事業計画書を自分で作ろうとして本を読んだりネットで調べたりしても、いざ書き始めようとすると途端に手が止まってしまうということはありませんか?それはもしかしたら、事業計画書の書き方の具体的なイメージができていないからなのかもしれません。イメージを具体的にするには、実際に資金調達に成功した記入例を見てみるのが一番です。
今回は、起業支援のプロであるドリームゲートが厳選した「実際に資金調達に成功した」事業計画書を3つ、それぞれ解説をしながらご紹介します。3つの計画書の良いところを吸収して、あなただけにしか作れないオリジナルの事業計画書を作り上げてください。
- 目次 -
実際に資金調達に成功した事業計画書の記入例①アパレル セレクトショップのケース
最初にご紹介するケースは、信用金庫+都道府県振興公社合わせて834万円の資金調達した事業計画書です。事例はこちら(https://www.dreamgate.gr.jp/dl_contents/businessplan/)から会員登録後、無料でダウンロードが可能となっています。
記入例のポイント①マーケティング戦略
アパレル業界は差別化が難しく、売り方をどのようにするか、つまりマーケティング戦略が非常に重要な業界です。この事業計画書では、マーケティング戦略を3つのポイントに分けて説明しています。
①価格戦略
この会社では、まず価格について差別化をはかっています。同じ価格帯の商品を集めてターゲットを絞り込む一般的な方法ではなく、あえて低価格~中価格帯まで幅を広く持たせることによって、オーナーの提案力やファッションセンスを強みにした提案販売を可能にしています。
②流通・販売戦略
近年ではネットで洋服を買う人が増え、通販に対応することが当たり前になりました。この企業でもネット通販に対応しています。
また、お店を象徴するようなプライベートブランドを少しずつ発信していく計画も立てています。プライベートブランドは人気が出て売れ始めるまでは在庫リスクを抱えることになりますが、販売が軌道に乗れば高い利益率を出すことができる心強い存在です。他社ブランド品だと6割ほどの原価率がプライベートブランドなら3~4割ほどまで下げられるので、長い目で見ればぜひ取り組んでおきたい領域です。
③PR・コミュニケーション戦略
この会社は、オーナーがファッションモデルとしての活動をしており、バイヤー・販売・PRの業界経験も豊富です。しかし、現状では資金力も弱く規模の大きなPR活動をする余裕はありません。そのため、センスに自信のあるオーナーが自分で古着の買い付けやセレクトアイテムの仕入れを行うことで、統一された独特の世界観でブランドイメージを作ろうとしています。
また、代表者自身が現役モデルなのも強みです。雑誌記事や取材に積極的に応じることによってブランドの知名度を上げる戦略は誰でも真似できるものではありません。自分の強みを生かしてマーケティング手法自体を差別化するという発想はとても重要です。
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記入例のポイント②競合他社との比較
アパレルは取り扱うものが洋服ということで、ついついセンスや雰囲気で事業計画を語りがちです。しかし、売れているアパレルブランドは必ず他社を分析して戦略的にブランドイメージを作り上げていることに注目すべきです。事例で取り上げた事業計画書では、多方面から競合と自社を比較した、ち密な競合比較がなされています。一見ブランドイメージといったふんわりした実態のなさそうなものでも、要素を細かく分解していくと具体的な差別化要素が見えてくるものです。日本政策金融公庫など金融機関の融資担当者は、このような論理的な計画書を見るととても安心します。
とはいえ、普段から文章を作る仕事をしていない方にとっては、「お店のイメージはあるけど、どうしても上手く具体的な言葉にできない」ということもありますよね。そんな時におすすめなのがアドバイザーへの相談です。この事業計画書を監修した中野裕哲(なかのひろあき)氏に相談することも可能なので、ぜひチェックしてみてください。
実際に資金調達に成功した事業計画書の記入例②設備・内装業のケース
次にご紹介するのは日本政策金融公庫から300万円の資金調達をした事業計画書です。この事業計画書はこちら(https://www.dreamgate.gr.jp/dl_contents/businessplan/)から会員登録することで無料でダウンロードが可能です。
創業計画書の記入例が掲載された貴重な記入例
この計画書の3シート目には日本政策金融公庫が指定する「創業計画書」の記入例もそのまま掲載されています。なかなかここまでリアルな創業計画書を見ることもできないのではないでしょうか。それくらい情報量の多い記入例です。
創業計画書に記入を求められる項目は非常にシンプルです。融資の相談をするにあたってのプロフィールシートのような役割だと思えばよいでしょう。簡単だからこそ完璧に仕上げ、補足資料で融資担当者を納得させることができるようにしていきましょう。
創業計画書のポイントとしては、創業者のプロフィールに割かれたスペースが比較的多いということです。これまでの経験や思いを説明し、創業に至った経緯をしっかり伝えられるようにすることがポイントです。
