飲食店開業:人員計画

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
飲食店舗の最重要 課題は、人材です。いい人材をいかに集めるか、いかに育てるか、によってお店の将来が大きく変わってきます。顧客満足を提供するためには、その前に従業員 満足が必要となります。

 

パートナーの必要性

 お店を経営していくには、調理場の責任者や店舗のマネージャーなど経営者と同じ気持ちを持ったパートナーが必要です。人間はすべての能力を持ち合わ せた人は少ないようです。

 実際に、お店をオープンしてから自分の能力の限界を知った経営者は多いようです。        
 
 自分ですべてができると思い 込んで開業をしたが、最初のうちは順調だった売り上げがしだいに伸びなくなり、新メニューでお客様を掘り起こそうとメニューづくりを考えるが、なかなかメ ニューが考えられない。売り上げが落ちだしてから次のメニューを考えているようでは、お客様は来てくれません。自分に足りない能力はパートナーで補うこと です。それが料理長なのかマネージャーなのか、自分に足りないものを持っている「人」を、開業を考えるときに「経営資源」の1つである「ヒト」を抑えてお かなければならないのです。

 店舗をつくり上げ、多店舗展開をしてきた経営者が次の展開をしていく時に相談相手となる「人」を求めることがあります。これには「コンサルタン ト」「コーチング」「メンタリング」と言われるアウトソーシング的な専門の会社がありますが、これもいわゆる「パートナー」としての役割を満たしてくれま す。

 

人を育てる

 従業員やアルバイトはいつまでも居るわけではありません。そのため人が代わる度に教育をしなくてはなりません。教育には時間やお金が掛かりますの で、できる限り長く働いてもらった方が賢明です。チェーン店では時給に限度があり、アルバイトは2年程度で変えていくようなシステムもありますが、個人店 ではなるべく長く働いてもらった方が得策です。

 お店の「顔」はいつも同じであることが望ましく、小さなお店ほどお客様は「人」に付いてくるようです。また、時間を掛けて教育をしてきたことでそ の人の人間形成にも大きく役立つことになります。学生時代に飲食店でアルバイトをしながら卒業して、社長になられた方はたくさんいらっしゃいます。

 

なぜ人が集まらないのか

 飲食店には「人」が集まりにくいようですが、一昔前の3K(きつい、汚い、危険)はもうどこにもありません。しかし、体力的にきついことは確か で、いまだに労働集約型の典型的な業種です。すべてのオペレーションに「人」が直接動くことになります。大手チェーンには人が集まります。給料や待遇面で はかないませんが、個人経営者の個性やお店のコンセプトなど「一緒にやってみたい」と思わせることは必ずあるのではないでしょうか。実際に、時給は安いが 経営者に惚れ込んで社員やアルバイトになる人はたくさんいます。そんな心意気やお店のビジョンなどを前面に押し出し、一緒に働くことで何が学べるのか、何 が得られるのかを伝えることが重要なポイントとなります。

 

能力を見極める

 人にはそれぞれ魅力があると思います。飲食店の人材に求められる能力は接客力ですが、その内容は知識や経験も必要です。人に対するやさしい思いや りの心、礼儀や言葉使い、目上の人に対する尊敬や感謝などが接客する上で基本的な要素になります。

 人材募集の面接の時点でこれら の要素を持ち備えている人、そしてその人の魅力を見極めることのできる力が、面接の担当者には必要です。面接を担当する人は経営者自らの場合が多いと思い ますが、面談者の能力を見た目で判断することは至難のわざとなります。

 この時点では、いくつかの質問を用意しておき、そのなかで これらの基本的な要素を見抜くことが上手な面接方法です。将来の自分の夢や、家族構成、親とどんな会話をするのか、人に親切にすることが好きか、人を楽し ませることが好きかなど、会話のなかから言葉使い、視線、会話の間、身だしなみ、姿勢、素養などしっかりと見極めることです。

 

どんな人材を求めるのか

 「人」を募集するに当たり、お店として、会社としてどんな人材を求めるのかをはっきりとさせ、その人の能力を最大限に引き出せる仕事を与えなけれ ばなりません。また、与えた仕事以上の能力を備えた人材は必ずそれ以上の仕事を求めて、他店へと移ることになりかねません。仕事に会った人材を求めれば、 その人材の能力以上の仕事を常に与えていくことが上司や経営者の使命となります。仕事の「やりがい」は自身の能力以上の仕事を達成していく過程にありま す。

 人材を募集するには、募集広告や人材紹介など有料広告による募集が多くなりましたが、求める仕事の内容を明確にさせ、段階的な教育システムを構築 し、少ない人材をいかに磨いていくかは、受け入れるお店側です。しっかりとした教育計画を準備しておくことが大切ではないでしょうか?

 

身内が従業員の場合

  「パパ&ママストア」と言われる夫婦で働くお店がとても多いようですが、この場合は最初に十分な話し合いが必要です。お互いのポジションや給料 面、お店のポリシーや接客方針など事前に決めておくことが大切です。できたら書面にしておくとトラブルが発生したときに、お互いに確認しながら修正してい くことができます。

 お店では「パパ」ではなく「店長」「マスター」として、家族は「従業員」としての関係や現場での「呼び方」なども決めておくとよいでしょう。ま た、労働時間や給与面も基本的には明確にしておくことをお勧めします。売り上げがよい時にはすべてがうまくいきますが、悪くなってくるとすべてがうまくい かなくなってきます。              

 家族の間でも、ルールを作り守っていくことが長く続けていく秘訣となります。また、「ツーカー」の関係でうまくいく場合もありますが、感情が入っ てくるとお客様の前や従業員の前などで見境がなくなる場合もありますので、十分に気をつけましょう。

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