ネットショップ成功法 Vol.2 ネットショップ成功のポイント。競合、発信力、小さな心配り、業界動向

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

■競合の多さは抜け出しやすさを意味する

ネットショップは大きな設備投資がいらず、カタログ通販のような大量の印刷物をつくる必要もないため、記念出店者が着実に増加しています。2010年の経済産業省の発表によれば現在の市場規模は8.5兆円、年々10%近い成長率で拡大し続けています。

ネットショップは参入のしやすさに比べて成果を出すのがとても難しく、価格競争に巻き込まれたり、薄利での販売をせざるをえない状況に陥ることになったり、また、ネットショップでの買い物に慣れてきた消費者の目が厳しくなったりします。ネットショップを出店したものの、実績が上がらないまま撤退していくショップが数多く見受けられるのが実情なのです。

しかし、消費者の目が厳しく多くのショップが実績を上げられない状況は、裏を返せば、消費者の評価を多く勝ち取れば売上を伸ばせる可能性を十分に秘めているといえます。

お客様に評価してもらい、リピーターとなっていただくためには、固定客をつなぎとめるさまざまな手を打たなければなりません。

その点でいいますと、ネットショップという販売形態は大量の情報を発信できるため、お客様と双方向でのコミュニケーションをとることに適しています。

ネットならではの特徴を活かして、やるべきことをきっちりやっていけば着実に売上を伸ばすことができます。

■お客様の心をつかんで離さないリアルタイムの発信力

例えば、果物の「梨」を販売するとします。

梨には、手間をかけずに果実を大きく実らせるために、ジベレリンというホルモン剤が使用されるのが一般的です。しかし、自然に育てた梨と食べ比べをすれば、どうしても味が落ちてしまいます。そこを逆手にとり、ジベレリンを使用せずに栽培していることは大きな「売り」になります。つまり、「美味しい梨をお客様にお届けするために、手間暇をかけて育てあげました。」ということをアピールできるのです。

どのように商材がつくられているかについて、お客様は高い関心をもっています。

熱心なお客様はさまざまなネットショップで店舗の姿勢を見比べています。商材についてくわしく熱心に説明することで得られる評価があります。また、熱心なお客様ほど、クチコミのリーダーとなって情報を広げてくれます。

予約を受け付けることができる商品において、その経過情報等をブログなどでリアルタイムに発信することは、お客様の興味を引きつけことに有効な方法です。

予約販売の商品では、注文をしてから商品が届くまでの時間、お客様を待たせることになります。

その間を利用して、情報をメールで報告したり、店舗のページにアップしておしらせすることで、待つ時間をお客様の楽しみに変えることもできます。

■ネットショップならではの細やかな情報

商品について多くの情報を提供できることがネットショップの大きな特長です。

商材にはそれぞれ特徴があり、詳細な情報をお客様は望んでいます。

リアル店舗でも積極的な接客が控えられているケースがあったり、カタログ通販でも情報量が限られています。詳しい情報が必要であるにもかかわらず消費者が価格以外の情報を十分に吟味できずに購入しなくてはならないケースがあります。

消費者の商品に対する関心はリアル店舗と同様にあります。

圧倒的な情報量を提供することができるネットショップが、商品の作り手とお客様が対面する場をつくっているということを意識してネットショップを運営することにより、さらにお客様に近づいた接客をすることができます。

購入に必要な情報を丁寧におしらせするということは、お客様への親切心でもあり、ネットショップ運営者が果たすべき責任でもあります。

ネットショップで発信することができる大量情報は、リアル店舗ではなかなか伝えることが難しいです。

お客様はさまざまな情報を総合的に判断して価格を評価します。単純に安さを訴えるだけではなく、価格を適正に評価してもらうための情報をわかりやすく発信することが重要なのです。

■小さな心配りがお客様の「満足」と「不満」を分ける

商材の品質やデザインが良く、価格がお手頃であることが、お客様の満足を得ることの基本であるのはいうまでもありません。どの店舗も他社に負けないように努力しているはずです。

他社に勝つためには、お客様への更なる細やかな配慮が必要です。商材によってさまざまなポイントがありますが、お客様に「気が利いている」と思って頂ける配慮を常に考えてみましょう。例をあげますと、「おせち料理」をネットショップ で販売する場合には「祝い箸」があげられます。届いた商品を開けたときに「祝い箸」がついていることでお客様に気が利いていると思って頂けます。

しかし、祝い箸を付けさえすれば喜ばれるかというと、実はそこに大きな落とし穴があります。せっかくの心配りも、それを告知しなければ、かえって不満がでることがあるのです。

祝い箸についての情報を商品ページに記載されていない場合、「商品に箸は付いてくるの?」「自分で用意しないといけないの?」と、どうしたらよいかわかりません。

お客様自身で箸を買ってきたのに、商品を開けてみたら祝い箸が入っている…。

このような場合、お客様は損をした気分になるでしょう。

このような小さなストレスや不満が店舗や商品の評判を落とす原因になってしまうのです。

このように、お客様に必要な情報は必ずページに告知することが大切です。しかも何度か繰り返して告知するべきです。ページの情報量が多いと、小さな告知は見落とされる恐れがありますし、ネットショップの場合、繰り返して告知してもそれほどわずらわしくなりません。どんなきっかけで不満が芽生えるかわかりませんので、徹底してお客様目線のお店づくりをしているかどうかが大切なのです。

とはいえ、心配りを尽くしても、完全にお客様の不満をなくすのは不可能に近い話です。お客様の小さな不満が大きな失望に育たないように、苦情や不満の対応窓口を設けることも大切でしょう。

■これからのネットショップの動向

さて、最近のネットショップではスマートフォンからの購入率が高まってきています。楽天の三木谷社長は第2四半期決算発表で、「われわれの流通総額の4分の1がモバイル経由のもので、そのうち半分以上がスマートフォン経由だ。スマートフォンは著しく急激な勢いで成長している。3年以内にはスマートフォン経由の流通総額が全体の50パーセントを超えてくるのではないかと思う」と言っています。

また、楽天カンファレンスの発表では、楽天のスマートフォン経由の売上は2010年4月から2012年4月の2年間で約42倍になっていると発表しています。

最近のネットショップの改善施策として、PCで見られるサイトへの施策よりも、スマートフォンで見られるサイトやページの修正や購入導線の見直しを優先するほうが、売上増に直結することが多々出てくるようになりました。

ネットショップ運営で大切なことは、常に情報に敏感であることと、すぐに行動に移すことです。さまざまな情報を取り入れ、そして思い立ったらすぐに実行してデータを検証し、成功しそうな箇所に力を注ぐ。

ネットショップの大きな利点の一つは、実践した施策の結果を正確なデータをもとに自分で検証できることです。

仮説を立て実行し検証する。この繰り返しができる店舗が今後のネットショップでの成功を掴むことでしょう。

日々の努力の積み重ねがお客様に信頼される店舗づくりに繋がります。

私自身も常に初心者のつもりで挑戦し、皆様と切磋琢磨しながら業界の発展に尽力していきたいと考えています。

バックナンバー

ネットショップ成功法 Vol.1 「ネットショップを輝かせるには」

ネットショップ成功法 Vol.2 「ネットショップ成功のポイント。競合、発信力、小さな心配り、業界動向」

 

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