小規模事業者持続化補助金3000件以上を審査した「元・審査員」が教える採択の秘訣とは

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: 木村 俊彦

初めまして、ドリームゲートアドバイザーの木村俊彦です。

私は現在、企業の経営改善計画とBCP(事業継続計画)策定支援をメインとして活動しております。そして、昨年度まで「ものづくり補助金」「小規模事業者持続化補助金」の審査員を務めておりました。「ものづくり補助金」は2013年度開始当初から10年間、同じく「小規模事業者持続化補助金」は2014度開始当初から9年間、審査員として携わってきました。

特に「小規模事業者持続化補助金」は9年間で3000件以上の申請書を審査してきましたのでどんな申請書が通りやすいのかを十分熟知しています。

そこでこれからみなさんに“小規模事業者持続化補助金「元・審査員」が教える申請のコツ”と銘打って、多くの申請者がついやってしまいがちなミス・事例をご紹介します。「小規模事業者持続化補助金」にチャレンジするみなさんが“残念な申請書”を作らないようご参考にしていただければと思います。

最新の情報はこちら

【速報】最大250万円!2024年・令和6年の小規模事業者持続化補助金

「小規模事業者持続化補助金」とは?

小規模事業者持続化補助金は2014年度にスタートしました。今年度で10年目となります。

はじめて目にする方もいらっしゃるかと思いますので、詳しくは下記URLをご覧ください。

https://r3.jizokukahojokin.info/index.php

この補助金のスタート当初から関わってきた者としては、もう10年経ったんだと一種感慨深いものはありますが、振り返ると途中途中で様々な制度の変更・改定がありました。開始当初から4~5年は補助金額が少なく、数ある補助金の中でもあまり目立たない存在であったかと思います。ところが大きく変わったのは“新型コロナ”がまん延し始めた2020年春以降のことです。

それまでは年2回ほどの公募が、通常枠(一般型)とは別にいくつかのタイプ(補助金額が異なる)に分かれ、しかも隔月に公募されるという状況で申請数も急激に増えました。さらに、昨年度からは通常枠のほか、賃金引上げ枠、卒業枠、後継者支援枠、創業枠など実に多種多彩な申請タイプが登場したのです。

【無料で完成】事業計画書作成ツール
累計8万人が利用!質問に答えるだけで「事業計画書・数値計画書」が完成
⇒事業計画書作成ツールを無料で利用してみる

  • 日本政策金融公庫の創業計画書も作成でき、融資申請に利用できる。
  • 業種別にあなたの事業計画の安全率を判定
  • ブラウザに一時保存可能。すべて無料
⇒事業計画書作成ツールを無料で利用してみる

公募要領から何がわかるか? 

ところで、みなさんは「小規模事業者持続化補助金」の“公募要領”をご覧になったことはありますか?『そんな当たり前のことを聞かないでくれ!』と言われるかもしれませんが、審査員をやっていると多くの申請者は公募要領をよく読んでないことがよくわかります。

この「よく」読むということが重要なのですが、最初から最後までよ~く読んでください。所どころ重要なことが“さらっと”書いてあります。

事業者(申請者)も「事業再構築補助金」や「ものづくり補助金」では専門家(申請書作成代行業者)にお願いすることが多いのですが、「小規模事業者持続化補助金」に関しては補助金額自体が少額なこともあって事業者自身が申請書を作成するケースが大半です。

仮に専門家にお願いする場合でもすべて丸投げせず、公募要領は十分読み込んで専門家が作った申請書をチェックするくらいの余裕はほしいものです。

再度申し上げますが、“公募要領”をよく読んでください。“公募要領”こそがすべてです。元・審査員なのであまり詳しいことは言えませんが、審査も“公募要領”に記載されている「審査の観点」という項目に沿って審査します。これ以上でもこれ以下でもありません。

それでは公募要領に照らし合わせて、申請者がついやってしまいがちなミス?!について解説していきます。

1.経費内訳 

申請書の構成として前半部分に今回申請する事業者の事業内容や現況・補助事業(補助金を使ってやりたい事業のこと)を記載します。そして、最後に補助金の使途(何に使うのか?)つまり“経費内訳”を書きますが、この“経費内訳”はとても重要です。

特に新型コロナまん延以降、顕著になったのが“ウェブサイト構築費用”です。2年前までは、「広報費」として計上できていました。「広報費」というのは、パンフレット、ポスター、チラシや看板など、どちらかというとアナログな広報媒体がメインとなっていました。

