起業するには何から?市場調査・事業計画・資金調達・会社設立の全て

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: 鈴木 彰悟

「起業するには何から手をつけていけばいいのだろうか。成功している経営者は起業前どんな準備をしていたのだろうか。」そんな悩みを抱えている方に向けて、起業するには何から考えていくべきか、具体的な4つの方法について解説します。

起業前の準備が起業後の成功を左右するといっても過言ではありません。低リスクで起業するにはどのような事業があるのか、起業に向けて行う手続きや起業家マインドについてもあわせて解説します。

起業したい!何からはじめる?

起業するために行うべきことは、大きく分けて4つあります。

  1. 起業の目的を考える(企業理念)
  2. 起業する市場・テーマを絞り、事業内容を決める(事業概要)
  3. 資金の流れを考える(資金調達)
  4. 起業するスタイルを決める(個人事業主・法人)

会社設立は簡易的な事務作業と少しの資金で可能ですが、実際に事業を展開していくとなると、起業する前にしっかり準備することが大切です。そもそも自分自身がなぜ起業するのか、どんな事業を展開していくのか、どうやって資金を集めるのかについて、考えていきましょう。

起業の目的を考える

起業すると、思いもよらない市場環境の変化や競合の登場によって、事業が立ちかなくなったり、売上が減少することがあります。

「なぜ起業したいのか」という問いに創業時から向き合っていないと、会社や事業がよくない状況に陥った時、その状況に正面から向き合うことができません。

人生において、自分が何を求めていて、何を恐れているのか、何を成し遂げたいのか、あらゆる選択肢の中でなぜ起業家としてのキャリアを歩みたいのか考えてみましょう。

起業する市場・テーマを絞り、事業内容を決める

事業内容を具体的に考えていくためには、事業計画書作成が効果的です

事業計画書とは、これから展開していく事業の内容や肝となる戦略、売上予測などを示す資料のことを表します。事業計画書を作成し事業の解像度がより鮮明になることによって、起業の進捗を振り返ることができるだけでなく、資金調達時に利用する説明資料としても利用できます。

また、小規模企業白書2016(中小企業庁)によると、経営計画を「作成したことがある」「作成したことがない」者を比較すると、「作成したことがある」者の方が14%多く、売上が増加傾向にあると答えています。

出典:中小企業庁「経営計画の策定状況等について」

誰に何をどのようにして販売するのか

事業計画を考える際は、まず何から考えていけばいいのか、6W2Hをもとに考えていきます。

なぜ起業するか、展開していく事業は何か、対象の顧客は誰か、どんな資産(人材、資金、もの、情報)があるか、なぜ今やるのか、なぜ成功するのか、について下記の図を参考に考えます。

 

ここで重要となるのが、「Whom(誰を対象にするのか?)」の部分です。この「誰に」の選定時に、そもそも需要や課題がない市場を選択してしまい、誰にも求められないものや事業をつくってしまうことが原因で失敗することが多々あります。

このような失敗をしないために、おすすめの書籍を紹介します。この書籍は、自分のアイデアが間違っていないか、自分のアイデアが適切な市場や顧客を選択できているか調査するためのノウハウが詰まったものです。身銭を切らないデータを収集したアンケートやインタビューで顧客選定をしてしまうことがいかに愚かなことなのか、よく理解できます。リアルの店舗ビジネスを展開する場合でも、IT系のサービスを展開する場合でも参考になります。

「Google×スタンフォード NO FLOP! 失敗できない人の失敗しない技術」

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市場を捉える

起業し、事業を運営していく中で重要なのは、自分が創業する事業の「市場の選択」です。市場とは、簡単にいうとお金などの財のやり取りが発生する領域のことを表します。

消費者がサービス・モノを強く求める欲求が生み出す「需要」と消費者が求めるサービス・モノを提供する「供給」が交じりあうことで市場は生まれますが、創業するタイミングで、需要があるのかを知り、それはどんな需要なのか(誰が何をどのくらい求めているのか)を把握することが重要です。

