価格競争の沼から抜け出てラクに売る3つの方法

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: 西尾 英樹

私は、商品価格を3倍上げても成約率を上げる、商品を変えずに「魅せ方」を変えるだけでヒット商品を送り出す「ビジネスデザイン」の専門家として、商品価値の言語化・単価アップのマーケティング支援を行っています。どうしたらいまある商品の価格を上げることができるか、値上げをしても買ってもらえるか、というお悩みが多く寄せられています。

「少しでも安く買いたい」これは消費者にとって当然の心理です。

だからといって、中小企業やベンチャー企業が大企業と価格競争をして勝ち残ることができるでしょうか?

もちろん、価格優位性が出せる会社はあるでしょうし、その場合は安さで勝負したほうが売れやすいので価格競争で勝てば良いと思います。

しかし、多くの会社は、価格競争をしてしまったら利益が残らず疲弊してしまうから値下げはしたくないと考えているのではないでしょうか。

では、どうしたら価格競争から抜け出せるのか。これを考えていきたいと思います。

お客は本当に価格で選んでいるのか?

まず皆さんに前提として押さえていてほしいのは、お客様の「少しでも安く買いたい」という心理の奥側です。気を付けていただきたいのは、お客様は商品を価格の安さだけで選んではいない、ということです。

例えば、「自動車を買おう」という時に中古の一番安い軽自動車しか売れないか?というと、答えはノーですよね。中古の普通自動車や高級車も売れますし、新車の自動車も売れます。

つまり、自動車が欲しい見込み客のうち、安い自動車ならなんでもいいという人はごく一部の人であり、多くの消費者は価格以外でも比較をしています。そして最終的に、見込み客の人にとって一番お買い得な商品と思った商品を購入しているということです。

つまり、消費者は様々な価値観の中で商品を吟味し、その価値観に合うものの商品のなかで、一番価格の安いものを買っているわけです。

だからこそ、「少しでも安く買いたい」を具体的に表現すると。

「同じ価値なら、少しでも安いほうを買いたい」というのが消費者の本音であることがわかりますね。

価値とは、商品を買うことでお客様が手にする未来・メリットですから、そこが違うのであれば、むしろ他の商品と価格競争をする必要がありません。しかし、残念ながら価格競争に巻き込まれている会社が多数存在します。

その原因は何かというと、

本当は違う「価値」が、同じに見えているからです。

売り手のあなたが、「この商品は他とは全然違うんだ!」とどんなに強く思っていたとしても、その違いが見込み客に伝わらなければ意味がありません。人はエスパーではありませんから、言葉で相手に伝わるように表現しなければいけません。

では、どのように違いを伝えれば、価格競争に巻き込まれなくなれるのでしょうか?ここでは、価格競争の沼から抜け出てラクになる3つの方法についてお伝えします。

【無料で完成】事業計画書作成ツール
累計8万人が利用!質問に答えるだけで「事業計画書・数値計画書」が完成
⇒事業計画書作成ツールを無料で利用してみる

  • 日本政策金融公庫の創業計画書も作成でき、融資申請に利用できる。
  • 業種別にあなたの事業計画の安全率を判定
  • ブラウザに一時保存可能。すべて無料
⇒事業計画書作成ツールを無料で利用してみる

価格競争の沼から抜け出てラクになる3つの方法

3つの方法とは

  • 方法1 ターゲットを変える
  • 方法2 比較対象を変える
  • 方法3 相対価値を伝える

のです。ひとつずつ解説していきましょう。

方法1、ターゲットを変える

ひとつめは、あなたの商品のメインターゲットを変えるという発想です。あなたの商品を買うお金や時間がある見込み客、より悩みの深い見込み客向けに商品を提供するという視点を持つことが大切です。

 

例えば、あなたがエステ商品を販売する場合、30代で乳幼児の子供がいる主婦向けに商品を売っていたとしたら、なかなか売れませんよね。理由は毎日育児で忙しく、また子供にお金がかかるため、お母さんはあまり自分磨きに投資をしてくれません。

この場合、子育てがひと段落して自分の時間が持てるようになる40代後半から50代前半にターゲットを変えると、商品が売れやすくなりますね。

この時、注意してほしいのは、ターゲットが変わればニーズが変わるということ。同じ商品でも年齢・性別でニーズが変わりますから、同じキャッチコピーでは売れません。もしここのニーズをもっと知りたい方は、私の前回のコラムを確認してください。

もう一つの視点は、「悩みの深い人をターゲットにする」というものです。

例えば、エステをご褒美として打ち出すと、時間とお金に余裕のある人しか集まりませんが、美容や健康などの「痛み・悩み」に訴求すると見込み客の数が一気に増えます。快楽の訴求よりも、痛みの訴求の方が見込み客は購買意欲がわきますから、あなたの商品を買ってほしい見込み客がいま何で困っていて、何で悩んでいるか、もう一度深く考えて言語化することをお勧めします。

