事業計画書は1枚のテンプレートから~融資成功したサンプルつき

この記事は2024/02/15に専門家 上野 光夫 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

「事業計画書を書きたいけれど、ハードルが高くて手がつけられない」「事業計画書って1枚で良いって聞くけど本当?」と悩む人は多いです。

事業計画書づくりはテンプレートを使えばそれほどむずかしくありません。この記事では、数多くの創業資金調達や事業成功を支援してきたドリームゲートが、1枚のテンプレートからはじめる事業計画書づくりのコツをお伝えします。

じっさいに資金調達できたサンプルも用意しているので、ぜひ参考にしてチャレンジしてみてください。

ブラウザ上の操作で簡単に事業計画が作成でき、1枚の創業計画書としてダウンロード可能な事業計画書作成ツールの利用もおすすめです。

この記事の監修者
上野 光夫(うえの みつお)
資金調達コーディネーターⓇ/中小企業診断士
(株)エムエムコンサルティング 代表
元日本政策金融公庫の融資課長として5000名以上の起業家を支援した上野アドバイザー。現在は、資金調達の専門家として活躍されております。融資を検討されている方はぜひご相談ください。
著書「事業計画書は1枚にまとめなさい」「起業は1冊のノートから始めなさい」など。
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- 目次 -

起業に事業計画書が必須な理由

事業計画書とは、起業に向けての具体的な行動や、起業してから会社が目指す姿を示す計画書のことです。おもに日本政策金融公庫(日本公庫)などの金融機関から融資を受けるときや、ベンチャーキャピタルなどの投資家から出資を受けるとき、 資金調達や協力者を集めるときに使用します。

事業計画書の作成が必須な理由をまとめると以下の3つです。いずれも起業の成功に重要なので、必要性を理解したうえで後述する書き方を実践してください。

  • 自分の事業を客観視でき、やるべきことがわかる
  • ほかの人と事業の構想を共有した話し合いができる
  • 日本公庫や銀行などから資金調達ができる

理由①自分の事業を客観視でき、やるべきことがわかる

事業計画書は、事業計画を客観視して起業を成功させるために必要です。頭のなかでは具体的に考えているつもりでも現実にはぬけもれがあり、失敗リスクが高い状態だといえます。事業計画書を書いて思考の整理をしましょう。

また事業計画書に書く項目に一定の決まりはありませんが、最低限必要な項目はあります。後で紹介するテンプレートを使うと必要項目を自然に書け、計画のぬけもれ、失敗のリスクを下げられます。

理由②ほかの人と事業の構想を共有した話し合いができる

事業計画書があれば、自分のビジネスを知らない人にもかんたんに事業内容を説明できます。協力者集めには、事業構想の共有が欠かせません。事業計画書は話し合いのツールとしても役立ちます。

理由③日本公庫や銀行などから資金調達ができる

日本公庫や銀行などから融資を受けるときには、事業計画書でビジネスプランを説明する必要があります。金融機関は貸したお金が返ってくることを一番大事に考えるため、とくに資金計画の部分をこまかくチェックされることを覚えておいてください。

資金計画は専門的な内容もあるためきっちり仕上げるのは大変ですが、一度仕上げてしまえばどんな場面でも強い味方になってくれます。また、後で紹介するサポートツールを使えば、すでに成功している起業家の資金計画を参考にできます。

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まずは1枚の事業計画書テンプレートをうめてみよう

事業計画書は考えることがたくさんあるため、はじめての人は自分でつくれる気がしないかもしれません。そこで、まずは1枚のテンプレートを埋めるのがおすすめです。おすすめできる理由を紹介していきましょう。

まずは書いてみることが大事

あまりむずかしく考えすぎずに、まず書いてみるのが重要です。起業志望者や成功者のなかでも、事業計画書を書いた経験のある人は少ないものです。

まずは手を動かして1枚の事業計画書テンプレートを紙に書いてみましょう。いままで頭のなかでぼんやりしていたことや悩みが具体的になっていくはずです。具体的になれば次のステップに進められて、事業成功に一歩近づきます。

はじめて作成する人におすすめの1枚のテンプレート

詳細な事業計画書をつくりはじめる前段階として、事業プランをひとまとめに伝えるのにぴったりのテンプレートがあります。必須項目にしぼられていてわかりやすいので、事業計画書になじみがない人でも気軽に作業できます。

まずはこのエクセルシートを埋めるのを目標に作業をはじめてください。完成したシートは事業概要を紹介する資料としても活用できます。


エクセルのテンプレートはこちらです。

※ダウンロードの際はドリームゲートの無料会員登録が必要です。会員の方はダウンロードの際、ログインしていただく必要があります。


1枚にまとめることで事業計画の軸が見えてくる

最初につくる1枚には必要最低限の内容しか書きません。そのため、「本当に必要な」要素だけを抽出したものが完成します。この作業をすることで、事業の軸をはっきりさせられるのが1枚のテンプレートを完成させる大きなメリットです。

