今後のサイト売買、M&A市場

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

今後のサイトM&A業者

 私も2007年8月よりデジタルハリウッド大学院での授業や、9月からはドリームゲートカレッジでの授業、また、その他各種団体からのサイトM&Aについてのセミナー依頼など、サイト売買について講演のご依頼をたくさんいただきます。

 デジタルハリウッドでは、史上最短で授業の予約が満席になったほど、今「サイトM&A」がいかに注目され、サイト売買業界の認知が広がってきていることを改めて実感致しました。しかし逆に、当事者の私から見て、サイト売買業界全体の問題点もあります。

1.現状のサイト売買仲介の成果報酬の平均価格が安すぎる
→M&Aは人が間に入り仲介しないと成り立たないので最低限の仲介手数料は必要

2.サイトの売却価格の査定の標準化
→相談するサイト売買会社によって査定金額が違う

3. 2.と連動しますが、売り手、買い手、仲介者、3社の「信頼」の向上
→サイトM&Aにおいて、デューデリジェンスする際に「公的に証明する材料」が少ないので最終的には「信頼」ということになってしまう部分が多い。また、質を問わなければ参入障壁は低いビジネスなので、個人の悪いブローカーが増えると業界の質や噂も悪くなる。

4.「高く売れるタイミング」を広める
→下方トレンドでネガティブな理由で売却するのではなく、上昇トレンドで売りたくない、という時が一番高く売れる一番の売り時、ということを業界全体で広めるべきである。それを認知していない現状、流通しているのは質が悪いサイトが多いので買い手が離れ、業界全体の見られ方や質も悪くなる。

 など、サイトM&A業界において、さまざまな問題点やリスクが山積みです。また、業界的に、サイトM&Aといいながらも、広いマーケットなので、サイトの種類や規模に特化したりし、それぞれの会社が特徴と強みを出し、特待のターゲットを深掘りしていく動きも出てくると思います。
 

今後の売りサイトについて

 今後は今より、売れるサイトと売れないサイトの差がはっきりしてくると思います。つまり、サイトM&A市場が大きくなり、売りサイトが増えれば、必然的に分母が増え、それと同時に競争原理が働き、生き残り競争が激しくなってくるので、本当にいいサイトしか売れない、という時代になると思います。

 また、先にも述べましたが、運営している人に依存している属人的なサイトも、サイトM&Aにおいての価値としては低いと思います。

 それは、サイトに価値があるのではなく、人に価値があるとみなすからです。このように、売れるサイトと売れないサイトは、もっとはっきりと別れてくるでしょう。
 

サイト買収の目的と需給バランス

 買う側はサイトを買う「目的」があるわけですが、私が見るに大きく分けて以下に分類されます。

1.既存事業とのシナジー(主に会員やPV)
2.売上利益(PL上での数字)
3.独立、新規事業
4.純投資(利回り)
5.リノベーション、転売(キャピタルゲイン)

 現在は需給でいうと以前と変わらず、買う側の需要の方が圧倒的に多いのが現状です。毎日、「こんなサイトを買いたいのですが・・・」「優良サイトが入ったら、すぐに連絡してほしい」などといった、弊社クライアント様からたくさんのお問い合わせをいただきます。

 私が見るサイトを買うのが上手な企業は

・すばやくなおかつきっちりとデューデリジェンスをする
・決断が早い
・リスクや下落率を想定して購入する
・買収後のシナジーやサイトの運用方法のストーリーが描けている
・売り手の立場や気持ちを考えて買収交渉をする

 ということです。サイトの買収は今後の経営戦略においてとても重要だと思いますが、サイトの買い方においても、上手な企業様と、出遅れている企業の差が出始めているように思います。

 サイトを売るにしても、買うにしても、サイト売買業者になるにしても、ビジネスなのでリスクはつき物です。

 今後、ますます注目を浴び、大きくなっていくサイトM&Aビジネス・・・・・。
 ぜひ、皆様と一緒に市場をつくり、ビジネスができたらと思っております。

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ここにあります。

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