中小企業が新市場・高付加価値事業に挑戦するための大型補助金「中小企業新事業進出補助金」の第4回公募がスタートしました。
従業員規模によって最大9,000万円(101人以上かつ賃上げ特例適用時の補助上限) を補助するこの制度、締切は2026年6月19日(金)18:00と時間的余裕がありません。
本記事では申請スケジュール・補助概要・要件・審査ポイント・見逃しがちな注意点を専門家視点でわかりやすく解説します。
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- 第4回 申請スケジュールと締切
- 補助金の概要・補助額・補助率
- 申請要件(6つの基本要件)
- 審査のポイント
- 専門家が警告する見逃しがちな落とし穴
- 申請の流れ(ステップ別)
- よくある質問(FAQ)
- 目次 -
第4回 申請スケジュールと締切
第4回公募は2026年3月27日(金)に開始され、2026年5月19日(火)から電子申請の受付がスタートしています。締切まで約4週間しかないため、今すぐ準備を始めることが重要です。
| フェーズ | 日程 | 状況 |
|---|---|---|
| 公募開始 | 令和8年(2026年)3月27日(金) | 済み |
| 申請受付開始 | 令和8年(2026年)5月19日(火) | 受付中 |
| 応募締切 | 令和8年(2026年)6月19日(金)18:00 | 受付中 |
| 補助事業期間 | 交付決定日から14か月以内 (採択発表日から最大16か月後まで) |
採択後に開始 |
【注意】口頭審査の日時予約は先着順です
書面審査を通過した事業者には、必要に応じて口頭審査が実施されます。口頭審査の日時予約は、希望日時が埋まる可能性があるため、締切ギリギリの申請では希望日時を選べなくなるケースがあります。早めの申請完了が実質的なアドバンテージになります。なお、口頭審査の対象となったにもかかわらず受験しなかった場合は、自動的に不採択となります。
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補助金の概要・補助額・補助率
この補助金は、中小企業が既存事業とは異なる新市場・高付加価値事業へ進出する際の設備投資等を国が支援するものです。
従業員規模別の補助上限額
| 従業員規模 | 通常の補助上限額 | 賃上げ特例適用時 |
| 20人以下 | 2,500万円 | 3,000万円 |
| 21〜50人 | 4,000万円 | 5,000万円 |
| 51〜100人 | 5,500万円 | 7,000万円 |
| 101人以上 | 7,000万円 | 9,000万円 |
※補助下限額:750万円
※賃上げ特例は、賃上げ要件・事業場内最賃水準要件いずれも所定要件を満たした場合に適用
補助率
| 区分 | 補助率 |
| 通常 | 1/2(50%) |
| 地域別最低賃金引上げ特例適用時 | 2/3(約67%) |
補助対象経費の主な種類
機械装置・システム構築費、建物費、運搬費、技術導入費、知的財産権等関連経費、外注費、専門家経費、クラウドサービス利用費、広告宣伝・販売促進費
申請要件(6つの基本要件)
採択を受けるためには、以下6つの要件をすべて満たす必要があります。特に「目標未達の場合は補助金の返還義務あり」と明記されている要件は、採択後も継続して達成し続けなければなりません。
| 要件名 | 内容 | 返還リスク | |
| ① | 新事業進出要件 | 「新事業進出指針」に示す定義に該当する事業であること。 既存事業と明確に異なる新市場・高付加価値事業への進出が必要。 |
— |
| ② | 付加価値額要件 | 補助事業終了後3〜5年の事業計画期間中に、 付加価値額(または従業員一人当たり付加価値額)の年平均成長率が 4.0%以上増加する見込みであること。 |
— |
| ③ | 賃上げ要件 | 事業計画期間中に、一人当たり給与支給総額の年平均成長率を 3.5%以上増加させること。 |
未達→返還 |
| ④ | 事業場内最賃水準要件 | 事業計画期間中、毎年、事業場内最低賃金が補助事業実施場所都道府県の地域別最低賃金より 30円以上高い水準であること。 |
未達→返還 |
| ⑤ | ワークライフバランス要件 | 次世代育成支援対策推進法に基づく 一般事業主行動計画を公表していること。 |
— |
| ⑥ | 金融機関要件 | 補助事業の実施にあたり金融機関等から資金提供を受ける場合は、 当該金融機関から事業計画の確認を受けていること。 |
— |
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審査のポイント
審査は書面審査と、基準を満たした事業者に対して行われる口頭審査の2段階で実施されます。
書面審査の主な評価項目
- 補助対象事業としての適格性
- 新規事業の新市場性・高付加価値性
- 新規事業の有望度(市場規模・成長性の裏付け)
- 事業の実現可能性(人材・設備・資金調達の具体性)
- 公的補助の必要性(なぜ補助金が必要かの説得力)
- 政策面への寄与
- 大規模な賃上げ計画の妥当性〜賃上げ特例の適用を希望する事業者のみ
加点・減点項目(主なもの)
| 区分 | 主な項目 |
| 加点項目 | パートナーシップ構築宣言、くるみん認定、えるぼし認定、アトツギ甲子園、 健康経営優良法人、技術情報管理認証、成長加速化マッチングサービス、 再生事業者、特定事業者 など |
| 減点項目 | 過去に加点要件未達の事業者、過剰投資、 他の補助事業の事業化が進展していない事業者、 新事業進出指針の手引きの「評価が低くなる例」に該当する場合 など |
専門家が警告する見逃しがちな落とし穴
補助金申請支援の実績をもとに、不採択や補助金返還につながりやすい6つの落とし穴をまとめました。申請前に必ずご確認ください。
① 「新事業」の定義を誤解している
