失敗したから分かる、「共同創業」で成功する会社と空中分解する会社の最大の違いとは?

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: 久能 克也

はじめまして。私は多くの起業家がぶつかる「10人の壁」を超えるための経営者向けコーチングを専門としている、ドリームゲートアドバイザーの久能 克也(くのう かつや)です。私自身が10人、20人の壁を超えた経験と、「大きな会社」「強い会社」「世界にインパクトを与えられる会社」をつくるためのメソッド(「EOS®」)の両方を伝えられることを強みとしています。

私自身も「共同創業」をいくつか経験し、成功も失敗もしました。だからこそ分かる「共同創業で成功する方法」や「失敗を避ける考え方」をこの記事でシェアしたいと思います。

Google、Apple、メルカリやfreeeも共同創業

「共同創業」と聞くとどんなイメージを持つでしょうか。仲の良い友人や同僚、取引先とサービスのアイデアを思いつき、仕事後に飲みながらアイデアをブラッシュアップする。「これならいける!」というところまで磨いて「さあやるぞっ!」と起業。私はそんなイメージです。またはスゴ腕営業パーソンがまだ世に出てない「原石」のような商品やサービスを見つけて「私ならこれを売れます!一緒にやりましょう!」と誘う。その逆のパターン(商品、サービスを持った人が売れる営業パーソンを見つけて誘う)もあるかも知れませんね。もちろん他にも色んなパターンがあるでしょう。

少し考えただけでも、1人で創業する場合と比べて、共同創業には「初めから仲間がいる」「異なるスキルを持ち寄ることができる、弱点を補い合える」というメリットがあります。とても心強いですし、成功確率も上がる気がしますね。

実際に、あなたもよく知っているであろう有名企業の多くが、共同創業の形でスタートを切り、大成功しています。たとえばGoogle、ホンダ、そしてAppleなどです。それぞれの企業は、異なるスキルを持つ複数の創業者によって設立され、現在の成功を築き上げてきました。最近の事例でも、メルカリやfreeeが共同創業によって立ち上げられ、成功しています。

大きな会社だけではありません。私のクライアントにもBtoBマーケティングに強い3名で創業して今は15名、名だたる大企業にマーケティングのソリューションを提供している会社もあれば、エンジニア2名で創業し10年で年商5億円、従業員30名を抱えるシステム開発企業に成長している例もあります。

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「崩壊」「空中分解」の危険もある共同創業

そしてもちろん、共同創業がすべての企業で成功をもたらすわけではありません。あなたも「共同創業」と聞くと創業者同士の不和、空中分解、会社の崩壊・・・などが頭に浮かぶかも知れません。だから共同創業に踏み切れない、躊躇してしまっている・・・ということもあるかも知れませんね。

成功例と違って失敗の事例は探すのが困難なのですが、Googleで「共同創業」と入れるとオートコンプリート機能で「共同創業 失敗」「共同創業 トラブル」などと出てくるとことを見ると共同創業にネガティブなイメージを持っている起業家が少なくないことが伺えます。

共同創業者が上場企業の出資を受けて同じ事業で独立!?

私自身も共同創業の経験があり、大失敗というわけではありませんが共同創業ならではの嫌な思いをしたことがあります。3名でスタートした事業が大きくなる中でとある上場企業から出資のオファーがありました。経営チームとしては断る決断をしたのですが、3名のうち1名が出資を受け入れ新しい会社を作る計画が水面下で進んでいたのです。それを聞いた時は焦りました。強力なライバルが誕生するのですから。

ビジネスモデルもクライアントの成功実績もゼロから一緒に作り上げてきたので、コピーすることは難しくありません。それに出資企業の資本力やネットワークが加われば、こちらは潰されてしまうのではないかとも思いました(結果としては両社とも存続することができたのですが)。

当時は正直、その1名を「ひどいことをする人だ」と思いました。年上で起業家としての先輩でもあったので裏切られた思いでした。今では「ビジネスだし、そんなこともあるよね」と冷静に振り返ることができていますが、若き日の自分には痛手でした。

では、私自身「共同創業なんてするんじゃなかった」と考えているかというと、そんなことはありません。嫌な思いもしましたが、共同創業だからこそ乗り越えられたことは多いです。資金や人の悩みを1人でなく仲間と考えながら解決していけるのは本当に心強い。事業が一番しんどい時、共同経営者の1人(先ほどの1人とは別の人です)と遅くまで残業したあと飲みながら「1人でやってたらとっくに会社たたんでると思うわー」「本当だよねー」というやり取りをした時は心底共同創業でよかったと思った記憶があります。

今、共同創業をするとしたら同じ失敗は繰り返さないと思います。それは、共同創業を成功させるために必要な2つのことを理解しているからです。これは私の周囲の起業家やクライアント、そして私自身が経験を通じて「正しい」と感じていることです。1つは「人を選ぶ」こと、もう1つは「健全な関係を保つ」こと、です。

