過大投資による破たんが表面化し、官設民営化や民設民営化などが行われ、終焉を迎えようとしているのが現在の「第3期」です。

 

なぜ人は秘湯に憧れるのか?

秘湯イメージ リゾート型、エンターテインメント型温浴施設は過大な初期投資を必要とし、その回収が困難な状況をつくり上げ、村おこしで始まった地方の温浴施設は甘い事業計画が事業継続を困難な状況にしています。その結果、撤退や無理な運営コスト削減による顧客満足の喪失を招き、ひいては客離れに歯止めがかからない状況を生み出しました。こうしたことから出店は減少化傾向にあるといえます。
 どんな産業も「導入」→「成長」→「成熟」→「衰退」を辿るのが常。温泉ビジネスは初めて「衰退期」を経験し、今新たな局面を迎えようとしています。
 さてメディアでは温泉と食をテーマとした番組が連日紹介されています。特に鄙びた山間部の露天風呂など、秘湯といわれる場所が人気です。そして地方の質素で健康的な郷土料理が人気を集めています。そして、多くの人々が、メディアで紹介された秘湯に憧れを持っています。
 そこでよく考えてみましょう。私たちが憧れる秘湯には、派手さは全くありません。気泡風呂やハーブ湯、打たせ湯やサウナなどもありません。ではなぜそんな質素なお風呂に魅力を感じるのでしょう? 正にこれから始まる「第4期温泉ビジネス」のヒントがここにあります。

 人には生まれながらにして「感性」という一種の能力が備わっています。その感性が動き出し、行ってみたいという行動へと駆り立てています。現代はストレス社会といわれていますが、そのストレスを取り除こうと自己防衛のために感性が動き始めるのです。 昔から25里(約100㎞)離れた所へ行ったり、生活したりすると「転地効果」があるといわれています。日頃生活している環境が変わるとその環境に適応しようとスイッチが入り、脳が活性化されます。温泉の効果は泉質だけではありません。こうした普段と違う環境に身を置くことで脳の活性化も行われるのです。旅に出ると元気になるのはそのためです。 人が本能的に秘湯のような環境へ向かうことは、とても自然なことといえます。

 

温泉ビジネスは、小額投資で勝負

温泉イメージ 昨今の温泉ビジネスは温泉掘削費用をはじめ、過大な初期投資を必要としています。そのうえ競争相手も増え、苦しい状況にある施設経営者を最近よく見かけます。減価償却の増大と売り上げの減少という二重苦に喘いでいるのです。
 これからの温泉ビジネスは、小額投資で勝負すべきです。すなわち、大がかりなエンターテインメント型温泉ランドの発想ではなく、山の出湯的発想で勝負するのです。 先にも述べたとおり、人の感性に訴えるほうがこれからのマーケットのボリュームは大きいはずですし、投資金額も少なくて済みます。人は刺激に対してどんどんと鈍くなる傾向があります。外からの刺激ではなく、内から湧き出させる感性の刺激が必要なのです。
 たとえば、秋田の乳頭温泉や群馬の法師温泉などは最も顕著な例といえます。山間に位置し、風の音、川のせせらぎ、ぼんやりとした薄明かり、浴槽・壁・床・天井すべて総ヒバづくりの浴室、さらに質素で滋味溢れる食事で人気を集めています。言い換えればリゾート型ではなく、田舎の湯治場に人は心惹かれています。そこには質素な中に上質な「時間」が存在します。これは何も田舎でないとだめなのではなく、都会でのビジネス展開も充分可能です。
 少し角度を変えた少しの工夫で、都会でも充分対応は可能です。
これからの温泉経営には「モノ」づくりよりも、「コト」づくりが求められているのです。

起業、経営ノウハウが詰まったツールのすべてが、
ここにあります。

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