【2020年専門家監修】ビジネスプラン作成術〜ビジネスプランに盛り込みたい8つの内容

この記事は2020/01/23に専門家 太田 眞彦 三浦 高 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

自分ではいいと思っているビジネスプランを説明しても相手の反応が今ひとつの時はありませんか?それには思わぬ落とし穴があるのです。ビジネスプランで大切なのは「WHAT」と「HOW」。相手が「前のめり」にならない理由はここに問題があるからなのです。

ビジネスプラン

ビジネスプランとは

ビジネスプランとは、一言でいうと「ビジネスの設計図」で、事業計画とも呼ばれます。
頭の中で描いているアイデアや構想を事業という形にし、そしてどのように実現していくのかを示したものです。

ビジネスプランをつくる目的は、大きく2つあります。
ひとつは、他人に事業の概要や魅力を伝えるためです。
金融機関から融資を受ける場合や、ベンチャーキャピタル・個人投資家から出資を受ける際には必ず求められます。
そして、事業計画の良し悪しによって、融資や出資を受けられるかどうかが左右されます。
その他、取引先や従業員などに提出する場合もあります。

もうひとつは、起業家自身が事業を進めていくための羅針盤や見取り図とするためです。
今まで個別に検討したことをまとめることにより不足している点が明確になり、事業計画を磨き上げていくことができます。
事業をすすめている場合は、これから何をすればよいかや、計画とおりに進捗しているかどうかを管理することもできます。

ビジネスプランに最低限盛り込みたい項目は、以下の8つです。

  1. ビジネスプラン名(どんなプランかが一目でわかるもの)
  2. 事業内容(市場・ターゲット、商品・サービスの概要)
  3. 市場環境(市場規模や成長性、競合相手の評価など)
  4. 競合優位性(競合が模倣できない優れた点)
  5. 市場アクセス(事業実現のプロセス)
  6. 経営プラン(事業を継続的に運営するためのシステム)
  7. リスクと解決策(想定されるリスクの抽出・分析・解決策)
  8. 資金計画(収支計画と資金繰り計画)

「絵に描いた餅」になるほど相手の心は離れていく

「こんなことをしようと思うんです!」

いいですね。楽しいことを考えている人の目はキラキラしています。今まで、ビジネスプランのブラッシュアップをたくさんやりましたが、面白いことを考える人はたくさんいますね。

しかし、具体的な話になるにつれて多くの人は歯切れが悪くなり、目の力が弱くなります。例えばビジネスプランコンテストでは、ほとんどの一次審査は書類審査です。

最初の「事業概要」に比べて、「具体的方法」でトーンが明らかに落ちる。つかみはオッケーなのに。語り手のトーンが落ちれば当然聞き手(読み手)のトーンも落ちる。

いくら事業内容が面白くても、具体論が伝わってこなければ、聞き手(読み手)は「本当にこのビジネスは実現できるのかな」と思い始めます。えさをくわえた魚が針にささらずにするりと逃げてしまう感じです。これを、「WHATはいいけどHOWが甘い状態」と言います

そんなビジネスプランには人は決して「前のめり」になりません。

WHATは「ダイナミックに自由に」、HOWは「細かく現実的に」

WHATは「何をするか」、HOWは「どのようにするか」です。ビジネスプラン的には;

WHAT:ビジネスの内容、ビジョン(将来の姿)
HOW:いつ、どこで、誰を対象に、幾らでどんなサービス(商品)を、どのようにお客さんに知らせていくか

ビジネスの多くは「○○をしたい!」というところから始まります。これはWHATです。夢がいっぱい広がる人も少なくはありません。それもビジョンにつながるので、WHATです。WHATは既成概念から離れて大きく考えて、何だかわくわくするぐらいがちょうどいいんです。