既存事業との差異が曖昧だと審査で大幅減点になります。「新事業進出指針の手引き」を熟読し、現事業との明確な違いをロジカルに説明できるよう整理しておくことが必須です。「少し違う市場へ進出する」程度では認められないケースも多くあります。
② 賃上げ要件の返還リスクを甘く見る
採択後3〜5年間、毎年賃上げを継続できなければ補助金の返還義務が生じます。根拠のない楽観的な数値目標は禁物です。事業計画策定時から財務シミュレーションを組み込み、達成可能な目標を設定しましょう。
③ 事業計画書を専門家に丸投げする
事業計画は申請者自身が主体的に策定・理解していることが求められます 。認定支援機関などの助言を受けることは可能ですが、計画の根拠・内容を自社で完全に把握していることが必要です。口頭審査では事業計画の内容を深く問われます。内容を理解していなければ不採択になるリスクが高まります。
④ 口頭審査の準備を後回しにする
書面審査通過後の口頭審査は日時予約が先着順です。締切直前の申請では選べる日時がほぼなくなります。また、口頭審査の対象となったにもかかわらず受験しなかった場合は自動的に不採択となる点も要注意です。
⑤ 「採択=補助金確定」と思い込む
採択はあくまで補助金交付候補者としての選定です。その後の交付申請の精査で、補助金額が減額・全額対象外になるケースがあります。補助対象経費の範囲を事前に正確に確認し、見積もり段階から対象外経費が混入しないよう注意しましょう。
⑥ 取得財産の処分制限を見落とす
補助事業で取得した財産は処分に制限があります。無断で売却・転用すると残存簿価相当額の返納が求められます。設備の転用・売却計画がある場合は、事前に事務局に確認することが必要です。事業計画終了後の設備の扱いまで考慮した計画を立てておきましょう。
申請の流れ(ステップ別)
ステップ1:公募要領・新事業進出指針を熟読する
公式サイトから第4回公募要領(PDF)や新事業進出指針の手引きをダウンロードし、自社の事業が「新事業」の定義に該当するかを確認します。審査基準も公募要領に詳細に記載されているため、申請前の必読資料です。
ステップ2:認定支援機関へ相談する
認定経営革新等支援機関(認定支援機関)のサポートを受けながら、事業計画書を自社で作成します。中小企業庁のミラサポplus等を活用して支援機関を探すことができます。
ステップ3:事業計画書・必要書類を準備する
公式サイトの事業計画テンプレート・記入例を活用します。収益計画・賃金計画(インポート用フォーマット)は最新版(ver.1.2以降)を使用してください。2026年5月18日に更新版が公開されています。ワークライフバランス要件、金融機関要件、一部加点項目は、時間を要するので注意しましょう。添付書類は早めに揃え、指定ファイル名で保存します。
ステップ4:電子申請システムで申請を完了する
申請受付中(2026年6月19日 18:00まで)。早期に申請を完了することで、口頭審査の日時を有利に確保できます。申請後はマイページで進捗を確認しましょう。電子申請システム操作マニュアル(応募申請)も参考にします。
ステップ5:書面審査・口頭審査(必要に応じて)
口頭審査の対象となった場合、事務局からメールで受験日時の予約案内が届きます。連絡を見落とさないよう、登録メールアドレスを定期的に確認してください。
ステップ6:採択→交付申請→補助事業実施→実績報告
採択後に交付申請を行い、交付決定後に補助事業を開始します。交付決定日から14か月以内(採択発表日から最大16か月後)に補助事業を完了し、実績報告・事業化状況報告を提出します。
よくある質問(FAQ)
Q. 第4回新事業進出補助金の締切はいつですか?
2026年6月19日(金)18:00が応募締切です。電子申請システムでの申請完了が必要です。締切に間に合わなかった場合の受付延長は原則ありませんので、早めの申請をおすすめします。
Q. 補助金の上限額はいくらですか?
従業員規模によって異なります。20人以下:2,500万円、21〜50人:4,000万円、51〜100人:5,500万円、101人以上:7,000万円です。賃上げ特例の適用を受けた場合は最大9,000万円まで引き上げられます。補助下限額は750万円です。
Q. 補助率はどれくらいですか?
通常の補助率は1/2(50%)です。地域別最低賃金引上げ特例の適用を受ける場合は2/3(約67%)に引き上げられます。
Q.「新事業」とはどのような事業ですか?
「新事業進出指針」に示す定義に該当する必要があります。既存事業とは異なる新市場・高付加価値事業への進出であることが求められます。「少し違う市場」程度では認められないケースがあるため、公式サイトから「新事業進出指針の手引き」をダウンロードして要件を詳細に確認してください。
Q. 賃上げ要件を達成できなかった場合はどうなりますか?
補助事業終了後3〜5年の事業計画期間中に賃上げ要件(一人当たり給与支給総額の年平均成長率3.5%以上)または事業場内最賃水準要件が未達の場合、補助金の返還義務が発生します。申請前に無理のない賃上げ計画を策定することが重要です。
Q. 事業計画書は専門家に作成を依頼してもよいですか?
認定支援機関などの助言を受けることは可能ですが、事業計画は申請者自身が主体的に策定・理解していることが求められます 。計画の内容・根拠を申請者が完全に把握していることが必要です。書面審査通過後の口頭審査で計画内容を深く問われるため、内容を理解していないと不採択になるリスクがあります。
申請・詳細情報は必ず公式サイトの最新の公募要領にてご確認ください。
公式サイト(中小機構):https://shinjigyou-shinshutsu.smrj.go.jp/
電子申請システム:https://shinsei.shinjigyou-shinshutsu.smrj.go.jp/
※本記事は2026年5月21日時点の情報をもとに作成しています。補助金の詳細・最新情報は必ず公式サイトの公募要領にてご確認ください。制度の内容は変更される場合があります。