方法2、比較対象を変える

これは、見込み客が比較する商品を変えてもらうという発想です。

例えば、あなたがダイエットサプリを取り扱っていると仮定します。あなたのサプリは800円で、大手のサプリは500円で販売されているとすると、あなたのサプリが高く見えてしまいます。

では仮に、あなたの提供しているサプリメントは、ダイエット効果だけでなく整腸作用もあるとしたら、どうやって表現したらよいかを考えてみましょう。

今回の場合、ダイエットサプリとの比較だけではなく、整腸サプリとしての効果も比較できますから、ダイエットサプリと整腸サプリを買った場合の価格と、自社のサプリの価格を比較できます。

・ライバル商品を買った場合

⇒ダイエットサプリ500円、整腸サプリ500円の合計1000円

・あなたの商品を買った場合

⇒ダイエットと整腸が一つになったサプリで800円

これなら安く見えるようになりますね。商品を競合他社よりも高く売りたいのであれば、競合他社と何が違うのかを言語化し、その上で、他社製品を組み合わせて購入した場合と、自社の商品1つを買った場合で価格を比較するだけでも、価値の見え方が変わるはずです。

同じ発想で、時間や手間の違いも打ち出せます。ライバル商品を購入した場合にかかる時間や手間(2つのサプリを買って飲む時間や手間)と、自社の商品を買った場合(これだけで足りる)とで比較すれば、あなたの商品の優位性は伝わるようになりますね。

方法3、相対価値を伝える

相対価値とは簡単に言うと「ライバル商品との違い」ということです。この違いが見込み客に伝わらなければ、価格で比較されてしまいますから、一つでも多くこの違いを言語化して見込み客に伝えていくようにしましょう。

その相対価値を考える上で気を付けてほしいのは「特徴ではない」ということです。

特徴は面白みなだけで、買う理由にはなりません。差別化の方法はこれだけで本が1冊書けるぐらいの内容になるので一旦割愛しますが、ここで押さえてほしいのは、以下の5点です。

  1. 時間の差
  2. 成果の差
  3. 手軽さの差
  4. 再現性の差
  5. 持続性の差

これらを伝えていくだけでも、見込み客に魅力は十分伝わります。

①時間の差

ライバル商品を買って効果が得られるまでの時間と、あなたの商品を買って効果が得られるまでの時間の違いはありませんか?

②成果の差

ライバル商品と比較をしたときに、あなたの商品の方が成果・効果がでるポイントはありませんか?ダイエットなどでも、同じ3ヶ月のダイエットでも、マイナス5キロよりマイナス10キロ瘦せられる商品の方が魅力的です。

③手軽さの差

ライバルの商品を買うよりも、簡単に理想が手に入るというポイントはありませんか?同じ3ヶ月で5キロ痩せるダイエットでも、毎日3時間頑張るダイエットより、毎日30分でいいダイエットの方が欲しくなりますよね。

④再現性の差

成功確率10%の商品は誰も買いたくありません。どのくらいの成功確率なのか?ライバルよりも高い成功確率や、高い満足度、高いリピート率など、興味を引く差を数値化してみましょう。

⑤持続性の差

翌月にはリバウンドしてしまうダイエットより、あなたの商品をやめても効果が持続するダイエットの方がより魅力的です。例えば、プログラム終了後も自分たちでできるようになる!というのもウリになります。

いますぐ戦略を立て直し、価格競争の沼から抜け出よう

以上が価格競争の沼から抜け出てラクになる3つの方法です。

一つ一つの方法は奥が深く、あなたのおかれている状況やライバル商品の状態、ターゲット顧客の属性によって変化することはありますが、大枠としてはこの発想をベースに戦略を立てることをお勧めします。

ただ、企画を進める中でもし分からないこと、不明点がありましたら遠慮なくご相談ください。喜んで相談をお受けいたします!

執筆者プロフィール:
ドリームゲートアドバイザー 西尾 英樹(にしお ひでき) /価格を上げても売れる!単価UP・Webマーケティング・提案営業の専門家【株式会社プレジャーデサイン】

商品価格を3倍上げても成約率を上げる!商品を変えずに「魅せ方」を変えるだけでヒット商品を送り出す“ビジネスデザイン”の専門家。著書『マンガ 見せるだけで売れる!最強営業術』はAmazon1位を獲得。

プロフィール | 無料オンライン相談受付中

ドリームゲートアドバイザー 西尾 英樹(にしお ひでき)

この著者の記事を見る

起業、経営ノウハウが詰まったツールのすべてが、
ここにあります。

無料で始める