創業時だけではない!
起業してからの資金調達タイミングと7つの方法

資金調達

執筆者: 萩原 崇

起業と資金調達は切っても切り離せない関係のテーマです。また起業するときだけに限られないのも資金調達です。
このコラムでは、起業して数年後の資金調達について、そのタイミングや方法を紹介していきます。

起業して数年の経営者が資金調達するタイミングとは

もしあなたが、起業して数年経った経営者だったとして考えてみてください。
日々の仕事もある中で、事業のこと、従業員のこと、そして資金繰りのことなど、色々なことが頭の中で巡ります。
そんな中で資金調達のことを、ぼんやりと考えるのはどういったときでしょうか。

実は、資金調達をするタイミング(=目的)は「運転資金」「初期投資」の2つしかないのです。

運転資金として資金調達

運転資金は、日々の入出金を行うために銀行口座にプールしておかないとならない資金です。
入金(=売掛金の回収)よりも出金(=費用の支払い)が先に期日到来するならば、その分の資金は手元に用意しておかなければいけません。

運転資金としての資金調達をするタイミングには、ポジティブな場合とネガティブな場合があります。

ポジティブな場合は、売上が増加してきた場合です。
売上が増加すると連動して費用も増加するため、必要となる運転資金の金額も増えていきます。
このときが運転資金として資金調達をするタイミングです。

このタイミングを逃して、もしも売上が急激に伸びたとすると、業績が順調で売上も伸びているのに支払いに回す資金が足りなくなる(資金ショートする)という、黒字倒産になる危険性があります。

逆にネガティブな場合は、売上が減少してきた場合です。
売上が減少して預金残高も減少していく中で、このままでは必要となる運転資金の金額よりも預金残高が減ってしまうことが予想されるときが運転資金として資金調達をするタイミングです。

初期投資として資金調達

続いて初期投資として資金調達をするタイミングです。

初期投資、といってもいきなり工場を建設することは滅多にないと思いますので、まずは簡単に”新規事業”での初期投資について考えていきます。

事業は様々なパターンがありますので、店舗を構える、商品在庫を確保する、従業員を雇う、といった形で初期投資が必要になる場合、無形サービスのIT系の事業でも、サイト制作や広告費用などで一定の初期費用が必要になる場合があります。

こうした初期投資が必要になるタイミングが、資金調達するタイミングになります。

また、”新規事業”に限らなくとも、既存の事業を拡大するときでも同様です。
2店舗目を出店する際や、別の商品を取り扱い始める際なども初期投資として資金調達をするタイミングです。

資金調達の方法

資金調達には、メリット・デメリットがあります。これから代表的な7つの資金調達の方法を紹介していきますが、それぞれにデメリットもあります。

資金調達にはデメリットになる部分があるからこそ、上で書いた「運転資金」「初期投資」のタイミング以外では積極的に活用する必要はないと思います。

借入と出資の違い

資金調達の方法を紹介する前に、借入と出資の違いを簡単におさらいします。

借入(融資)は、”お金を借りる”行為になります。そのため返済期限までに利子を付けて返す必要があります。

出資は、”株式を買ってもらう”行為になります。返済期限はありませんが、出資者は経営権の一部を持った株主(オーナー)となります。

公的融資制度

資金調達で一番始めに検討したいのが公的融資制度です。日本政策金融公庫は名前からも分かるとおり、国が100%出資をする金融機関です。

日本政策金融公庫を利用する最大のメリットは、他の金融機関からの借入と比較して、金利が圧倒的に低いことです。

ドリームゲートでも日本政策金融公庫と提携して特設サイトを開設しています。
https://www.dreamgate.gr.jp/financing/financing/

借入での資金調達を検討する時には、真っ先に検討することをオススメします。

金融機関からの借入

続いて民間金融機関です。一口に民間金融機関といっても、都市銀行、地方銀行、信用金庫(信金)と種類があります。

日本政策金融公庫に比べると劣りますが、借入の中では金利が低い水準で資金調達ができます。まずは普段取引している銀行から検討してみるとよいでしょう。

ドリームゲートでも民間金融機関のそれぞれの特色を簡単に解説していきます。
https://www.dreamgate.gr.jp/contents/manual/m-financing/41165

親族・知人からの借入(または出資)

事業を応援してくれる方が身近にいるならば、親族や知人からの借入も検討してみましょう。親族・知人だからといっても、お金をやり取りするのでトラブルにならないように十分注意しましょう。

借入の契約書を作るときは、ドリームゲートの契約書作成ツールを積極的に活用しましょう。
https://smabi.dreamgate.gr.jp/sb/paper_pack/scenes/78

また借入ではなく、出資者として応援してくれる親族・知人がいればそちらも検討してみましょう。株主になってもらえば、事業の応援団として長期的な関係を築き上げることができます。

新しく株式を発行して株主となって貰う場合には、株式総数引受契約書を取り交わします。
https://smabi.dreamgate.gr.jp/sb/paper_pack/scenes/101

出資して貰う場合は、借入と異なって毎月の返済などはありませんが、株主になってもらうため、気をつけなくてはいけないポイントがあります。それは、「出資比率」と「譲渡」に関してです。詳しくは次項で説明します。