ところがここ数年、広報費として“ウェブサイト構築費用”を経費計上するケースが目立ってきました。なにも“ウェブサイト構築費用”が悪いわけではありません。ところが経費内訳欄にたった1行、“ウェブサイト構築費用”と記載があるだけの申請書が殊のほか多かったのです。しかも申請書に記載のある“補助事業の内容”と“ウェブサイト構築費用”との関係があいまい(本当に必要?)な申請書が多く見られました。おまけに補助金申請額上限の75万円(これだと補助金額は50万円になるが一般的にウェブサイト構築だけで75万円は高いです)を申請するケースも数多く見られました。

あきらかに補助金上限ギリギリを狙っており妥当性を欠くと判断されることが多くなった結果、昨年からは“ウェブサイト構築費用”は「広報費」とは分割され単独経費科目として「ウェブサイト関連費」となったのです。しかも補助金交付申請額の1/4が上限とされ、さらに、「ウェブサイト関連費」のみの申請ができない、という制限事項まで設けられました。

もしかしたら、みなさんの中には『これでは補助金が使いづらいではないか!』と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが・・・。

2.申請できない経費

はじめて申請される方は何でも買えるのでは?とお思いになるかもしれません。でも制限があるんです。これも“公募要領”をよくご覧ください。経費科目毎に「対象とならない経費例(つまり“申請できない経費”のことです)」として具体的な物品・サービスが例示されています。

特に多く見られるのがパソコンや自動車車両です。他の補助金(ものづくり補助金など)でも同様ですが、基本的に汎用性の高い物品(他の用途にも使われる可能性あり)はNGです。公募要領にも申請する補助事業でしか使えない物品・サービスにかぎる、とされているのでパソコンや自動車車両は補助事業以外の用途でも使えるもの、というふうに判断されます。

ちなみに自動車車両でも昨年度までは飲食業で使うキッチンカーはOKでした。キッチンカーは長らくその補助事業でしか使えないという解釈でしたが今年度からはキッチンカーも不可となりました。パソコン、プリンターの類も同様に汎用性の高いという位置づけなので不可です。

このようにみなさんが思う以上に申請できない物品・サービスは多いのです。申請される前に今一度、公募要領” をよくご覧ください。

したがって“経費内訳”は「小規模事業者持続化補助金」申請の際に重要な審査ポイントになります。

3.補助金の目的に立ち返ろう!

思うに補助金額が50万円(一般型)だけのころは、申請書も内容の濃い、優れた申請書が多かった感じがします。しかし、新型コロナ枠ができたころから、補助金額も100万、150万と上がってきて、さらに今は特別枠で200万、インボイス特例でさらに50万円上乗せされるなど、みなさんがあまりにも補助金額に目が奪われて、補助事業自体の中味がおざなりにされているような気がしてなりません。

ここは「小規模事業者持続化補助金」の“目的”に立ち返って「販路開拓の取組」に補助金がどう使えるのかをもう一度じっくりお考えいただきたいと思います。

繰り返しますが「補助金ありき」ではありません。「補助事業あっての補助金」です。

残念な申請書を作らないために

このように、たかが申請書ですが、されど申請書なのです。「小規模事業者持続化補助金」を含めて多くの補助金は“書面審査”のみで採択されてしまいます。つまり、申請書の書き方いかんで天国にも行けるし、地獄にも?となるわけです。

ですからくどいようですが“公募要領”に沿った申請書に作り上げる必要があるのです。『口で言うのは簡単だ!』と言われるかもしれません。でもほんのちょっとしたコツをつかめばこの壁は乗り越えられます。

本気で“採択される申請書を作りたい!”と思うのなら、その前にぜひ一度ご相談ください。

執筆者プロフィール:
ドリームゲートアドバイザー 木村 俊彦(きむら としひこ)
株式会社 あすなろマネジメントパートナーズ

ものづくり補助金で10年、小規模事業者持続化補助金で9年、審査員をつとめ、補助金のことを熟知しています。現在は企業の経営改善計画とBCP策定支援をメインとして活動してしている木村アドバイザー。聡明ながらも親しみやすいお人柄です。

プロフィールを見る>> | 無料オンライン相談受付中

ドリームゲートアドバイザー 木村 俊彦 氏

この著者の記事を見る

起業、経営ノウハウが詰まったツールのすべてが、
ここにあります。

無料で始める