米国企業の内部統制について

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

Q.米国企業の内部統制について

 

内部統制の構築について「具体的にどの様に進めればよいのか」と悩んでいます。
米国でSOX法をからめたビジネスはどのように進んでいるのでしょうか? 

A.回答

 

2002年7月30日、米国議会において「The Sarbanes-Oxley Act of 2002」という法律が制定されました。このSarbanes-Oxleyの頭文字を取ったものがSOXです。SOXは、米国企業で発生した一連の会計スキャンダル(Enron、WorldCom等)を背景に、上場企業に対してより客観性の高い監査、企業責任の明確化、財務諸表の透明さを追求することを目的として制定された米国連邦法の一つで、上場市場において投資家達のより活発な活動を喚起することを趣旨としています。また、本法律により準公共団体(Public Company Accounting Oversight Board)が設立され、よりその趣旨を反映した運営が為されています。日本における内部統制報告書の提出・監査については、2008年4月1日以後に始まる事業年度から始まります。
<米国市場>
以下、米国のSOX市場の特徴について有力調査会社のコメントをいくつか掲載します:
Gartner, Inc.
『SOX 市場には未だリーダー(市場占有率1位)はおらず、唯一Oracle Corporationがチャレンジャー(市場占有率2位)の位置にある。一方、80-20 Software Inc.、IBM、OpenPages Inc.、Paisley Consulting Inc.、 Qumas Inc.、Stellent Inc.が今後同市場を牽引する企業候補となり、Achiever Business Solutions Inc.、Axentis Inc.、BWise Inc.、Certus Software Inc.、HandySoft Global Corp.、Methodware Ltd.がニッチプレイヤーとして活躍するであろう』
IDC
『SOX市場の今後の傾向の一つは、電話によるサポート、監視システム の導入、メンテナンスサービス等の支援サービスが増えることであろう。需要予測の鍵となる要素は、[1] 米国市場が世界でもっとも成長している、[2] ハードウェア支援等のサービス分野で新技術が登場している、[3] 大企業は支援サービス分野への投資がもっとも多い、である。さらに複数ベンダーを支援するサービス提供が、ハードウェアベンダーにとって高収益ビジネスモデルとなるであろう』
Forrester Research, Inc.
『SOX市場は2006年で2億ドルだが、2008年にはピークに達し、その規模は3.76億ドルとなるであろう』
<ソフトウェア技術>
以下、ソフトウェア製品のいくつかを掲載します:
Stellent, Inc.(米国企業。日本法人あり。2007年にOracle社が吸収)
製品名:Stellent Sarbanes-Oxley Solution
機能:全社運用状況のリアルタイム把握、関連ドキュメントの効率的管理、内部統制報告書の作成支援、等
Quest InTrust(米国企業。日本法人あり)
製品名:InTrust
機能:Windows、Linux、UNIX等マルチプラットフォームシステムやハードウェア装置において、ログ情報を収集・保管するソリューション。
株式会社オーク情報システム(日本企業)
製品名:NetEvidence
機能:社内外のすべての通信データ(電子メール/Webメール/掲示板への書込み/Web閲覧等)を記録・解析するシステム。
 
尚、日本企業では日本電気、三菱、みずほ情報総研、コクヨ、ビジネスブレイン太田昭和など多数が市場参入(ソフトウェアやソリューションを提供)しています。一方、米国では法制定後4年が経過し、無料ソフトウェアも出現するなど市場は半ば飽和気味の様相を呈し始めています。
 
<コメント>
日本のSOX市場は2007年からが本番ですが、すでに多くのプレイヤーが製品を市場に投下しています。ネットワークトラフィック(インターネットも含む)が対象となっているためこの市場はソフトウェアが主力となるでしょう。セミナーに参加し、交流会などで名刺交換し、色々な意見を担当者から聞いてみると良いかも知れません。
 

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