作成したテンプレートをもとに詳しい内容を掘り下げたり、検証に必要なデータを集めたりすることで、必要な情報に漏れがない事業計画書が完成します。

重要な要約(サマリー)が完成する

事業計画書は情報量が多ければいいものではありません。本格的な事業計画書でも、枚数はA4用紙10枚前後、10~15分で全体が把握できるボリュームが一般的です。

融資担当者やベンチャーキャピタルの投資担当者はとても忙しいので、時間をかけてじっくり読んでくれません。そうした人に簡潔に内容を伝えるためにつくるのが要約(サマリー)です。

サマリーは1枚に事業計画書の要点をまとめ、冊子の一番最初に添付します。サマリーだけを見て事業計画書の続きを読むかどうか決めるベンチャーキャピタルもあるので、ただのまとめだと思ってあまく見てはいけません。1枚だけで事業計画の概要が伝わるよう、ていねいに作るのが大切です。

資金調達に成功した事業計画書のサンプル11業種12社

ひとくちに事業計画書といっても、業種によって必要な内容はさまざまです。完成度の高い事業計画書にするには、成功事例を参考にして感覚をつかむのが近道でしょう。

ここで紹介している事業計画書は、社名や商品名などは仮のものですが、数値などはじっさいに使用されたものです。11業種分あるので、近い業種を参考にしてみてください。

事業計画書の書き方が分かる!資金調達成功の『事業計画書』11業種12社

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1枚の事業計画書は「創業計画書」に応用できる

1枚にまとめたシンプルな事業計画書は、定番の融資先である日本政策金融公庫の審査に必要な「創業計画書」に応用できます。創業計画書を知らない人向けに基本を解説しますので、参考にしてください。

創業計画書とは日本政策金融公庫の事業計画書テンプレート

企業に必要なお金の調達先で一番利用されているのは、日本政策金融公庫という金融機関です。日本政策金融公庫(以下、日本公庫)の審査を受けるには日本公庫指定のテンプレートである「創業計画書」を提出する必要があります。

創業計画書は事業計画書に必要な最低限の要素がまとめられた書類ですので、1枚の事業計画書テンプレートが完成していれば、かなりの部分を創業計画書に引用できます。

創業計画書では以下の項目の記入が必要です。

  • 創業の動機
  • 経営者の略歴
  • 取扱商品・サービス
  • 取引先・取引関係等
  • 従業員
  • お借入の状況
  • 必要な資金と調達方法
  • 事業の見通し(月平均)

記入例:飲食店(洋風居酒屋)の場合
https://www.jfc.go.jp/n/service/dl_kokumin.html

記入例:学習塾の場合
https://www.jfc.go.jp/n/service/dl_kokumin.html

そのほかの業種も以下のリンクからご覧いただけます。

美容室 PDFダウンロードはこちら
中古自動車販売事業 PDFダウンロードはこちら
婦人服・子供服小売業 PDFダウンロードはこちら
ソフトウェア開発業 PDFダウンロードはこちら
内装工事業 PDFダウンロードはこちら
歯科診療所 PDFダウンロードはこちら
介護サービス PDFダウンロードはこちら

(参考)創業計画書や記入例など、関係書類のダウンロードができます。

日本政策金融公庫ウェブサイト
なお融資を獲得するためには紹介した創業計画書だけでは不十分で、より細かい事業計画書を作成して一緒に提出するのが一般的です。本格的な事業計画書をつくるのはハードルが高いと感じるかもしれません。しかし、1枚のテンプレートからはじめて必要な項目を具体的にしていけば、完成していくものです。

書籍『事業計画書は1枚にまとめなさい―――日本公庫の元融資課長が教える開業資金らくらく攻略法』

「まずは本を一冊読んでノウハウをしっかり身につけたい」なら、日本公庫の元融資課長である上野光夫氏が執筆したこの本をおすすめします。この本では、事業計画書を1枚にまとめる方法がくわしく紹介されています。ただ計画書の書き方を説明するだけでなく、融資の引き出し方、事業の続け方まで解説されており、起業家必見の一冊です。

著者の上野光夫氏はドリームゲートで資金調達の専門家としても活躍しており、全国からメールで無料相談ができます。事業計画書の質問がしたいなら、ぜひ上野光夫氏に相談してみてください。

本格的な事業計画書に必要な項目9つ

1枚の事業計画書が完成したら、詳細な事業計画書をつくることになるので必要な9つの項目を紹介しておきましょう。

①事業プラン名・ビジネステーマ

プラン名やビジネステーマは、見ただけで事業内容がわかるシンプルさが重要です。つかみの部分ですので、プラン名に込めた熱意や行動力が伝わるようなプレゼンにしてください。

②事業概要(エグゼクティブサマリー)とコンセプト

だれが読んでもわかるように、ビジネスのしくみをかんたんに説明します。だれに、何を、どのように提供するかというポイントをおさえましょう。また、その事業をやる理由や目的を説明します。ほかの誰でもないあなたがやる必然性も伝わればよりよいです。