ベンチャーキャピタルからの出資

これから事業を、上場(IPO)も含めて、大きく伸ばしていこうと考えるならば、ベンチャーキャピタル(VC)からの出資も是非検討しましょう。

ベンチャーキャピタルは出資(投資)専門で、出資した企業の株式を将来的に売却して利益を得ることを目的としています。一般的に平均して、5年で5倍~10倍くらいの成長を期待して投資しています。

ベンチャーキャピタルからの出資金額は、ここ10年で大規模になってきており、ドリームゲートが設立された2003年頃は1億円以上の出資を集めるのは珍しいことでしたが、10年後の2013年頃には10億円を超える出資も目に付くようになりました。(フリマアプリを開発運営している株式会社メルカリは2013年の設立から2018年の上場までに総額100億円以上を出資によって資金調達しました。)

出資での資金調達は、借入と異なって毎月の返済などはありませんが、デメリットとも言える、気をつけなくてはいけないポイントがあります。

ひとつは「出資比率」です。自分で会社を設立したときは出資比率100%ですが、出資をしてもらって株主を増やすたびに自分の出資比率は下がっていきます。

出資比率が50%以上ないと、株主総会で自分の議案を通せない可能性が出てきますし、33.3%以上の株主がいれば、議案に対して拒否権の発動ができてしまいます。最悪のケース、自分で作った会社を追い出されて会社を乗っ取られてしまう危険性もあります。

もう一つは「譲渡」です。出資をしてもらって一度株主になったもらった方から、株式を譲渡してもらうには本人の承諾が必要です。万が一、意見が対立してケンカ別れしてしまっても、その方が同意しない限りは株式を譲り受けることができません。借入の場合は全額返済すれば、それで関係を終えることができますが、株主にはそうはできません。

出資の場合は、メリットでもありデメリットでもありますが、出資者との関係性が強固になります。出資を受ける際は、長期的な視点で慎重に相手を選びましょう。

助成金・補助金

助成金・補助金は、借入とも出資とも異なります。国や地方公共団体などが施策に基づいて行う支援制度で、原則として返済不要の資金です。

ドリームゲートでも助成金と補助金の違いを解説しています。
https://www.dreamgate.gr.jp/contents/manual/m-financing/38265

特に補助金の場合は、経済産業省、農林水産省、中小企業庁等の官公庁などで毎年予算枠が決まって公募されるため、年度や時期によって対象となる補助金が様々です。そのため、補助金を検討される際は顧問税理士などに相談して対象となる補助金を調べてもらいましょう。

助成金・補助金のデメリットとしては受給までに時間がかかり、申請をしてから半年から1年かかるものもあります。また補助金や助成金は、基本的に「収入」として扱われますので、法人税においては課税対象となりますので、その点もご注意ください。

クラウドファンディング

クラウドファンディングは日本では2011年からインターネットサービスとして始まった資金調達の方法です。言葉の意味は、群衆(crowd)と資金調達(funding)をかけ合わせた造語で、インターネット上で不特定多数の人から資金調達する仕組みです。

クラウドファンディングには5つの分類があります。
「寄付型」「購入型」「融資型」「ファンド投資型」「株式投資型」です。

ドリームゲートでもクラウドファンディングの種類をコラムで解説しています。
https://www.dreamgate.gr.jp/contents/column/c-financing/50952

クラウドファンディングでの資金調達は一見気軽なように感じますが、借入や出資のときのような専門家ではなく、一般の人を相手にするため、より魅力的でわかりやすい商品・サービスでないと成立しないという難しさもあります。

事業者ローン

資金調達の方法、最後は事業者ローンです。事業者ローンはビジネスローンとも言われ、銀行や信販会社、事業者ローン専門の金融業者などが取り扱っています。

銀行の一般的な借入と、事業者ローンの一番の違いは、審査のスピードです。
日本政策金融公庫や民間金融機関からの借入は、窓口の担当者に書類を提出して、担当者が社内で稟議書を作成し、承認されてやっと融資が実行されます。事業者ローンでは、提出された書類を機械的なスコアリング審査して融資の判断をするため最短即日で融資が実行されます。

デメリットとしては、金利は高くなります。機械的に審査をするので、企業の返済能力について十分な審査を経ないで融資を実行することになるため、貸し出す側のリスクが高くなり仕方がない面はあります。

それでも銀行の事業者ローンでは最大5,000万円まで申し込みができるので、
金利が高いデメリットはありますが、事業資金の調達、つなぎ資金などでまとまった金額を速やかに借入できるメリットがあります。

まとめ

このコラムでは、創業時ではなく、起業数年後の資金調達するタイミングとその方法について紹介してきました。

資金調達は、金融機関や投資家とのやり取り・書類提出などが発生するので、その手間の時間を本業に集中したほうが良いときもあると思います。また、その手間を惜しんで高い金利で借り入れをした結果、毎月の返済が重くなって資金繰りが悪化する例もあります。資金調達にはメリットばかりではなく、デメリットも確かにあります。

必要なタイミングを見越して、必要な金額を資金調達して、会社経営を長く続ける経営者が一人でも増えるように今後もサポートを続けていきたいと思います。

執筆者プロフィール:
ドリームゲートアドバイザー 萩原 崇(FizzBuzz LLC.代表)

東京大学を卒業後、ITベンチャー企業に入社し経営管理グループにて様々な業務経験を積んだ後に独立。フリーランスとしてスタートアップ企業3社の管理部門立ち上げに携わり法人化。
IPO準備企業の上場支援コンサルティングを行う等、実践に基づいた的確なアドバイスやコーチングなどを行う。

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