第4回 未経験でも参入できる。数字で見る学習塾の市場。

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

業界未経験から教育業界へ

 今から8年前、私は異業種から全く未経験の教育業界に身を投じました。前職では外食業界で勤務していましたが、そこでアルバイトの大学生、高校生と接する度に、「自主的に何かを考え、実行することができない。目標も何もない」といった学生を多く見てきました。
 その状況を見る度に、「自分で何か目標を立て、それを実行する。そして結果検証して次に臨むといったこと自体を教育されていないことが一番の問題。そういったことを早い段階から教えていくことが必要ではないか」と思うようになりました。
 そしてその想いを遂げるために教育業界で働きたい、そして少しでも子どもたちに目標を持って勉強、部活動などすることがいかに重要か伝えていきたいと思ったことが未経験の教育業界へ身を投じることになった大きな理由です。

 私が教育業界に身を投じて勤務した塾は、個別指導塾の中でも真ん中に先生が座り、両サイドの生徒さんを教えていく形態でした。先生が教壇に立って10名~20名の生徒を教える集合塾とはまったく異なるものです。
 個別指導塾で働きたいと思った理由は、これまでの塾とは違いひとりひとりの目標や現状に合わせた授業ができる、そしてそのような形態の授業であれば、自分自身の想いもより遂げることができるとも思ったためです。
 
 実際、始めてみてわかったことが4つあります。
 1.個別指導塾は授業自体講師が教えるので、自分は直接授業を行う必要が全くありません。もちろん講師へ指示を出したり、保護者、生徒と面談をしたりといった業務があるので、入試、教務知識は蓄えていかないといけませんが、そこは学習塾から始まっている個別指導塾であればノウハウもあり、何をやればよいのかというのは明確であったので、慣れてくるにつれ不安は解消されていきました。

 2.利益率が高いことにも驚きました。以前在職していた飲食業の場合は、売上から原価、人件費を差し引き、そこから家賃、光熱費等を引くとよくても営業利益率は10%前後でした。ただ、学習塾の場合は、原価がかからないことから営業利益率は30%程度まで上がること、また会員制ビジネスで前納制のため、資金繰りもしやすいこと、生徒の来る時間帯も決まっており、そこに講師を配置すれば良いことから無駄な人件費が発生しないことなど利益率が高くなる仕組みがありました。

 3.やりがい。生徒や保護者が「この塾に出会えてよかった」「みなさんのおかげで志望校に合格しました」「この塾に入れたことで人生が変わった」
このような言葉をダイレクトにいただける機会に何度も出会うことができました。

 4.業界が安定成長していること。
少子化のため、業界としては縮小傾向と思っておりましたが、実際は成長していました。理由として、子供の数は減少しているものの一人っ子家庭が増えていることもあり、子ども1人当たりにかける教育費用が増大しています。実際にデータを見てみましょう。

数字で見る教育市場

◆全国の在学者数(文部科学省「学校基本調査」より)

  平成11年 平成16年 平成21年 10年間で
小学生 750万人 720万人 706万人 94%に
中学生 424万人 366万人 360万人 85%に
高校生 421万人 372万人 335万人 80%に
専修学校 75万人 79万人 62万人 83%に
合 計 1,670万人 1,537万人 1,463万人 88%に

◆学習塾費用平均(文部科学省「子どもの学習費調査」より)

  平成12年 平成18年 6年間で
公立小学生 119千円 142千円 119%に
公立中学生 214千円 246千円 115%に
私立中学生 198千円 221千円 112%に
公立高校生 179千円 224千円 125%に
私立高校生 235千円 337千円 143%に

◆通塾率(文部科学省「子どもの学校外での学習活動に関する実態調査」より)

小学生 1年:15.9%  2年:19.3%  3年:21.4%
4年:26.2%  5年:33.3%  6年:37.8%
中学生 1年:45.1%  2年:50.9%  3年:65.2% 高校生 全学年平均約20%

◆小中高生の学習塾受講生数(経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」より)

平成16年 平成22年 6年間で
944万人 1,104万人 117%に

◆学習塾全体売上高(学習塾白書(私塾界)の調査)

平成16年 平成22年 6年間で
10,210億円 12,631億円 123%に

◆個別指導塾の売上高(学習塾白書(私塾界)の調査)

平成16年 平成22年 6年間で
3,430億円 5,115億円 149%に

◆学習塾事業所数(総務省「事業所・企業統計」より)

平成3年 平成18年 15年間で
45,856事業所 51,625事業所 113%に

少子化は進んでいるが、その分各家庭での子どもに対する教育は熱心に! (教育費・通塾率の増加)
 ⇒ 市場は安定増加傾向 ⇒ 塾の数は減らない ⇒ 競争激化の時代に突入

学習塾経営の魅力

 実際経営してみて感じられる事だと思いますが、「生徒さんが目標をなかなか持ってくれない、やる気を出してくれない」「保護者の方になかなかこちらの取り組みを理解してもらえない」といったこともあり、悩むことも多々あります。成績が思うように上がらず退室される保護者もいらっしゃれば、講師が思いとおりに動いてくれなかったりする悩みもあります。
 しかし、こういった悩みと正面から向き合い、それらがクリアできたとき、保護者、生徒、講師から教室長は感謝され、そしてやりがいを感じることができます。結果として、生徒さんも集まり教室の業績が良くなるという喜びもあります。
 独立開業をお考えの方は、未経験からでも始められ自分自身の人生経験が活かせる、高収益、やりがい、安定成長の4つがそろった教育ビジネスについても検討してみてはいかがでしょうか。
 

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