Vol.03 リースで固定資産を調達した場合の節税効果

会計・ファイナンス

執筆者: ドリームゲート事務局

会社が業務に必要な固定資産をリースで調達すると、税務上有利である(節税になる)とよく言われます。ここでは「リースは本当に得なのか」、その損得勘定を検証してみます。

リースの節税効果

 会社が固定資産を購入した場合、その購入費用をすぐに経費にすることはできません。購入費用は、いったん資産に計上され、その後、その資産の種類に応じた耐用年数にわたり、減価償却費として各事業年度の経費に計上されることになります。

 例えば、200万円のコピー・FAX・スキャナ機能の付いた複合機を購入した場合の例を考えてみましょう。複合機は耐用年数は5年とされるため、各事業年度ごとに経費にできる金額、すなわち減価償却費は、定額法で計算すると200万円÷5年=40万円となります(正確にはもう少し複雑な計算となりますが、話をわかりやすくするため簡略化してます)。

 これに対して、この複合機を契約期間4年のリースで調達した場合、リース期間中の各事業年度ごとに経費にできる金額、すなわちリース料は、単純に計算すると 200万円÷4年=50万円となります(利息・手数料相当額は考慮していない)。

 このように、購入の場合に比べてリースの方が各事業年度の経費を余分(50万円-40万円=10万円)に計上することができます。また、上記の例のように耐用年数よりも短い期間でリース契約を結んだとすると、購入の場合よりも早くその調達資金を経費にすることができるのです。これが、一般的に「リースは税務上有利(利益を圧縮して節税になる)」といわれるゆえんなのです。

 

リース契約の落し穴

 リースは、一見して税務上有利なように見えますが、ここには落し穴が潜んでいます。本当に有利かどうかについては、次の 3点を考慮に入れてから判断しましょう。

(1)リースは最終的な支払額が多い

 「Vol.1会社に合った固定資産の調達方法を考える~リース編~」でも記載した通り、リース料は利息や手数料相当分が購入価格に上乗せされて算定されます。従って、トータルの支払額は購入の場合と比べて必ず多くなります。

(2)リース期間は勝手に決めることができない

 リース期間は、その資産の耐用年数の100分の70を下回る期間で契約することはできません。例えば、上記の複合機の場合なら、5年×70%=3年(端数切捨て)を下回る2年をリース期間とするような契約は結ぶことができない仕組みになっています。

(3)リースの場合の税額控除はハードルが高い

 固定資産を調達した場合、一定の要件に該当すると税金を減らしてくれる「税額控除」という税務上の特典を受けることができます。これは購入の場合でも、リースによる場合でも受けることができるのですが、リースの方が適用要件のハードルが高くなります(詳細は今後記載予定)。

有利不利、判定のポイント

 現金で一括して購入できるだけ資金に余裕があるなら、リースをする必要はありません。リース料に含まれる利息や手数料相当分を考慮すると、節税効果も含んだ最終的なキャッシュアウト(現金支出)はリースの方が多くなることが予想されるからです。

 そうするとリースを検討する場面は、当座の資金がないため割賦購入(分割払い)するしか方法がない場合に限定されます。この場合は、リースによる場合の「利息+手数料相当額」と、割賦購入による場合の「利息+手数料相当額」との比較において、どちらが安いかが選択のポイントとなります。

 結論として、税務上、本当に有利かどうかの判断は、その資産の「購入費用+利息+手数料相当額=合計額」が最も安い調達方法はどれかということになり、この金額が同額であれば初めてリースが有利と判断されます。

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