③事業名・会社(代表者)のプロフィール

会社の基本データを紹介します。会社名や事業形態(会社か個人事業主か)、会社所在地、代表者氏名、略歴、従業員数などです。必要な項目が欠けていなければOKです。

④市場環境・市場規模

今後も成長が見込まれる市場環境や規模であるかを調査して結果をまとめます。各種統計データを活用するとデータの信頼度が上がり、好感を持たれます。適宜表やグラフを活用しましょう。

⑤競合優位性

競合に比べて自分のビジネスが優位であることを説明します。同業種・同業態・同ターゲットの異業種共同の3分類で比較できると理想です。どのように差別化していくか説明する必要があります。

⑥市場アクセス・マーケティング戦略

誰も知らない商品は買ってもらえませんので、マーケティング戦略や販売方法はとても重要です。具体的な手法を検討しましょう。

⑦経営プラン・財務計画

長期的に会社を続けるには、仕入れ計画、開発・生産計画、人員・組織計画などの計画を立てておく必要があります。起業後必ずしもそのとおりにいくわけではありませんが、あらかじめ見通しを立てることでブレない経営が可能になります。

⑧資金計画

融資を受けるならもっとも細かく作りこむ必要がある項目です。毎月の収支予測に加え、資金繰り計画も必須となります。創業計画書では1年分しか記入欄がありませんが、3〜5年分作れれば理想的です。

⑨リスクと解決策

業種固有のリスクや社会的リスクを想定し、もし発生したらどう対応するかをあらかじめ考えておきます。こうすることで、トラブルにも動じない安定した経営が可能になります。

事業計画書作成サポートツール

融資の審査をするときに担当者が一番重視するのが資金計画の健全性です。そのため、資金計画は事前に入念な調査を行い、本当に問題ない計画になっているかよく検証する必要があります。健全な計画になっていれば、お金が原因での失敗リスクを下げることも可能です。

ドリームゲートでは、起業に成功した事業計画書と自分の事業計画書の健全性を比較できるツールを無料で提供しています。12種類の業種に対応しているので、自分が起業する分野と近いものを見つけられるはずです。計画書を提出する前に、事業計画書作成サポートツールを使って健全性を検証してみてください。

事業計画書作成サポートツール

無料テンプレートをダウンロード

詳細な事業計画書を効率的につくるにはテンプレートを活用するのが有効です。成功する事業計画書には一定の様式がありますので、これまで多くの資金調達に活用されてきたテンプレ―トを使えば、資金調達の成功可能性を高めることができます。

以下の無料テンプレートはマニュアルつきで、説明を読みながら事業計画書を作れます。

事業計画書マニュアル

事業計画書フォーマット&参考資料付き

事業計画書のよくある質問

Q.事業計画書の書き方が分からない

事業計画書には次の項目を過不足なくまとめます。

  1. 事業の背景と目的
  2. 事業の内容
  3. 市場環境
  4. 競合優位性
  5. ビジネスモデルの検証
  6. マーケティング計画
  7. 事業目標
  8. 収支計画 (売上・利益計画)
  9. 資金計画
  10. 想定リスクと対応策
  11. 今後のスケジュール
  12. 代表者経歴・会社概要・連絡先

Q.創業計画書の書き方は事業計画書と違いますか

創業計画書とは「創業時の事業計画書」であり、基本的には事業計画書と同じ項目が必要です。創業計画書は主に日本政策金融公庫の創業融資の申し込み時に作成します。

Q.事業構想の書き方を知りたい

頭の中の構想を紙面に落とすには、「6W2H」のフレームワークを使って整理すると有効です。

  1. why
  2. what
  3. Where
  4. whom
  5. how to
  6. when
  7. who
  8. how much

上から順に、8つの要素を考えてみましょう。こちらの記事も参考にしてください。

 

まとめ:1枚の事業計画書テンプレートから起業成功へ

事業計画書や創業計画書の完成度は資金調達だけでなく、事業の成功を大きく左右する要素です。事業計画書作成サポートツールやテンプレートなど、過去に起業を成功に導いてきたノウハウを最大限に活用して、効率よく資金調達を成功させましょう

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この記事の監修者
上野 光夫(うえの みつお)
資金調達コーディネーターⓇ/中小企業診断士
(株)エムエムコンサルティング 代表
元日本政策金融公庫の融資課長として5000名以上の起業家を支援した上野アドバイザー。現在は、資金調達の専門家として活躍されております。融資を検討されている方はぜひご相談ください。
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執筆者プロフィール:ドリームゲート事務局

著書:「マネして完成! 事業計画書 ~10業種36の事例で事業計画のまとめ方がよくわかる」ドリームドリームゲートは経済産業省の後援を受けて2003年4月に発足した日本最大級の起業支援プラットフォームです。
運営:株式会社プロジェクトニッポン
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