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共同創業で失敗しない「人の選び方」

「人を選ぶ?当然だよ!」と思われるかも知れません。しかし、起業の話で盛り上がっている時は「本当にこの人がパートナーでいいのか?」と冷静になるのは意外と難しいことです。むしろ商品やサービスについての考え方が合うことで「コイツとならどこまでも行けるかも知れない・・・」というモードに入ってしまいがち。私自身も何度もそういう想いを抱き、何度か期待外れ(相手にとってもそうだったでしょうが)だった経験があります。

よく考えてみてください。共同創業者というのは四六時中一緒にいる人、それが長期間継続する人のことです。創業期は長時間働くのが当たり前。事業がうまくいけば会社は継続していくので1~2年の関係ではありません。

ベンチャーは良い時期ばかりではないので、売上が思ったように上がらない、商品・サービスが評価されない、そして一番辛い資金が足りない時・・・。そんな時にも正面から話し合って共に課題を解決しなければいけません。パートナーのパフォーマンスが上がらない時、または逆にあなたのパフォーマンスが上がらない時、タフな話し合いもしないといけないでしょう。そういうことができる人か?

共同創業者を選ぶというのはそういうことです。なんとなく気が合うから、たまたま近くにいたから、だと失敗します。立ち止まって、一定の基準のもとで判断する冷静さが必要です。

では失敗しない共同創業者の選び方をシェアしましょう。以下の条件に3つとも当てはまる人であるか?を判断してください。

1.オープン、正直でいられるか?

お互いにオープン正直でいられるか?そういうコミュニケーションができるか?です。オープンとはオープンマインドのこと。相手の言うことを、たとえ「違う」と思っても反射的に拒否、否定せずに一旦は受け入れること。これがオープンマインドです。自分と違う意見を価値があることとして尊重することができるか?と言い換えることもできます。

正直というのは言うべきことや違和感をスルーせずに表明する、俎上にのせること。健全な対立を歓迎すること。対立を避けたい、気まずい雰囲気にしたくない、相手を傷つけたくない・・・という気持ちは私もよく分かりますが、ビジネス・経営において言うべきことは言わないといけません。でないと芯を食わない、表面上の議論しかできません。そんなチームが素晴らしい成果を出せるわけがありませんよね。そういうタフなコミュニケーションができる間柄か?これからそうなることができるか?がポイントです。

2.ビジネス上の関係を解消しても良い関係でいられるか?

1.と関連しますが、ビジネス上の関係は「解消することもある」と思っておくことが(逆説的ですが)重要です。オープン、正直な関係性だと「お互い、違う道を歩んだ方がいいかもね」という結論になることもあります。そうなったときに、「二度と顔も見たくない」となってしまわないか、ということです。プライベートで欠かせない親友や、ましてや家族・恋人を共同創業者にしてしまうと、関係性の悪化を懸念してオープン、正直に振舞えないことが考えられます。言いすぎて気を悪くし、共同経営の解消となったらプライベートな関係にも影響してしまう・・・ビジネスパートナーとプライベートなパートナーを同時に失うことは怖いですからね。

いざとなったら共同経営をいつでも解消できる・・・こういう心構えのほうがオープン、正直なコミュニケーションができるし、その方が結果として関係性もより良くなるのです。

3.仕事、ビジネスに関する価値観を共有できているか?

仕事ができる、できない以上に重要なのが「仕事、ビジネスに関する価値観」です。ここが合わないと、いろんな場面で違和感を感じ続けることになります。

「あの人とは仕事がしやすい」と感じるとき、相手は仕事に関してあなたと同じ価値観を共有しています。分かりやすい例で言うと「スピード対応が何よりも大事である」という価値観をあなたが持っているとします。そうでない人、たとえば「拙速は避けクオリティの高い仕事をする」という価値観の人と仕事をすると、あなたには不満がたまり、「この人とは合わないな」と感じながら仕事し続けることになります。エネルギーが少しずつそがれ続けます。逆に価値観が合う人と仕事をすると常にエネルギーが充填され続けます。なので、同じ価値観を共有できる人と共同創業するのが良いのです。

とはいえ、価値観を20とか30のリストにしても多すぎて使えるものになりません。3つ~7つの厳選された、「これだけは譲れないという価値観」のリストを作りましょう。これを共同創業者候補と持ち寄って相談して選ぶのもお勧めです。

ビジョンを共有する仲間と創業する?

よく「ビジョンを共有する仲間と創業すべき」という言い方がありますが、これは落とし穴になり得ます。なので少し解像度を上げて理解しておく必要があります。

Amazon創業者のジェフ・ベゾスや、SBIホールディングスの北尾吉孝代表取締役も愛読書に名前を挙げる『ビジョナリー・カンパニー2
飛躍の法則』にこの問題に関する有名な記述があります。少し長くなりますが、正確に伝えたいので引用しましょう。

『偉大な企業への飛躍をもたらした経営者は、まずはじめにバスの目的地を決め、つぎに目的地までの旅をともにする人びとをバスに乗せる方法をとったわけではない。まずはじめに、適切な人をバスに乗せ、不適切な人をバスから降ろし、その後にどこに向かうべきかを決めている。要するに、こう言ったのである。「このバスでどこに行くべきかは分からない。しかし、分かっていることもある。適切な人がバスに乗り、適切な人がそれぞれふさわしい席につき、不適切な人がバスから降りれば、素晴らしい場所に行く方法を決められるはずだ」』

つまり、まず人を選び、選んだ人と目的地(つまりビジョン)を決めるのだ、ということです。この順番は逆にしてはいけません。そして人を選ぶときにはこの記事でお伝えした3つの基準を活用してください。

共同創業者と健全な関係を保つ方法とは?