さらに、「市場の“需要(demand)”に対して、適切な供給ができるかが重要となります。。需要と近い言葉に、「△△があればいいのにな」という“課題(problem)”、「〇〇が欲しいな」という“欲(want)”という言葉があります。これらの関係性を図に表すと以下のような形になります。

人がお金を払ってでも享受したいと思うサービスは、需要があるまたは需要を上手く喚起できるサービスです。消費者は課題が存在しているからお金を払うわけではなく、その課題を強く解決したいと思うからサービスを受けて対価を支払うのです。

市場を捉えるとは、この需要をしっかり捉えることにあります。また、課題を特定し、自分のアイデアが適切な需要を喚起することができるものなのかを確認します。

市場調査と競合調査から、事業を洗練する

市場や対象顧客を選択したら、競合他社を調べ、自分が持つ強みや弱みを理解します。競合を調べることによって、自社の対象顧客がどんな需要を持っているか仮説を立てることできます。

競合他社の具体的な調べ方として、おすすめなのはカオスマップの利用です。

たとえば「美容 カオスマップ」と検索すると、美容市場の競合企業掲載されマップが表示されます。ここから、自分が展開しようとする事業の競合をリストアップします。

リストアップした企業をSWOT分析などを用いて分析するのもひとつですが、上場企業であれば、公式サイトからIRページに飛び、有価証券報告書や決算短信などを確認することで、どんな対象に向けて事業を展開し、市場を牽引する企業が市場に対してどんな戦略を描いているのか確認できます

また、リアルビジネスであれば、店舗を構える商圏内に展開する同業者がどんな顧客に対して、何をどのように提供しているのか、商圏内における競合優位性は何かを自分の足を使い、徹底的に調べることも大切です。

ドリームゲートでは、展開する事業の調査を踏まえ、事業計画を作成していく際、自分が想定するアイデアや市場の捉え方・計画について専門家に相談できます。

資金の流れを考える(売上予測と資金調達)

起業し、事業を展開していくためには、資金が必要です。

開業前であれば、設備資金や当面の運転資金を用意しなければいけません。そのような資金調達の方法としては、政府・民間金融機関(銀行や信用金庫等)・日本政策金融公庫・ベンチャーキャピタル・エンジェル投資家などから借入や出資があります。

開業後であれば、生み出した利益をストックしながら次の事業展開や運転資金として資金を運用していかなければいけません。そのため、売上げやコストを予測することは大変重要です。

売上げやランニングコストを予測して資金の流れを考える

開業後資金の流れを知るために、売上げやコストの計算の仕方を日本政策金融公庫の創業計画書記入例(美容業)の事業の見通しから抜粋した例をもとに説明します。自分が展開する事業の売上はどのくらいになり、どのくらいの月額コストがかかるのか、その結果どのくらい利益があがるのかについて、できるだけ具体的に予測できるようにしましょう。

利益 売上高売上原価経費

とてもシンプルな計算式ですが、大まかな収支計算はこのように表すことができます。自分が提供するサービスの平均単価(消費者1人あたりが提供サービスに対して支払う金額の平均)に対して、顧客数を掛け算することによって「売上高」が計算できます。

一般的に売上原価は仕入れや製品の開発にかかる費用、経費はサービスの販促にかかる営業費用などを表します。

日本政策金融公庫の創業計画書記入例(美容店)の事業の見通し」より

より細かく売上予測や数値計画を行い、事業進捗の解像度をあげたい方今すぐ簡単にダウンロードできる「損益計算書と月次損益計算書、資金繰り表のフォーマット」のテンプレートの活用がおすすめです。

資金調達の方法を知る

展開する事業やフェーズによって有効な資金調達方法は違います。ここでは、融資・出資・補助金/助成金・アセットファイナンスの4つの資金調達方法を紹介します。

融資(公的、金融)

融資とは、公的機関や金融機関からお金を借りることを表します。起業し、事業を展開していくために必要な事業資金を借りることができる仕組みです。

融資は、個人保証で多額の借金を抱えてしまい、自己破産してしまうのが怖いというイメージを持つ方もいますが、そのような方が活用しやすい制度として日本政策金融公庫の新創業融資制度があります。

