事業プラン立案に必要な要素「6W2H」

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

事業プランを立案するには、「6W2H」という要素から考える必要がある。まずは、それぞれの示す内容を理解しておこう。

<What?>
商品・サービスの具体的な内容を、端的にまとめてみる。顧客に対してどんな商品やサービスを提供しようとしているのか、あるいは扱う商品やサービスが市場や顧客に受け入れられるものかを考える。

<Why?>
なぜ、この事業をやるのか?
これは、後で困難にぶち当たったときの精神的バックボーンにもなりえる。また、事業として成功するものは社会から歓迎される事業である場合が多いので、自分の事業の「社会的存在意義」についても確認しておきたい。

<Where?・Whom?>
想定する市場はどこなのか?また、ターゲットとする顧客は誰なのか?
商品やサービスを提供しようとするターゲットは、できるだけ絞り込むのが望ましいだろう。相手が鮮明になればなるほど、アプローチの方法が具体的に検討できるようになるからだ。
ここで「Where」は市場、「Whom」はさらに絞り込んだ顧客を指している。

<When?>
どのようなタイミングで事業を行うのか?
事業の特徴となるノウハウを獲得するには、「人」と「金」をどんなタイミングで投入するのかが重要となる。どの時期にどんな人と、どれくらいの資金が必要か。この「時間軸」の概念を設定することで、事業の実行計画が出来上がるのである。

<Who?>
誰がその事業をやるのか?
事業内容とそれを実演するフローの中で、どんな人材が必要になるかを考えなければならない。まず自分やパートナーの能力を判断し、事業を進めるうえで他にどんな能力・経験を持った人が何名必要なのかを検討していく。

<How to? >
どんな特徴で、どんなノウハウを使うのか?
商品やサービスを、目指す市場・顧客に提供する際にどうやって競合優位性や独自性を発揮するかを検討する「販売力」「商品のユニークさ」「物流の効率性」といった特徴を発揮するには、それを生むノウハウ・手段も必要だ。

<How much?>
資金は?売上高や利益の目標は?
開業前、そして開業後に事業を運営していくうえで、どれだけの資金が必要になるのか試算する。またそれがどんなタイミングで必要になるのか、事業フローや売り上げ見込みと合わせて検討し、具体的な資金計画、資金調達手段に繋げていくのである。

「6つのS」を「6W2H」に置き換える
独立するだけなら、ことは簡単だ。問題となるのは、独立して行う仕事をどうやって継続・発展させるかにある。それを実現するために、まず独立後の日々の努力が大事なことは当然だろう。加えて、独立前からもしっかり準備しておくべきことがある。

この独立前に必要な準備は、「6つのS」で表すことができる。それが「信念(精神的財産)」「仕組み(知的財産)」「資金(物的財産)」という“基本の3つのS”に、「商品(サービス)」「市場」「支援」を加えた“6つのS”である。

独立の理想像とは、これら合計6つのS を獲得することにあるのだ。それをどう考え、どう準備し、どう動かしていくのかを綿密に計画したものが、つまりは事業プランということになる。これは図に示した「6W2H」の、疑問に対する回答というかたちで考えることができる。

何をするのか? どの市場でやるのか?

「6W2H」には、考えを進めるうえでの原則的な順番がある。その順番とは、図の上から下へと向かうことだ。

多くの場合は「What?」から入り、次に「Where? Whom?」へと進んでいくだろう。しかし反対に、まず先に狙う市場やターゲットを定めて、そこに提供できる商品やサービスを考案するという方法もある。前者は動機先行型で、後者は根拠先行型だ。

マーケティング的には後者が有利だが、「What?」と「Where? Whom?」の2つを頻繁に往復してプランを深めていけば、どちらからスタートしても構わない。いずれにしても、「Why?」にはたえず立ち返ることが大切である。なぜ、自分はそれをやるのか。あるいは、なぜ人々(市場)はそれを必要とするのか。その回答が曖昧なプランは、「空理空論」でしかない。

「How to?」は扇のカナメ

ここで、図の下へと作業を移していこう。
残された「2W2H」はいずれも軽視できないが、中でも「How to?」は最重点項目だ。これによって上の3項目と下の3項目が結び付いていることが、図でもお分かりになるだろう。言い換えれば、この「How to?」こそ市場がその事業に対して感じる魅力であり、競争相手に対する優位性となるポイントなのである。まさに、事業アイデアの部分だ。

事業は既存のものや先行している人々より、一味も二味も違う事業にするための創意工夫が大切だ。それは商品やサービス自体の工夫でも良いし、販売・提供方法の工夫でも良い。あるいは、生産段階の工夫や流通の工夫、販売後のフォローの工夫などでも良いだろう。ここが弱いと、後の「When?」「Who?」「How much?」などは力のない計画になりかねない。

最後に実行のためのプランを

プランの最後が、「When?」「Who?」「How much?」だ。つまり、事業を実際に稼働させていくための諸課題に取り組むわけである。どんなに良い事業アイデアでも、実行のためのプランが甘ければ「絵に描いた餅」でしかない。実は、この点でツメの甘い人が少なくない。
仮に事業を1年間行うとしよう。

・必要資金はいくらか?
・その資金はどうやって用意するのか?
・どのような仕事をするスタッフが、何人必要なのか?
・そのスタッフは、どうやって集めるのか?

これらは、夢を語る部分ではない。現実的で、かつ具体的な案だけが求められる個所だと考えておかなければいけない。

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