一方で、HOWはかなり現実的です。例えば「アメリカに行きたい!」と思ったときに、多くの人は予算を考え、飛行機やホテルを予約し、実際にどこに観光に行くかを細かく詰めていきます。パッケージプランを選ぶにしても、個別の条件を総合的に考えて選びます。実際の動き方。これがHOWです。

「前のめり」になるビジネスプランは、WHATとHOWがいいバランスで構成されています。「ダイナミックかつ現実的」。一見矛盾しそうな要素が組み合わさって初めてプランに血が通い現実味が出てきます。

スケールちっちゃい!HOWの落とし穴

ビジネスプラン
「したいこと」と「できること」は違います。人は細かいことを考え出すと、「できること」に終始してしまいがち。ビジネスプランでそれをしてしまうと、例えばこんな感じになります。

・「日本食を世界の国々に紹介したい」と思っていたのに、単に「日本に来る外国人に提供する」プランになってしまったレストランビジネス
・ 「リアル雑誌とネットコミュニティの融合」で「出版業界の体質を変えるようなビジネスモデルを考えた」のに、気がついたらリアル雑誌でしか収益をとる方法がなく、結局出版業界の「しがらみ」にどっぷりはまってしまった雑誌ビジネス

「明日からできる」ビジネスプラン作りにおいては、「今すぐにできるアクション」はとても大切です。ただ、それに固執するあまりに当初のWHAT(特にビジョン)を見失ってしまうと、将来的に広がりのないビジネスになってしまいがち。夢がない。

そんな「落とし穴」に陥らないためのポイントは;

(1)時系列として段階的に考える
「1年目は○○、2年目は△△、3年目で××まで拡大」として、1年目にまずできることを設定する。ステップ拡大型。

(2)条件付で考える
「○○があれば××までできる」と考えてプランを作っていく。その後に現在足りないもの(○○)をどのようにして獲得するか(これもHOWですね)を考える。ゴールありきです。

2つに共通しているのは、「WHATの達成に向かいながら、現実を踏まえてHOWを詰めていくこと」です。そして、もしHOWを考えているときにちっちゃくなってきたなと感じたら、当初考えたWHATに戻ってみて、今考えていることとのギャップを埋める方法を考えてみてください。WHATとHOWを行ったり来たりすると落とし穴にはまりません。

「明日から動く」つもりでビジネスプランをブラッシュアップ

新しいビジネスは不確定要素ばかりです。思うように動けないことのほうが多かったりもします。WHATとHOWの話をすると、「いくら細かく考えても、実行することができない場合もたくさんある。そこまで細かくビジネスプランに落とし込む必要があるのか」と言われる人もいます。ある意味、おっしゃるとおり。いくら細かく考えても、実際には実行できなかったり、実行しても思うような結果が出なかったりすることはたくさんあります。それでもHOWが重要なのはなぜでしょうか。

それは、「そこまで考えているんだ」という本気度を相手に伝えるということです。「これは本当に実現できるかも」と思わせるということです。そして、そこまで考える(くせをつけている)から、実際に起きるハプニングに対応できるようになります。

プランを作りながらもう一度、自分に聞いてみてください。

【あなたは明日から動けますか?】

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あなたの事業計画は成功する計画かどうか、ぜひチャレンジしてみてください。

この記事の監修者
太田 眞彦(おおた まさひこ)
株式会社さあ頑張ろうぜ
中小企業診断士
株式会社さあ頑張ろうぜ 代表取締役 1960年生まれ。東京都出身。経営コンサルタント歴20年のベテランが、アイデア出しから起業までを支援します。
著書『芸能人に学ぶマーケティング戦略』ほか
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三浦 高(みうら たかし)
V-Spirits経営戦略研究所株式会社
1級販売士/宅地建物取引士/中小企業診断士
総合起業コンサルティンググループV-Spiritsに在籍する。特に補助金・助成金については元補助金事務局員だった経験、実績をフル活用し、95%以上という非常に高い採択実績を記録するなど、実績を豊富にお持ちです。
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