Vol.01 プレゼンに勝つための心構え

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
クライアントから“GO”“YES”の答えを引き出すために、また、これまでのあなたの苦労をムダにしないために、初回は、プレゼンを成功させるための心構えと、企画書作成のノウハウなど、基本的なポイントを中心に解説していきます。

二度とない最後のチャンスであると心得よ

 まず、大前提としてこのように考えてほしいです。「プレゼンとは、後戻りがきかないもの」。これまで、何度もクライアントと顔を合わせながら、商品説明、価格などなど、さまざまなコミュニケーションを繰り返し、ついにその成果を手にするための瞬間がやってきたわけです。クライアントから、“GO”“YES”という判断を導き出すことがプレゼンの役割ですから、今日のこの提案がすべて。持ち帰って練り直すことなどいっさいない、という覚悟でその場に臨むことが大切です。

 

 

プレゼンに紙でまとめた企画書が必要な理由

 

 提案内容をまとめるための企画書づくり。そもそも、なぜプレゼンには企画書が必要となるのでしょうか? 実際のところ、あなたが思っているほど、人はあなたの話を聞いていないのです。今、会社の経営者として私もプレゼンを受ける機会が多いのですが、営業の方の話って実はあまり真剣に聞いてないのですよ(笑)。忙しい時などは特に、あとで資料を見ればいいかと思ってしまいますから。でも、ストーリー性をもってつくり込まれた資料と、巧みなコーディネート、つまり、資料と会話を織り交ぜて、上手な提案をしてくれる人のプレゼンにはついつい引き込まれてしまうのです。では、相手を惹きつける企画書を作成する上で、どのような工夫が必要となるのか、順を追って説明していきましょう。

 

信頼感を高める“つかみ”というエッセンス

 

 プレゼン資料、企画書には、“つかみ”が必須です。私が営業をしていた時は、“つかみ”を企画書の最初に必ずもり込むようにしていました。何でも最初が肝心です。まず、クライアント企業のホームページや資料などをくまなく調べて、企業理念、今後の戦略、トピック的な記事、社内でよく使われている言葉などを集めます。例えばですが、A社の企業理念が「誠意と努力」だったとしましょうか。その場合、企画書のタイトルを「“誠意と努力”を、さらにお客様にお伝えするためのご提案」とするのです。すると、クライアントは「お、こいつは真面目にうちのことを考えているな。とりあえず、話だけでも聞いてやろうか」と、心の窓を少し開いてくれるでしょう。もうひとつ、「御社のためだけにご用意したオリジナルの提案です」というスタンスを感じていただけるというメリットもあります。使いまわしの企画書って、すぐにばれますからね。せっかくつくった企画書を、さらりと流されないためにも、“つかみ”をしっかり考えておくことです。  

 

忘れてはいけない“導入スケジュール” の添付

 企画書は、最終的なゴールを示し、契約後の具体的なイメージを抱かせながら、提案内容の魅力を最大限に伝えるためのツール。相手がわくわくする物語のような構成を心がけると良いでしょう。そして、物語のゴールまで導いた後に必ず用意してほしいのが、 “導入スケジュール”です。提案自体を気に入っていただけたとしても、クライアントにとってこの段階はまだまだ他人事。例えば、あなたがカーディーラーで車を試乗することをイメージしてください。試乗後に営業担当者から「5月中の納車が可能です」と言われたら、「どうしようかな」と考えてしまうでしょう。それと同じ。具体的なタイムスケジュールを示されると、人は結論を出すための思考をし始めます。企画書には、必ず「導入スケジュール」を加えるようにしてください。

 

本編企画書はできるだけ少なく、別途資料で補足する

 プレゼンは、一方的にこちらの要望を伝えるだけではダメ。「提案内容を話す→質問を受ける→議論する→互いの納得」。これを繰り返しながら、進めていくのです。恋愛だってそうでしょう。いつもワンウェイの関係ではうまくいきませんよね。また、企画書自体は完璧ではなく、ある程度突っ込みどころがあった方が良いと思います。クライアントから突っ込まれたら、笑顔で「良い質問をありがとうございます」と答えて、あらかじめつくっておいた別の資料を配る。ゴールまで一本道ではなく、何度か横道にそれることも予測して、その際に軌道修正をするための別途資料を用意しておく。「こんな質問をされるだろうな」と、プレゼンでのやり取りをイメージしながら、シナリオを考えておきましょう。ですから、企画書本体のページ展開は短くしておいてかまいません。私の場合はいつもそうでした。プレゼンは、相手に気持ち良く納得してもらうために行うものであって、相手をやり込めるためのものではないのです。このことも心に留めておいてください。

 

落とすべきターゲットは“ネガティブ対象者”

 昨今、企業の意思決定は合議制によることが多いようですね。社長の鶴の一声で結論、という話をあまり聞かなくなりました。そのためにも、合議制に勝つためのプレゼンを心がけましょう。複数の対象者を前にしたプレゼンを行う際には、どの人が“ネガティブ対象者”か知っておくことが必要です。仲の良い担当者に、事前に聞いておくなどしておきましょう。例えば、お年を召した人がネガティブ対象者ならば、難しい言葉をできる限り使わない、文字のポイント数をあまり小さくしない。また、プレゼン途中で理解度が低い人を見つけてしまった場合、その人の理解度に合わせて話のスピードを調整する。合議制の中では、たったひとりのネガティブ情報が決定を覆すことがよくあります。企画書とは、ネガティブ対象者に納得してもらうためにつくるもの。プレゼンを制するためには、大切なポイントです。

 

プレゼンの前に、必ず企画書の第三者チェックを

 最後に、プレゼンの前にやっておいてほしいことをお話しておきます。企画書をつくった本人は、常に「自分の企画書は最高、完璧」と思いがち。プレゼンの前にはぜひ、会社の上司、同僚などに、あなたの企画書を読んでもらい、客観的な意見をもらいましょう。もしも時間があるなら、その企画書をもってロールプレイングできればさらによし。そうやって第三者チェックをしてもらい、指摘されたポイントをさらに盛り込んでブラッシュアップしていくのです。“つかみ”はあるか、“ストーリー性”はあるか、“突っ込みどころ”はあるか、“導入スケジュール”を忘れていないか“別途資料”は完璧か、などなど、見てもらいたいポイントをしっかり伝えて、厳しく第三者チェックをしてもらいましょう。

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