新創業融資制度とは、新たに事業を始める方または事業開始後税務申告を2期終えていない方に無担保・無保証人で3,000万円(融資限度額)まで貸し付けてくれる制度す。近年、多くの起業家がこの制度を利用して、創業資金を調達しています。

新創業融資制度|日本政策金融公庫

https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/04_shinsogyo_m.html

創業融資は地域の信用金庫でも相談できます。日本政策金融公庫の協調融資という方法もとれ、地域密着型で起業家に寄り添った対応を期待できます。

出資(クラウドファンディング、エンジェル、VC)

出資とは、事業の方向性や魅力に興味を持った投資家から資金を援助してもらうことです。クラウドファンディングでは対価として「リターン(お返し)」を用意したり、エンジェル投資家やVCからの出資では、対価として株式などを譲渡したりすることがあります

 

助成金・補助金

補助金は、審査を通過する必要がありますが、助成金は要件を満たしていればほぼ誰でも受け取れます。補助金や助成金について詳しくは下記を参考にしてください。

個人事業主が使える6つの補助金と2つの助成金|ドリームゲート

https://www.dreamgate.gr.jp/contents/column/hojokin-joseikin

資金の現金化(アセットファイナンス)

アセットファイナンスとは、すでに個人や法人格で事業を展開している方が保有する資産を元手に資金調達する手法です。具体的には、不動産や設備機器などの有形固定資産や、借地権や特許権などの無形固定資産などの売却があげられます。

売掛を利用したファクタリングなどもあります。ファクタリングとは、売掛債権(取引後に受け取ることができる代金支払いを受ける権利)をファクタリング会社に売却し、後に受け取る予定だった代金を、ファクタリング会社利用手数料を差し引いた上で、早く受け取ることができる仕組みです。ただし、リスクも大きいので慎重に検討する必要があります。

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自己資金はどのくらい必要か

日本政策金融公庫データによると、2019年度における開業資金は「500万円未満」が最も多い数値を表しており、調達資金については「自己資本」が平均262万円、「金融機関等からの借入」が平均847万円となっています

業種業界に差はありますが、開業時に調達しなくてはならない概算は、約1,100万円と推測できます

開業費用(日本政策金融公庫「2019年度新規開業実態調査」より抜粋)

https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/topics_191122_1.pdf

資金調達額(日本政策金融公庫「2019年度新規開業実態調査」より抜粋)

https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/topics_191122_1.pdf

個人事業主・法人のメリット、デメリットと起業スタイル

起業する背景や目的はひとそれぞれ異なます。近年では、本業をしながら、副業でお金を稼ぐ人たちも増えてきています。

スモールビジネスを行うのであれば、開業届を税務署に提出して個人事業主として事業を行う方法展開する事業で企業との取引や融資を受けるために法人として会社を設立する方法もあります。

個人事業主の場合は、開業手続きの費用や手間がほとんどかからず、青色申告をすることで税金の控除も受けることができます。しかし、信用度が低いため仕事を得にくくなったり、倒産してしまうと負債はすべて個人が抱えること(無限責任)になります。

法人設立の場合は、開業手続きや社会保険の加入、会計業務などで費用や手間がかかります。しかし、節税面での優遇があり、有限責任であることから倒産しても出資金額以上の負債を抱えることはありません(個人保証付きの融資を受けている場合などを除く)。

 

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会社設立の手順

会社設立には様々な手続きや準備が必要です。

会社設立時には、税務関連と社会保険関連の届出が必要となります。

届出に関する具体的な内容は以下を参照ください。

(日本政策金融公庫「創業の手引」より抜粋)

https://www.jfc.go.jp/n/finance/sougyou/pdf/sougyou_tebiki_book_202206.pdf

また、多くの起業家にとって、創業時、最も大切なことは事業の進捗に向き合うことで、その他の必要な雑務に関しては、多くの方が専門家に依頼するのが実情です。

会社設立を手続き専門家に依頼するメリット・デメリットは以下のとおりです。

専門家に依頼するメリット

専門家に依頼するデメリット

時間を節約でき、本業に集中できる

依頼費がかかる

手続きの間違いを防げる

顧問契約などが必要な場合がある

専門的なアドバイスをもらえるので、税金などで損をする可能性を減らせる

個人・法人以外の以外の事業立ち上げ方法

起業とは、自分で事業を0から興すだけでなく、小規模のM&Aやフランチャイズ起業、代理店として起業するなどさまざまな方法があります。0から事業を興す場合、大きな成功をつかめる可能性がありますが、事業ノウハウがないことによって、売り上げが伸び悩むというリスクもあります。

