フレックスタイム

経営トラブル

執筆者: ドリームゲート事務局



 特にIT企業を中心にフレックスタイム制を導入するケースが散見されます。フレックスタイムとは、出社・退社の時間を従業員に委ねる制度です。とは言っても、多くの企業では「コア・タイム」と呼ばれる、必ず在社していなければならない時間を定めているのが通常です。もちろん「フル・フレックス」ということで、すべてを従業員に委ねることもできますが、少数です。理由としては、コア・タイムを設けない場合、従業員が毎日深夜に勤務するケースや長時間労働を毎日行うケースが発生します。フレックスタイム制とは言え、午後10時以降の深夜まで働けば深夜手当が発生しますし、予め定めた清算期間を超えて勤務すればもちろん割増賃金も発生します。さらに、事業主として安全(健康)配慮義務が課せられていますので、長時間労働による過労やうつに罹患した場合には、会社がその責任を負うこととなります。そのため、フレックスタイムを導入する場合でも、コア・タイムを設け、また、業務日報等で業務の進捗を確認していくことが必要です。

 そのほか、フレックスタイム制以外にも言葉だけ聞くとあまり馴染みがないかもしれませんが、変形労働制と呼ばれるものがあります。

・1カ月単位の変形労働時間制
 通常は9時~18時等と定める勤務時間を、1カ月以内の業務の繁閑がある場合に、定めた期間内の労働時間をトータルして均した時間が法定労働時間内であればよいという制度です。例えば、飲食店やサービス業等で、週末は忙しいが、月曜や木曜は比較的余裕がある、といった場合に、土曜の勤務時間を12時間にして、法定労働時間の8時間を超えた4時間分を月曜にまわして、月曜の勤務時間が4時間でれば割増賃金が発生しないという制度です。いわゆるシフト制を導入している場合に有効です。但し、当初設定した時間を超えて突発的に勤務させた場合は残業代が発生しますし、逆に暇だからと勤務予定時刻より早く帰らせると、会社側の都合による休業ということで、労働基準法第26条による60%の休業補償、もしくは民法第536条2項による100%の補償を行う必要が発生しますので気をつけなければなりません。
 また、この制度を導入するには、労使協定又は就業規則に定めて労働基準監督署へ届け出る必要があります。

・1年単位の変形労働時間制
 1カ月単位の変形労働時間制の1か月超1年以内の範囲で決めるバージョンです。主に、印刷業や季節商品を扱う企業において有効です。基本的な考え方は1カ月単位の変形労働時間制と同様ですが、異なる点としては、期間が長期間になるために、1日・1週間あたりの最大勤務時間、連続勤務できる日数等が定められています。
 そして、年間カレンダーを作成し、労使協定とともに労働基準監督署へ届け出る必要があります。

・1週間単位の変形労働時間制
 これはさらに単位が小さく1週間の中で繁閑がある場合に適用できるものです。但し、適用できる業種として、常時雇用する従業員の人数が30人未満の小売業、飲食業、料理店、旅館業と限定されています。こちらも同様に労使協定の届出が必要となります。

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