「忙しいのに貧乏社長」を抜け出す3つの方法

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: 永田 智睦

「会社の営業成績は悪くないのになぜか自分は儲かっている気がしない」
「会社にも自分にもお金が残っていない」

多くの中小企業経営者や個人事業主がこのような悩みを抱いているのではないでしょうか。これは多くの経営者が遭遇する悩みです。

私のところに相談に来る経営者にも、何のために事業しているのか分からなくなってしまっている方が多くいます。

私はFPとして個人資産設計を見ながら事業のコンサルティングも行いますが、事業を興して社会貢献するのはとても良いことだと思いながら、このような悩みを抱える経営者こそ幸せになってほしく、相談を受けています。

今回のコラムでは「会社の営業成績はいいのに社長が貧乏」そして「事業の業績は悪くないのに会社にも自分にもお金が残らない」ということについて書いていこうと思います。

会社の営業成績はいいのに社長が貧乏な理由を知る

多くの経営者がこのような事態になってしまう一番の理由は、会社と個人のお金の一体化にあります。給与所得者が事業を行うようになると、一番変化するのは収入の入り方と経費の使い方です。起業すると会社へ入金された売上が全部自分のものであるような錯覚を起こすことがあります。

給料の場合は当然それで良いのですが、事業で入ったお金はそこから経費が出ていきます。にもかかわらず、入ったお金を自分のものと考えて使ってしまうのです。特に起業すると誰にも何も言われないのも大きいかと思います。

また、もう一つの大きな理由はキャッシュフローの概念の欠如です。

事業は売上をベースに考えますが、会計上、売上が上がったものがすぐに現金として入金されるわけではありません。つまり経営者になると通常よりもお金の入り方が遅くなります。現金商売の業種を除き、原則BtoBの業種やカード決済の多い事業になるとどうしても早くて1ヶ月、長いと3〜4ヶ月後にしか入らない等、資金繰りの悪化が起こります。ですので、銀行融資にはこの期間を補填する運転資金という資金需要があると考えているわけです。

その結果、「会社としては売上が上がっているのに入金のタイミングがバラバラ」、にもかかわらずお金の使い方が雑になっているとお金がなくなっていくキャッシュフローの悪化が起きるというわけですね。

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まずは会社と個人のお金をしっかり分ける

このような場合、まずやるべきことは個人と会社のお金をしっかり分けるということです。

中小企業のほとんどの経営者は自分の会社というくらいなので100%出資で経営をさせているかと思います。

そうすると個人事業はもとより中小企業の経営者ですらも、会社の経費を使えるのであれば使っていきます。当然、これは税務上認められる範囲であれば構わないのですが、その結果、個人のお金がどうなっているかを管理しなくなります。

本来、そのために役員報酬というのがあるのですが、個人の方が累進課税により税率が高くなるため、報酬を少なく設定することが多々あります。社会保険も高額になってきますから税理士や社労士の先生がそのようなアドバイスをされるのは当然かと思いますが、その結果会社としてのお金を使い、個人でのお金を全く考えないようになってしまうというわけです。

この分けるという作業は非常に重要です。特に会社のお金の出入りは目まぐるしく変化しますが、個人のお金は特別な出費以外は基本的に安定しています。まずは自分に必要な役員報酬をしっかり設定し、その中で個人の管理を行うようにしてみてください。会社のことを考えるからこそ、まずは経営者や事業主自体のお金の管理をしっかり行うということです。

それだけでもお金の流れがかなり把握できるようになってきます。

余剰資金を確保する

余剰資金とは、わかりやすくいうと何も使う予定のないお金がいくらあるのかということです。

はじめは月末に、会社に固定費の2ヶ月分(この数字は業種や規模で変わります)くらいを残すことをイメージしてみてください。また個人についても同様で、生活に必要な役員報酬を設定した後で、個人での生活資金の2〜3ヶ月くらいを残すようなイメージでいてください。

そしてできれば個人を先に行ってください。

「会社がまだまだなのに個人でお金を貯めるなんて」と思う方もいるかもしれません。または最近の傾向で現金よりも投資優先と考える方もいらっしゃるかもしれません。

ただ、会社が苦しくなった時に会社を助けられるのは経営者の資金ですし、個人事業主や中小企業であれば経営者への依存度が格段に高い為、経営者個人の資金繰りの悪化は会社を悪化させ、最悪のケースは横領や破綻に繋がります。

つまり会社の営業成績はいいのに社長が貧乏というのは資金繰りが個人も会社も安定していない方々に起こる現象だということです。

会社にも個人にもある程度余力があれば、これは経営者の精神的な余裕を産みます。お金がテーマなのに精神論を語るのは憚られますが、余裕を持てるとしっかり会社の資金繰りや個人の資産にも目がいくものです。

事業主や経営者となるとどうしても目の前の売上にフォーカスするのは当然だと思います。しかしながら、せっかくのお金を無駄に消費していたり、資金繰りが悪くなって倒産の憂き目に遭ってしまっては何のために必死に売上を上げているのかわかりません。

少しのお金の流れを追う時間、少しの個人の資産を持つ余裕をぜひ心がけてみてください。

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まとめ・会社も個人も共に良くなっていくために

多くの経営者は現金を残しておくことや税金を払うことを嫌がります。自分が必死に稼いだお金を自分で使いたいと思うことは当然ですし、どんどん投資をしてさらに稼いでいきたいという気持ちもわかります。

しかしながら、大切なことは会社や事業を継続させ、社長個人としても資産を増やして長期的に豊かになっていくことではないでしょうか。

そしてさらに言えば従業員の生活が豊かになっていき、事業が社会の貢献の一助になっていることが大切ではないでしょうか。

ぜひ一度、会社と個人のお金が分かれているのか、そして個人の余力をある程度残してあるのか見直してみてください。

個人事業主や中小企業の経営者からこのような相談は非常に多く受けます。

私は金融機関出身のファイナンシャルプランナーということもあり、資産を増やしていくのも仕事ですが、事業主の方の場合は守りを中心に組み立てることがあります。特に会社と個人の両方についてアドバイスをさせて頂くことも多々あり、コロナ以降はこのような会社の資金繰りと一体となるご相談は増加傾向にあります。

当然、経営者の方の資産を増やしていくアドバイスもさせて頂いており、それが事業を守ることに繋がったケースもあります。

もし同じような悩みを抱いておられましたらぜひドリームゲート内よりお問合せください。

執筆者プロフィール:
ドリームゲートアドバイザー 永田 智睦

会社のお金だけでなく事業主の個人のお金のサポートを手厚く行う永田アドバイザー。豊富な経験をもとに、中立的な立ち位置から的確なアドバイスをいただけるでしょう。

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