経営戦略 Vol.74 ゲームセンターにシニア!? リアルから発想するビジネスの強み

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

 最近、街中のゲームセンターにシニア層の姿が増えているようです。これに気づいた運営会社は、シニア層に向けての優待サービスを始めたり、中には介護大手と組んで介護施設にゲーム機を導入するところも出てきているようですが、こうした事例を見るにつけ「リアルからビジネスを発想する」大切さを痛感します。

ゲームセンターにシニア急増!? ユーザーの変化を肌で感じることの重要性

 最近、街中のゲームセンターには、シニア層の姿が増えてきたようです。これまで、ゲームセンターといえば、若者の聖地のようなイメージでしたが、「太鼓の達人」やモグラたたきなど、いわゆるアクション系と呼ばれるゲームは、シニア層にもかなりの人気ぶりなのです。
 日本生産性本部の「レジャー白書」によると、昨年2010年のゲームセンターの市場規模は5320億円で、09年の5.3%減、07年の7110億円と比較すると市場規模は4分の3まで縮小しているようです。そんな中でこれまで主要顧客だった10代~30代に変わり、65歳以上のシニア層の姿が増えてきているというわけです。
 ゲームセンター運営のアドアーズのリサーチによると、ゲームセンターの平均客単価は通常2,000円程度のところ、高齢者に限って調べると、1日3,000~4,000円使う人も少なくないそうで、中には1万円以上使うツワモノもいるのだとか…。この層は可処分所得も高いので、ここに目をつけたサービスが次々登場するのもうなづけます。

介護施設でゲーム&カラオケ♪

 現にアドアーズ社では、東京の中野店他、運営店舗の半数以上で60歳以上に「専用パス」を発行し、来店時にゲームに使えるメダル50枚(250円相当)を提供するなど、シニアの優待サービスを始めています。と同時に、有料老人ホーム運営などを手がける介護大手のユニマットそよ風と連携し、介護施設にゲーム機を導入する動きも見せているのです。
 すでに川崎市の「かわさきケアセンターそよ風」と千葉市の「いなげケアセンターそよ風」には、業務用のゲーム機を設置済みのようですが、今後は約180ある運営施設に、高齢者でも楽しめるタイプのゲーム機を順次導入し、施設利用者に無料で利用してもらう計画だそうです。シニア層のリアルな声を、新商品や新サービスの開発に繋げようという意気込みなのでしょう(*^^)v
 一方、カラオケ大手の第一興商でも、介護施設向けの新機種を発売しています。なんでも「体操用の歌謡曲」等の演奏に適した機種で、高齢者の心身の健康を保つための音楽療法に活用でき、指導者が片手で操作できる簡易リモコンを備えているのが特徴だそうです。希望小売価格は1台150万円ですが、リース契約も検討しているみたいです。

少子高齢化社会のマーケット変化からビジネスを発想せよ!

 日本の高齢者人口は、2980万人。いよいよ3000万人に手が届く勢いです(平成23年9月15日現在 人口推計)。総人口に占める割合は23.3%となっていますから、ざっくり考えると日本人の4分の1が65歳以上になる日も近いということです。こうした統計は、みなさん頭ではわかっているはずですが、なかなか“実感”として、自社のビジネスに繋げられないものなのです。
 もし、あなたがゲーム機関連の仕事をしていたとしたら、ゲームセンターにシニア層の姿を見かけた瞬間、「介護施設にゲーム機を入れよう!」と閃くでしょうか?

 リアルからビジネスを発想するとは、この積み重ねです。

 『世の中の見方を知る ⇒ リサーチ ⇒ 閃き ⇒ 素早い行動』。

 これからの時代は特に、このサイクルを回すものだけに、勝利の女神は微笑むようになるでしょう。この事例を参考に、ぜひあなたらしいアイデアを絞ってみてください(@^^)/~~~

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