記入例のポイント①事業概要・コンセプト
設備・内装業は一人親方のようなイメージもありますが、会社設立したとしても最終的には自分の腕で仕事を取っていく必要がある業種です。ただし、扱う商材に希少性を持たせることで市場価値が高まり、単価が上がったり受注が安定したりという効果も十分に見込めます。特徴のない施工業者ではなく、どのような分野に強みを持つ施工業者なのかを意識的にブランディングしPRしていくようにしたいところです。
ご紹介している事業計画書では内装全般に長年関わる創業者の経験をしっかりと説明したうえで、近年高い機能性から注目されている「光触媒」に注力した施工を行うこととしています。光触媒を使用した内装は消臭、抗カビ、抗菌、抗ウィルスなどの効果に優れているためニーズが高まっていますが、施工業者が比較的少なく競合と比べても優位性があります。また、取引先に光触媒の有力企業がある事実も説得力をより強いものにしています。
記入例のポイント②5期分の予測損益計算書
公庫の創業計画書にも損益計画を記入する項目がありますが、かなり大まかな数値しか求められていません。たとえ創業融資といっても、融資を申し込む際にはもう少し精密な計画を立てる必要があります。最低3期分、できればこの事業計画書のように5期分の損益計画を立てられれば理想です。月単位で売上予測を行えば今後のビジネスの進捗もより具体的にイメージできるようになり、会社経営にとってもメリットがあります。
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実際に資金調達に成功した事業計画書の記入例③トレーラーハウスの例
最後にご紹介するのは日本政策金融公庫から1,000万円の資金調達をした事業計画書です。少し変わった業種の計画書なので、ニッチ分野や新規分野で起業を考えている方はぜひ参考にしてください。事業計画書はこちら(https://www.dreamgate.gr.jp/dl_contents/businessplan/)から会員登録することでダウンロードが可能です。
珍しい業種ほど創業計画書は分かりやすく
こちらの事例にも公庫の創業計画書の記入例が記載されています。設備・内装業の場合と異なり、トレーラーハウスは一般的に馴染みのない業種です。そのため、ビジネスモデルの説明をしっかりしてあげる必要があります。公庫の融資担当者といえども、普段目にするのはシンプルなビジネスモデルが大半。業界関係者でなくても理解ができるよう、要点を押さえた説明を心がけましょう。
また、資金計画も普通の業種とは異なる部分が多くなります。毎月何の経費がかかるのか、売上はどのように稼ぐのか、誰が読んでも分かるようにイチから説明するくらいの丁寧さの方が良いでしょう
記入例のポイント①起業の動機について
社会貢献度が高い事業は、公益性と収益性のはざまに立たされることになる分、時に収益化が難しくなることがあります。なかなか売上が立たず苦しい時に求められるのは創業者の気持ちの強さ。確立されていないビジネスにお金を出すのは普段以上に慎重になるものです。
そんな気持ちを払拭できるくらいの強い動機をアピールできれば、資金調達の成功を後押ししてくれること間違いありません。
記入例のポイント②市場環境の把握
トレーラーハウスの収益源は、トレーラーハウスを宿泊施設として使用する「防災レジャーパーク」思想です。トレーラーハウスを宿泊施設にすると物珍しさはあるかもしれませんが、物珍しさだけでは売上が継続しません。計画のポイントは防災というキーワードにあるといってよいでしょう。
近年日本では大規模な自然災害が立て続けに発生し、防災に対する意識が高まっています。宿泊しながら防災について楽しく学ぶことができるサービスは、ファミリーや研修での利用も期待できます。災害時には仮設住宅として利用するため、行政の支援も受けられるかもしれません。防災という日本特有の社会問題を解決する一手として、社会のニーズをうまく汲み取ったビジネスプランとなっています。
素晴らしいビジネスプランが浮かんだが、説得力のある計画書を作ることができない…。そんな方には、この事業計画書を監修した高橋聡氏に相談するのがおすすめです。あなたの強い想いを事業計画書の形にする力になってくれることでしょう。
記入例をマネするだけで資金調達は成功するのか?
ここでご紹介した事業計画書はいずれも専門家が監修したレベルの高いものですが、良い計画書をマネしたからといって説得力のあるものにはなりません。
しっかりと自分の想いやアイデアを内容に落とし込み、あなたの計画に合ったオリジナルの事業計画書を作り上げることが必要です。経営者であるあなたの口でその事業計画書を他人に説明できるかどうかがひとつの基準になるでしょう。
まとめ
事業計画書づくりは、会社を立ち上げるための第一歩。初めてやることならどうすれば良いか分からないのが当然です。専門家を上手に活用すれば、スムーズに資金調達ができるだけでなく事業プランにも自信がつき、ビジネスにもプラスに働きます。まずはアドバイザーに無料相談するところから始めてみましょう。