訪問・ヒアリング

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局



営業フローの中で、訪問はとても重要なプロセスである。間違いがちなことなのだが、訪問とは単に商品やサービスの説明をすれば良いだけではない。

今では、インターネットによって多くの情報を得ることができる。そのため営業マンが説明をしなくても、相手はほとんどのことをすでに知っている可能性が高い。本当に必要なものならば、こちらがアプローチする以前に相手が自ら動いて購入することもあるのだ。

そんな現代において、営業マンが訪問時に行うべきことは「相手が理想をする世界観の共有」と「現状とのギャップ」を完全掌握することだ。
これがすべての出発点となる。

訪問する際には、まず訪問の「目的」を明確にする必要がある。情報収集が目的であれば、相手から何を聞き取るのか。そしてそこから、何を読み取りたいのかを明確にしておくことが重要なのだ。掴みたい情報を明確にしておくと、訪問目的を達成するためのスピードや会話の密度が変わってくる。

訪問時に的確な情報を得るには、以下4つのヒアリングが大切になる。

1)関係性づくりの質問
2)課題の探索質問(場合により複数回)
3)あるべき姿の探索質問
4)解決策の同意を探る質問

具体的に、商談事例をご紹介しよう。

質問法の商談事例
質問法の商談事例の図説

■関係性づくりの質問
相手との人間関係を詰めるために、「私は、あたなに興味があるのです」という意思表示をすることが大切。ただし、初対面の場合は、相手の表面的なことしか知り得ることはできない。そのため「関係づくりの質問法」を使って、相手の承認欲求を満たしていくことが重要なプロセスとなる。

■課題の探索質問
自分自身または自社の課題を正確に掌握している人は稀な存在だ。
従って、現状を聞き出すことに意識を集中していく。
ただし、見ず知らずに人に「現実」を晒すことは心理的な抵抗感が強いため、普通ははなさない。そのために、前の「関係づくりの質問」が重要になってくるのだ。

■あるべき姿の探索質問
顧客の理想やあるべき姿を掌握するための質問を行う。
これも自分の真の課題は自分では気づけないのと同様、自分の理想像をクリアに描ける人は少ない。
従って、「他のお客様の例」や「雑誌やテレビで理想とされている著名企業や人」を題材にして、「あんな風になれればいいですよね?」と、相手が自分でも気づいていない理想やあるべき姿を浮き彫りにしていく。

■解決策の同意を探る質問
「現状」と「理想やあるべき姿」が明確になったら「こんな課題があるのでは?」と投げかけ、相手に自分の抱えている「課題」を浮き彫りにしていく。
そして、目の前にいる我が社の商品やサービスは、その課題を解決できますよね? と「納得」を引き出すことで、購買意欲はクリアに顕在化していく。

このように、質問法を組み合わせて、商談を組み立てて行くことが、最強の販売方法になるのだ。

営業の対象市場が絞られていれば、見込客の「現状」「課題」「あるべき姿」は、大方共通であるか、いくつかのパターンに分類される。

従って、その場での会話の組み立ての必要はなく、充分に準備できるものだ。
「説得」で売らず「納得」で売るのが、持続的に成長する企業の条件。

全社的に身につけて欲しい商談の組み立て技法である。

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