今やネットで買えないものはないくらいの世の中ですが、やはりネットで売りにくいのが、味や香りを確かめて買いたい部類の嗜好品です。そんな中、ネット販売で成功したちょっと珍しいお香専門店があるので、今回取り上げることにしました。ネットでは売りにくい商材をいかに売るのか…他業種でも多いに参考になる事例だと思います(*^^)v
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9つのお香専門サイトで前年比2割増しの快進撃

そもそもお香のような商材は、ネットでは極めて売りにくい商材のひとつだと思います。なんと言っても、肝心の“香り”が自分の好みに合うかどうか、実際に試せないのがネックですよね。
そこで同社の運営すするネットショップ「香源香カフェ」で用意したのが、お香初心者向けに20種類のお香をセットした『お香トライアルキット』です。名付けて「サンプルは買ってもらおう」作戦(*^^)v
化粧品会社などは、相変わらず「無料サンプル」をバンバン配っていますが、モノが氾濫した世の中で、果たして「タダでもらったもの」に人が価値を感じるかというと・・・決してそんなことはありません。無料サンプルより有料サンプルの効果が高いことに、賢い会社はとっくに気づいているのです。
「お試しキット」が販売へ結びつくためのポイント
同社の『お香トライアルキット』には、数々の工夫があります。まずは20種類のお香が試せて、送料無料の2000円という買いやすい価格であること。また、香りの種類も「濃い~薄い」から「現代的~古典的」などが、イメージしやすい指標を設け、できる限り幅広い香りを入れている点もさすがだと思います。
さらに、商品の価格帯も「値段の高いもの~安いもの」を揃えている点や、1回でよくわからない人のために1本ではなく「1種類に2本ずつ」入っているのもいいですよね。その上、キットが到着したらすぐに試せるように「お香立て」まで付いているんです。
白檀や沈香のような「和風セット」とラベンダーやバラのような「洋風セット」の両方を用意した点も評価できます。人には「選びたい」という潜在心理があるので、そのあたりもよくわかっている作戦ではないでしょうか。「トライアルキット」でも、ここまでこだわって企画すれば、その後の販売にスムーズに結びついていくことを同社が証明してくれました。
実際、老舗のお香専門店というのはどこも格式が高く、初心者にはちょっと敷居が高い雰囲気があるものですが、同社のネットショップは、その垣根を低くする役目を果たせたからこそ、成功しているわけです!(^^)!
表現しにくい「好みの香り」を“言語化する”という視点
さらに同社が賢いのが、この『お香トライアルキット』に、香りの確認ができる「チェックシート」を付けたことでしょう。香りの「指標」を示すべく、店主自ら評価した香りの特徴を記したシートを同梱したのです。はっきり言って、この効果は絶大でした!
香りというのは言葉で表現するのがとても難しいもので、そのため、対面販売であってもお客さんは自分の好みを店員さんに上手く説明できないという潜在的な悩みがあったのです。しかし、この「チェックシート」が、その壁を上手くクリアしてくれたわけですね。
「感覚を言語化する」。このような視点は、ワインやシガーなどの嗜好品はもちろん、他の業界でも大いなるヒントとなるはずです。ぜひ参考にしてください(@^^)/~~~

