Vol.2「パワポ利用を最小限に!プレゼン資料作成の段取り」

営業・マーケティング

執筆者: ドリームゲート事務局

photo credit: NASA Goddard Space Flight Center via flickr cc

みなさまこんにちは。プレゼン資料コンサルタントの奥秋和歌子です。全3回でお届けする「外資系コンサルティング等で30万枚以上の資料作成経験者による、プレゼンを成功させるパワポ資料作成のコツ」、第2回目のテーマは「パワポ利用を最小限に!プレゼン資料作成の段取り」です。

どうして「パワポ残業」が発生するのか?

プレゼン資料作成をしよう!というと、多くの方が「パワポで資料をせっせと作成する」ことを想像されます。いつもそうしているというあなた、もしかして「パワポ作成」が目的になっていませんか?
しかし、それではなかなか効率よく資料を作成することはできません。本質に立ち返ってみましょう。プレゼン資料作成の目的は「資料を作成すること」ではなく、「ゴールを達成するプレゼンの支援を、資料を通じて行うこと」なのです。

ふんわりした状態でパワポを起動、とりあえず会社のいつもの資料を開く。そこから何を作るか悩んでいるうちに、あっという間に定時が過ぎ、残業時間に突入するけれど、なかなか内容が決まらない。作っているうちに細かいところが気になって修正、気づいたら終電近くなっている・・・こうしてパワポ残業が生まれてしまうのです。

言われた通りに、しかも自分なりに工夫したのに、ダメ出しされる

一生懸命プレゼン資料を作成して、上司に見せてみたらこんな風に言われてしまった。そんな経験お持ちではないでしょうか。
「ダメ、全然ダメ。やり直し」
「これで伝わると思う?」
「で、何が言いたいの?」
・・・あんなに遅い時間まで頑張ったのに!どうして!

実は、この理由はプレゼン資料作成を依頼されたときにほぼ見えているのです。

上司から依頼を受けたときを振り返ってみましょう。ここでは「調査結果をまとめる」という例で考えてみましょう。
上司「○○の調査結果をまとめて資料にしてもらえる?」
自分「わかりました」

この流れでは「結果をまとめてレポートすればいいだろう」と考えることでしょう。そして、各種データを集めて、エクセルを駆使して表やグラフにまとめて、残業して大量にパワポに貼り付けて提出する。「しっかりと言われたことはやり遂げた、むしろよく頑張ったとほめてほしいよなぁ」くらいに感じるかもしれません。

しかし、上司からは「何がいいたいの?」と言われてしまう。なぜそのようなことが起きるのでしょうか。

調査には必ず目的があります。調査結果をまとめるということは、その結果から何らかの答えを導き出したいのです。例えば、「A案B案2つのうち、どちらを採用するのか、あるいはしないのか」「商品を市場に投入する時期を決める」「ユーザーニーズを把握して商品パッケージや味の方向性を決める」、そういった何かの意思決定に対する判断材料として調査を行っているのです。

単純に結果を表にまとめるだけでは、判断の材料としては乏しい場合が多いのです。100個の質問に対する答えを100ページ以上にわたり羅列したレポートを渡されても、「で、どうしたらいいの?」となるわけです。

つまり、上司が欲しいのは100ページのレポートではなく、意思決定に対する判断材料です。例えば「A案とB案2つのうち、どちらを採用するのか」ということであれば、「それぞれの案を採用したときのメリット・デメリット」等を調査結果から導き出すべきでしょう。また、調査結果からそれが明らかな場合は「A案(あるいはB案)を採用すべき、その理由」をまとめると良いでしょう。

上司から依頼を受ける際に立ち戻ってみましょう。
上司「○○の調査結果をまとめて資料にしてもらえる?」
自分「はい、今回の調査結果から判断したいことを確認させてください。○○○○といったことでよろしいでしょうか」
というように、しっかりと「目的」を確認して、その目的を達成する資料を作成することで「で、何が言いたいの?」等と言われることは回避できるようになるはずです。

どんな段取りを踏めばいい?