1つ目の「人の選び方」が長くなりました。2つ目「健全な関係を保つ」方法を見ていきましょう。どんなに素晴らしいパートナーを選んでもメンテナンスを怠っては関係性は劣化していきます。これは夫婦や恋人だけでなく、共同創業者との関係においても成り立ちます。最低限の「規律」がなければ事業はうまくいかず、関係性もなあなあになっていきます。これを避けるためには次の2つを実行すればOKです。

1.役割と期待を明確にする

営業出身と技術出身の2人の共同創業ならなんとなく営業はこっち、開発はこっち、と決まってくるでしょうが、もう一歩進めましょう。期待する役割を言語化し、双方が納得することが重要です。言語化するといっても長々としたジョブディスクリプションを書くのでなく、5行の簡潔な箇条書きで表現しましょう。たとえば営業担当なら

  • 売上目標の達成
  • 見込み客の発見
  • 営業プロセスの推進
  • 営業ツールの開発
  • クロージング

これにより営業関係の責任はこのポジションが持つのだ、ということが明確になります。続いて開発担当なら、

  • スケジュール通りの開発
  • 新機能のアイデア
  • 仕様の決定
  • 外部エンジニアのマネジメント
  • 動作確認

などになるでしょう。仮に営業系の2人が共同創業するのであれば見込み客の発見はどちらが責任を持つのか(両方なのか)、クロージングは得意な方がやるのか、それとも両方やるのかなどあらかじめ明確にすることができます。

これが「健全な関係を保つ」ために非常に重要なのです。これを決めておかないとパフォーマンスが優れない時になあなあにならざるを得ません。決めずに「お前が悪い」などとやるとただの悪口、喧嘩になってしまいます。あらかじめ決めて言語化しておけば建設的な話し合いができます。

2.ミーティングのリズムを保つ

定期的にミーティングをしよう、ということです。ミーティング、会議は「ムダなもの」というイメージを持つ人が多いと思いますがそれは勘違い。世の中にムダなミーティングと有用なミーティングの2種類があるだけです。ムダのないシャープなミーティングを定期的に行うことで健全な関係が保てます。

共同創業者同士は気心が知れていることもあり、問題があるときだけ会議をするというスタイルが多いようです。これがなあなあの始まり。毎週決まった曜日、決まった時間に決まった長さの会議をする。アジェンダも同じ。カレンダーに定期の予定として入れておき、何があってもその時間はブロックする。顧客よりもこの会議の方を優先します。

  1. 同じ曜日
  2. 同じ時間
  3. 同じアジェンダ
  4. オンタイムにスタート
  5. オンタイムに終わる

この5つが効果的なミーティングの5原則です。興味のある方は「10点満点ミーティング」でGoogle検索してみてください。記事や動画がヒットするはずです。

毎週の会議のほか、毎月の財務チェック、四半期のミーティング、1年ごとのミーティングを定期的に行うことも重要です。四半期や1年のミーティングは戦略や組織など長期的な課題を扱うのに適しています。

以上、1.お互いの役割と期待を明確にし、2.定期的なミーティングのリズムを維持することで健全な関係性を保つことができます。

「遠くまで行く」つもりなら、共同創業がお勧め

いかがだったでしょうか?本記事で見てきたように共同創業にはデメリットもありますがそれを補って余りあるメリットがあります。アル・ゴアやヒラリー・クリントン、最近では岸田首相も引用して有名になったアフリカのことわざ「早く行きたければ、一人で進め。遠くまで行きたければ、みんなで進め」をあなたも聞いたことがあるでしょう。これはまさに共同創業にも当てはまります。

2人、3人の仲間と共同創業することは面倒なこともたくさんあります。1人の場合より必要なコミュニケーションは多くなるし、調整や相談、時には対立もあります(本文で見たように対立は必要なことですが)。しかし適切な人を選んで同じバスに乗り、ワクワクするビジョンを一緒に描くことができればとてつもないエネルギーが湧いてきます。それは1+1=2ではなく、3、5、時には10にも100にもなってしまうでしょう。だからあなたは遠くにいくことができるのです。

もしこの記事だけで分かりにくいこと、もう少し詳しく聞きたいことなどがあればお気軽に相談してください。メールや面談での無料アドバイスを提供しています。

執筆者プロフィール:
ドリームゲートアドバイザー 久能 克也 / 株式会社オプティ

「10人の壁」を超える専門コーチングとして世界20万社の実績ある手法(EOS®)の日本人唯一の専門家。会社を大きく成長させたい経営者の方に専門コーチングを提供しています。エネルギッシュで周りを明るくしてくれるような快活なお人柄で、悩める中小企業の社長を導いてくれるでしょう。

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ドリームゲートアドバイザー 久能 克也

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