経営戦略 Vol.32 お年寄りが採集。つくし飴の成功秘訣

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
この季節のアレルギー対策として「つくし飴」が好調な動きを見せているようです。今回は、この商品開発の裏側にある「ユニークな仕組み」に着目し、ビジネスで「みんなが喜ぶ仕組み」を実現するために、経営者に欠かせない“発想”に迫ります。

趣味の山菜狩りから発見した「つくし」の効用

 今年はかなりの「花粉」が飛び回っているようですが、そんなアレルギーに悩む人のお助けアイテムとして「つくし飴」が好調な動きを見せているようです。2年前に商品化に成功した「株式会社 桜」では、ネット通販でその販売を始めたところ、1粒98円というやや高めの価格にもかかわらず、1カ月で40万粒を完売したそうです

 さらに今年からは、東急ハンズやドラッグストアなど、リアル店舗での販売チャネルも確保できたようです。なんでも、春の風物詩である「つくし」にふくまれるフラボノイド類や不飽和脂肪酸、コハク酸などが、アレルギー症状を和らげる働きがあるのだそうです。

  この「つくし飴」は、そもそも10年ほど前に、日大文理学部の学部長が、趣味の山菜狩りで採ったつくしを調理して食べたところ、ご自身の花粉症の症状が緩和されたことをきっかけに、その後、日大で研究を始めたことから誕生した商品です。その後、漢方薬メーカー「池田薬草」の協力もあって、2年前にようやくの商品化に成功したというわけです。

 

「つくし」が足りない……「原料」不足による商品化の壁

 しかし、いざ商品化するなかで、もっとも苦労したのが原料となる「つくし」の確保だったようです。当初は池田薬草の社員たちが、知り合いの山の所有者に頼んで確保していたそうですが、とてもじゃないけど絶対量が足りなかったのです(――;)。

 そこで、関連会社の新規事業部にいた戸村 憲人さん(現・桜社長)に白羽の矢が立ち、「つくしを探せ!」という“特命”が与えられました。戸村さんは、東北や北海道へ出向き、クマが出そうな山奥までわけいり、つくしを見つけては、その地権者と交渉して「つくし狩り」の契約を結んだと言います。当初は「原野商法ならぬつくし詐欺商法」と間違われたこともあったそうですが、人間関係ができるにつれ、やがて地元の方たちの協力を得られるようになりました。その後、戸村さんは2人の社員とともに「株式会社桜」を立ち上げ、つくしの確保から「つくし飴」の販売までを一手に引き受けるようになったのです(*^^)v。

 実際につくしを採集しているのは、シルバー人材センターや敬老会などに所属する、東北と北海道のお年寄りたち。2007年は、財政破綻した夕張市からも50 人ほどが参加し、合計100人のお年寄りたちで、100万粒分のつくしを採ったみたいですよ。

 

経営のキーは「みんなが喜ぶ仕組み」である

 この事例を見て、「まったく思わぬところからビジネスが立ち上がるものだなぁ~」と興味を持ったのと同時に、原料確保に、地元のお年寄りたちを巻き込んだ仕組みに、ちょっと感心してしまいました!(^^)!。

 戸村さんいわく「お年寄りは若者よりつくし採集の腕は確かで、採取したつくしが製品になるということで楽しみにしてくれている」のだそうです。お年寄りたちにとって、この「つくし採集」は、仕事というより、ある意味「ゲーム感覚」を兼ね備えた「楽しみ」という位置づけになっているのだと思います。また、「人の役に立っている」という満足感を感じることもできますしね。

 どのくらいの謝礼を払っているのかは知りませんが、おそらく「薄謝」という程度でも、お年寄りたちは喜んで働いてくれるのではないでしょうか。

 要は、トップが「みんなが喜ぶ仕組み」を発想できるか、という部分が経営のキーになるのです。こうした発想ができる経営者なら、いわゆる「ひきこもり」や「ニート」と呼ばれる若者たちと社会をつなぐビジネスを生み出せるかもしれませんね。ぜひ頭を柔らかくして、あれこれアイデアを出してみてください(@^^)/~~~。

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