一方、小規模のM&Aフランチャイズ起業であれば、体系化されたノウハウを提供してもらうことができるため、スムーズな立ち上がりと比較的安定した収益を見込むことができます。

起業する理由や目的に合わせて、どのような手法で起業するのか考えてみましょう。

起業にはどのようなものがある?

スモールビジネスなどを副業で立ち上げ、低リスクで起業することが徐々に増えてきている今、低リスクで始められるビジネスモデルを3つ紹介します。

・代行ビジネス

クラウドソーシングで自分の趣味や興味関心のあるトピックに関する記事執筆の依頼を受託したり、代理店として市場で伸びている製品の販売を代行するなど。

・SNSや情報発信

インフルエンサーとして自己ブランディングし、企業案件を獲得したり、ファンを獲得することによって広告収益をあげるなど。本業がある方は、noteなどを用いて本業で身につけた知識やノウハウを発信し、記事への課金による収益をあげるなど。

・間借りして飲食店を運営

ジム施設を時間帯で借りて、トレーニング講習を開催したり、ビル前の敷地をお昼の時間帯だけ借りてキッチンカーを利用したお弁当の販売を行なったり、決まった曜日のみバーを借りて、自己プロデュースするバーを経営したりなどすでに事業を展開する場を借りることによって、初期費用をかけず事業展開が可能

起業して成功するには何が必要?

起業して何をすれば成功するのか、これだけやっていれば必ず成功するというノウハウは存在しませんが(市場や提供するサービスなどによって成功要因は全く異なる為)、成功確率が上がる要素をいくつか紹介します。

・専門的なノウハウやスキルがある

起業し事業を展開する上で、業界知識や事業の展開で活かすことができるノウハウがあるとそのノウハウやスキルが競合優位性となり、起業の成功確率は上がります。

営業経験、開発経験、マーケティング経験、SNS運用経験など、自分の人生を振り返り、自分の得意や好きなことを認識しておくことで起業し、成功する確率は上がります。

ビジネスのPDCAを回す

起業する上で最も大切なことは、仮説を立て、検証するPDCAを高速に回すことができるかどうか重要です。これはビジネスパーソンとして基本的なスキルのひとつでもあります。

市場・競合環境は毎日目まぐるしく変化し、顧客が抱える課題感や需要も変わっていきます。行動し、さまざまな情報に触れながら、課題を見つけ、解決策の仮説を立て、検証することを忘れないようにしましょう。

・「コンセプトの選択」「サービス・プロダクトの選択」「市場参入の選択」を適切に

どんなに優れたビジネスパーソンであっても、「コンセプトの選択」「サービス・プロダクトの選択」「市場参入の選択」を間違えると起業は必ず失敗します。

市場や顧客の需要を捉え、顧客が求めるコンセプトが設計できるか、顧客の需要を満たす製品が提供できるか、製品を提供するやり方や順序が間違えていないか。これらが市場や顧客が求める水準に達していると、事業は伸びていくでしょう

何から始めればいいか悩んでいる人へ

事業を始めることは誰でもお金をかけずできます。ただ、起業し、事業を成功に導けるかどうかは、熱い想いや崇高な目的を持っていても、調査や社会情勢から深く洞察された事業戦略を策定しても、解像度の高い事業計画をを作成しても必ず上手くいくとは限りません。

成功する精度を少しでも上げたい起業家の方には、まずは専門家に相談することもおすすめします。

 

執筆者プロフィール:鈴木 彰悟

法政大学キャリアデザイン学部卒業。在学中、独立系ベンチャーキャピタルにて国内外シード〜アーリーフェーズスタートアップへの各種投資案件を担当。卒業後は、大学生向けキャリアSNSを立ち上げ、運用。

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