起業の心得:ゲンイチ第85回 約束をカタチにする

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

吉田は51才になりますが、今まで騙されたことがないように思います。鈍感だから騙されているのに気が付かなかっただけかも知れません(笑)。でも本人はそう思っています。若いときに友人にお金を貸して、返ってこなかったことが2度ありますが、少なくとも最初から僕を騙すつもりはなかったと思います。結果的に友人とお金、両方を失うことになるのですが、これは彼らの問題でなくて、僕にその原因がありました。

最初から僕を騙そうと近づいてきた人はいないと思います。いたのかも知れませんが、これも先ほどと同様で、僕が鈍感で気付いていないだけなのかもしれません(笑)。
消費者を相手にした詐欺商法や今話題のリフォーム詐欺、古くは豊田商事事件もありました。これらは言語道断で、100%騙す方が悪いです。そして犯罪です。しかし、ビジネスはプロ対プロの取引ですから、騙される側にも責任があります。クーリングオフはありません。

「騙された」っていう人の共通点をいくつか考えてみました。
まず、トラブルの内容ですが、投資とか、コンサルティング、共同研究・開発、アライアンスなど、モノの売買でなく、目に見えない取引の場合が多いです。そして「騙した」とされる人に話を聞くと、これもほとんどが「騙した」という認識がありません(笑)。「え、そんなこと言っているのですか?」って、話は180度食い違っています。これはお互いの認識にズレがあったということです。
そして、騙された人の多くが「私はお人好しで…」って言います。確かにそうなんでしょうが、そういう人に限って依存心の強い人だったりします。

そして、騙される人の最大の弱点は「欲張り」ということです。自分に都合のいいように取引を解釈してしまうのです。

「人を見たら泥棒と思え」って諺がありますが、僕はその反対で「どんな人も受入れたい」と思っています。その力が欲しいと思っています。でも、騙されたことはない…。ビジネスの世界では人を信用するってことと、自己責任は別ものなんです。僕は取引する相手を信じています。しかし、お互いどんなことが起こるか分からない。だから、信用をより強力なものにする為に契約書や覚書を交わして、お互いの認識にズレがないか、細部に至るまで文章化し、定量化して、確認し合い、想定されるトラブルや事故に対する対処を最初から盛り込んで約束します。それが契約です。決して信用してないからではありません。

「信用しているから、口約束でOK」っていうのはビジネスにおいては怠慢でしかないです。特に起業して間もない人は取引関係では常に弱者です(でも、ないのですが…)。だからこそ、しっかり契約書を交わして、ビジネスしましょう。契約書を交わす前にフライングして仕事をしてはダメです。ほとんどのトラブルはここが原因で起こります。

「起業したての僕らに契約書なんか交わしてくれないよ」っていう人がいるかも知れませんが、それは間違いです。相手は「偉そうなことを言うヤツだな~」って思うと同時に「コイツはしっかりしている」とも評価します。何度も言いますが、信用してないのではないです。信用してるから、一緒に仕事をしたいからこそきっちり約束をする。そしてその約束を形にするのが契約です。

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