Vol.08 固定資産取得時の経理処理は慎重かつ大胆に!

会計・ファイナンス

執筆者: ドリームゲート事務局

固定資産の取得に当たっては、購入代金だけではなくさまざまな付随費用も発生します。このような付随費用を固定資産の取得価額に含めるのか否かなど、固定資産の取得時は経理処理に頭を悩ませます。今回は固定資産取得時の経理処理について、そのポイントを解説します。

取得価額の判定はどうするの?

 固定資産取得時の経理処理のスタートは、取得価額を決定することです。いくらを固定資産の取得価額にするかを明確にしないと、その次に発生する減価償却費の額が計算できません。

 そこで、税法では固定資産の取得価額に含まれる費用として、以下のようなものを規定しています。
(1)その資産の購入の代価(引取運賃、荷役費、運送保険料、関税、その他その資産の購入のために要した費用がある場合には、その費用の額を加算した金額)
(2)その資産を事業の用に供するために直接要した費用
 これらのうち、特に注意すべきものは(2)で、「直接要した費用の額」には、例えば、機械の据付費や試運転費などの費用も含まれます。

 これに対し、会社の選択によって取得価額に含めないことができる費用として、以下のようなものを規定しています。
(1)不動産取得税または自動車取得税
(2)登録免許税、その他登記や登録のために要する費用

 これらの費用は、選択により「取得価額に含めないことができる」ものですが、会社経理の実務においては税負担の軽減の点から早期の費用計上が望まれるため、「取得価額には含めず費用計上する」のが一般的です。

 

 

減価償却のスタートはいつからするの?

 固定遺産の取得価額が決定すると、次の経理処理としては減価償却費の計上です。

 そこで減価償却をどのタイミングからスタートをしたらいいのかがポイントとなりますが、減価償却は「購入した時期」からではなく、「事業の用に供した時期」からスタートすることとされています。

 この「事業の用に供した時期」とは、業種・業態・その資産の構成・使用の状況などを勘案して判断するのですが、一般的にはその減価償却資産の持つ属性に従って本来の目的のために使用を開始するに至った時をいいます。

 具体的には、機械の購入の場合は、機械を工場内に搬入しただけでは事業の用に供したとはいえず、その機械を据え付け、試運転を完了し、製品などの生産を開始した日が事業の用に供した時期となります。一方、パソコンの購入の場合なら、事務所に置いてあるだけでは事業の用に供したとはいえず、本体・モニター・キーボードの接続、ソフトウェアのインストールが完了し、実際に業務に使用した日が事業の用に供した時期となります。

 

 

経理処理の方法の注意点は?

 固定資産には減価償却できる「減価償却資産」と、減価償却できない土地などの資産があることは、Vol.4でお話したとおりです。

 減価償却できない土地などは、わずかな額でも固定資産として計上しますが、減価償却資産については、使用可能期間が1年未満のものと、1台あるいは1組あたりの取得価額が10万円未満もの(一定の場合には30万円未満のもの)は消耗品費などとして、固定資産に計上せず購入時の経費とすることができます(Vol.6参照)。

 また、減価償却の方法としては「定額法」と「定率法」の2種類があるのですが、一般的には早期に費用計上できる「定率法」を選択するケースが多いでしょう。

 固定資産の取得に当たっての経理処理には、会社側に選択の余地がある項目が多くあります。選択次第で会社の損益計画や税負担が大きく変わってきますので、その判断は「慎重かつ大胆」に行いましょう。

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