Vol.3 起業時からかかる消費税? 会社設立により3つのケース

会計・ファイナンス

執筆者: ドリームゲート事務局

消費税は、会社設立時のケースによって、節税方法が異なります。

今回は、
・資本金1千万円未満
・資本金1千万円以上
・多額の設備投資や仕入れをする場合
のケースごとに見ていきましょう。

1. 資本金1千万円未満の会社のケース


1)2年間は、消費税が免税に!
会社設立時の資本金が1千万円未満の場合、設立1期目と2期目は、消費税が免除されるため、起業する時は、資本金を1千万円未満にするとお得です。

その場合、例えば
・売上:2,160万円(うち消費税:160万円)
・仕入:1,296万円(うち消費税:96万円)
だとすると、本来納付すべき差額の消費税64万円を、納税しなくて済みます。

そのため、もし自己資金2千万円で会社設立するならば、例えば、
・資本金:9百万円
・会社への貸付:11百万円
とし、必要であれば後で増資をしましょう。

2)増資に注意!
設立2期目で増資をする際は、消費税の免税については期首の資本金で判断されるので注意してください。

例えば、3月決算の場合は、設立2期目の期首4月1日を過ぎてから、資本金1千万円以上に増資すれば、設立2期目も免税事業者になります。

3)決算期の設定に注意!
決算期にも注意して、免税事業者のメリットをフルに享受してください。

例えば、6月に会社を設立し3月決算とすると、初年度は10ヶ月しかありません。
会社をスタートするタイミングや、決算期の設定も大切です。

4)初年度の上半期にも注意!
①内容
資本金1千万円未満であれば、設立3期目から消費税を納税するのですが、直前期の上半期(事業年度開始から6ヵ月間)の
・売上
・人件費
の両方が1千万円を超えると、翌期から消費税を納めることになります。

なお、この人件費には、役員・正社員の給与・賞与だけではなく、派遣社員やパートの給与等までも含まれます。(ただし、退職金は含まれません)

②対応策
もし、設立から6ヵ月で売上も人件費も1千万円を超えそうな場合は、
・売上を下期にずらせないか
・給与の代わりに、下期の決算賞与で支給できないか
・会社設立を少し早め売上・人件費が発生しない期間を作る
など検討し、売上か人件費のどちらかが1千万円を下回るようにしてみましょう。

あるいは、会社を月中に設立すると、上半期の期間が少し短くなります。

例えば、4月25日に設立すると、上半期は、6か月後(この場合は10月24日)の前月末である9月30日までになり、実質的に5ヶ月くらいになります。
 

2.資本金1千万円以上の会社のケース

1)簡易課税制度の検討を!
資本金1千万円以上で会社を設立する場合は、手間暇かけずに節税もできる“簡易課税制度”を検討しましょう。

なお、本来、簡易課税制度は、課税売上高が5千万円以下の小規模事業者が対象です。しかし、設立1期目と設立2期目は、「簡易課税選択適用届出書」を税務署に提出すれば、どの会社でも適用できます。

2)具体的な計算方法
簡易課税とは、事業に応じた“みなし仕入率”を売上高に掛けることで、控除する消費税を計算する方法です。

“みなし仕入率”は、
・第1種事業者: 卸売業・・・90%
・第2種事業者: 小売業・・・80%
・第3種事業者: 製造業・建設業・・・70%
・第4種事業者: 飲食業・・・60%
・第5種事業者: サービス業・運輸通信・・・50%
・第6種事業者: 不動産・・・60%
となります。

簡易課税制度のメリットは、
・計算が簡単、 
・実際の課税仕入れの割合が“みなし仕入れ率”よりも小さい場合の節税メリット
にあります。

3)注意点
ただし、簡易課税を選択すると、
 ・実際の課税仕入れの割合が、“みなし仕入れ率”より大きい場合
・設立1期目は有利でも、2期目は不利になる場合
・複数の事業を行っており、計算が煩雑になる場合
は、簡易課税を選択しない方が有利な場合があります。また、
・簡易課税を選択すると、2年間は変更ができない、 
・設立1年目に売上が5千万円を超えると、設立3年目は原則課税になる
・複数の事業を行っており、計算が複雑になる場合
といった点も留意してください。

3.多額の設備投資や仕入れをする時

1) 消費税が還付となる場合があります!
設立1期目は、売上があまり上がらないにもかかわらず、
・設備投資や、
・商品の仕入れ、
が多額になりがちです。

この時、受け取った消費税より、支払った消費税の方が多い場合は、消費税の還付が受けられます。

ただし、設立時の資本金の額により手続きが異なりますので、それぞれ見ていきましょう。

2) 資本金1千万円未満の注意点
資本金1千万円未満の場合、会社設立から2年間は免税事業者なので、「課税事業者選択届出書」を税務署に提出して消費税の申告をすると還付が受けられます。

ただし、「課税事業者選択届出書」を提出した期の初日から2年を経過した日の属する期間、例えば、
・会社設立:10月1日(12月決算)の場合
・2年を経過した日(9月30日)の属する期間:設立3期目
になるので、設立3期目まで免税事業者に戻ることはできません。

3)資本金1千万円以上の注意点
設立時の資本金1千万円以上の場合、そのまま期末に申告をして、消費税の還付を受けられます。

ただし、簡易課税を選択すると、還付を受けられないので気をつけてください。

4.最後に

今回は、会社設立時の基本的な3ケースに絞っています。

しかし、消費税は制度が複雑で、
・その他のケースや、
・設立2期目・3期目以降
などの要素を考慮してシミュレーションし、制度を選択すべきです。

そのため、専門家に相談することをおすすめします。なお、その際には3年程度の事業計画を作成し、
・売上
・仕入
・設備投資
などの概算額を明らかにしておくことが大切です。

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