短時間で、目的達成できる資料を作成するための3ステップ」をご紹介します。
(1) シナリオを作成する
(2) データを集める
(3) PCで資料を作成する

「A案B案のうち、いずれかを採用するかどうかを調査結果から判断する」ための資料作成の場合は、以下のように進行します。

(1) シナリオを作成する

最初に、プレゼンの全体の流れである「シナリオ」を作成します。PCに向かわずに紙とペンを使うことが重要です。

今回のように「調査結果をまとめる」場合、以下のようなシナリオが想定されます。
① 目的とゴール
② 調査結果から導き出されたこと(結論)
③ A案、B案それぞれのメリット・デメリット
④ まとめ
⑤ 参考資料としての、調査結果 抜粋

紙とペンを使ってシナリオの骨子を作成する際には、「16分割メモの活用」をお勧めしています。16分割、すなわち「小さいスライド」の作り方をご紹介します。

☆16分割メモの活用
A4の白紙を1枚用意します。下記の図の要領で紙を半分に折って、さらに半分に折って・・・を4回繰り返して紙を広げます。小さい16個のマス目により、1枚の紙を16枚の小さいスライドに見立てることができます。

(図)16分割メモ=小さいスライドのつくりかた

16分割メモを広げて、左上のマスを1ページ目、右隣を2ページ目・・・と使います。

16分割メモ=小さいスライドの目線の流れ

16分割メモの1つずつのマス目に、スライドのタイトルを書きこみます。タイトルを書きこんだら、次にそれぞれのマス目の中に、スライドで伝えたい内容をざっくり書き込みます。ざっくり、短い言葉で伝えたい内容を表現します。

(図)16分割メモ=小さいスライドの実際の利用方法

この時点で、一度全体の流れを確認します。資料作成にあたっての目的は達成されているか? 求められる要素は含まれているか? 客観性は担保されているか? 等の視点で見ていくと良いでしょう。シナリオが確定したら、その内容からぶれることなく資料の内容を補強していきましょう。

この16分割メモは、小さいスライド作成時だけでなく「アイデアを発散させるとき」等にも有効です。例えば、自己紹介をしたいときに、思いつくままに16分割メモに「キーワード」を書きこんでいき(発散)、現れたキーワードから取捨選択していく(収束)というプロセス等にも活用できます。

(2) データを集める

(1)でシナリオができたら、それぞれのスライドの内容を明らかにしていきます。16分割メモを活用している場合は、ざっくりと内容が記載されています。この内容を補強するために必要なデータを集めます。

調査結果から導き出されたことを書く場合であれば、その結果を裏付けるデータを抽出します。メリット・デメリットを記載する場合も同様に、事実を記載し、自分の主観を入れないことが大切です。

この時点ではまだパワポは開きません。

(3) PCで資料を作成する

シナリオと、各スライドの内容が決定した段階で、初めてパワポを起動します。作る内容が決まっているので、パワポに向かう時間を最小化できるのと同時に、目的に合致したプレゼン資料を短時間で作成することが可能になります。

この手順を踏むことで、これまでよりも圧倒的にパワポに向かう時間も、トータルの作業時間も短縮され、かつ目的に合致した資料があなたの手元に残っていることでしょう。

プレゼン資料作成のツボとコツをもっと知りたい方へ

次回はVol.3「一目置かれる!プレゼン資料作成テクニック」をテーマにお伝えします。どうぞお楽しみに!

なお、今回のコラムの内容を含めた書籍「プレゼン資料作成のツボとコツがゼッタイにわかる本(秀和システム)」を2015年3月に上梓いたしました。よろしければそちらもお手に取っていただけたらうれしいです!

バックナンバー

Vol.1「プレゼン資料作成の役割を知る」

Vol.2「パワポ利用を最小限に!プレゼン資料作成の段取り」

Vol.3「一目置かれる!プレゼン資料作成テクニック」

 

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