無担保・融資枠8,000万円・実質無利子のコロナ融資を受ける5つのコツ

この記事はに専門家 によって監修されました。

コロナの感染状況の改善が見られず、緊急事態宣言が次々発出されるなど経済の回復には時間がかかりそうです。こうした中、企業経営は厳しい運営を迫られていることと思います。

政府は現況の経済支援策の追加として、5月には、日本政策金融公庫の融資制度『新型コロナウイルス感染症特別貸付』の取扱期間を2021年末まで延長しました。

今回は、このコロナ融資について考えてみました。

これまでにない有利な融資制度です

日本政策金融公庫の融資制度『新型コロナウイルス感染症特別貸付』の国民事業での取り扱いについて説明します。これは、別枠(既存融資制度と別の取り扱い)で無担保、融資枠8,000万円、実質無利子(6,000万円分、3年間)、返済期間15年、据置期間(元金支払を据置く)最大5年間といったこれまでに見たことのない、借主に優位な融資制度となっています。

融資資金の資金使途は、赤字補填や回収金の入金までのつなぎ資金等はもちろん融資対象となります。あと、設備資金も対象となっています。(返済期間20年)

さらに、従来から公庫と取引のある方は、既存借り入れの融資残高を今回の融資から差し引いてもらうことも可能です。返済の一本化といわれるものです。金利負担の軽減、毎月の返済金額の減少等有効に活用できます。

また、設備資金もあり、最大20年の返済期間となっています。

この制度の利用できる事業内容とは

新型コロナウイルス感染症の影響をうけ、「最近1カ月間等の売上高または6カ月の平均売上高が前3年のいずれかの年の同期と比較して5%以上減少している方」となっています。これらは、毎月の売上帳や帳簿等で確認できればいいとなっています。公的な証明書は不要です。保証協会の基準と比較すると各段位利用しやすいかと思います。

店舗の増加や、合併や業種転換を行った場合、ベンチャー・スタートアップ企業のように、短期間に売上増加に直結する設備投資や雇用の拡大を行っている場合など、前3年のいずれかの同期と比較するのが馴染まないときは、業歴の3年以上1年1ヵ月未満の場合に準じて、次の要件と比較してもらえる可能性があります。

最近1ヵ月間等の売上高または過去6カ月(最近1ヵ月を含む)の平均売上高(業歴6カ月未満の場合は、開業から最近1ヵ月までの平均売上高)が、次のいずれかと比較して5%以上減少している企業。

  1. 過去3カ月(最近1ヵ月を含む)の平均売上高
  2. 令和元年12月の売上高
  3. 令和元年10月~12月の売上高の平均額

申込みのポイントは

申込みに際して、どの様な書類が必要かと聞かれることが多いです。公庫は通常の金融機関のように、預金口座もないので企業の概要はもちろん、実態や資金活動について不知です。このため、申込時にも多くの書類が必要となりますが、了承してください。

申込時と面接審査の時に分けて説明します。

申込み時には、これらが必要です。

  1. 『借入申込書』
  2. 『新型コロナウイルス感染症の影響による売上減少の申告書』(ネット公庫ホームページからダウンロード)
  3. 『2期分の決算書(付属明細付き)と税務申告書』
  4. 『企業の概要書』『法人の登記簿謄本等』(公庫と取引のない場合)

諸条件によって異なる場合があるため念のため、申込時の必要書類は、インターネットや電話で確認してください。

ここで、面接担当者からすると、決算後3カ月経過の場合その後の試算表、最近の「月別売上高」や今後の「事業計画書」(赤字企業であれば経営改善計画書)などがあると非常に喜ばしいです。担当者からすると、事前に面接のポイントを絞っていますが、その内容を補足する数値が示されていることは、好感を与えるだけでなく、審査処理をスムーズに進めることができます。これは、資金使途(量・期間・効果)と返済財源を示すことを意味します。

決裁者からは、説得力のある信用調査票(稟議書)の内容となり、安心して押印(決裁)するでしょう。

面接時に持参する資料は

初めて公庫へ申し込みをされたかたは、提出後に面接の通知があります。この時、持参する書類一覧が記載されています。『こんな沢山持っていくのか!!』と思いますが、公庫には、申込者の情報はほとんどありません。ですから、賃貸契約や所有不動産の内容や実際の営業活動の状況はどうなのか、決算書の裏付けや帳簿との整合性の有無、諸支払いの状況等確認すべきことが多数あります。

準備は大変でしょうができる限り書類を揃え、1回の面接で終われるようにしましょう。

既に、公庫と取引のある方は、基本的な情報が蓄積されていますので大幅に削減されます。

いずれにしても、現在の経営状況を明確にわかる資料とそれに基づき説明できること、および、今回の資金使途を説得できるよう提出書類を使って確認しておくことは重要です。

コロナ融資を受けていても申込しましょう

『すでに公庫から最近、コロナ融資で借りているから、ダメでしょう』といった方も見受けますが、1年以内でも制度の限度内であればあるいは別の融資制度での検討は可能です。自己判断せず、相談をするべきです。

企業内容と資金使途、今後の状況、改善内容等を総合判断します。諦めることはせず、今後資金を使ってどの様にしていきたいかをはっきりとすることです。

また、早い時期にコロナ融資を受け、据え置きをしていた方もそろそろ、元金返済が始まりかけているケースも多くあります。公庫の資料によりますと、今年5月までに利用した方のうち66%が1年以内の据え置をしているようです。返済の負担が重いケースや追加の融資がしてもらえない場合には、再度、据え置の申し出(期間の延長)をお勧めします。公庫も申出には応じる準備があるようです。

新規の申込について

現在、公庫の窓口は、平常の1.5倍の申込受付の状況になっていると伺っています。しかも、新規に申込をされるのが融資ベースで4割近いとのことです。これは、一般の金融機関からすれば、異常値といえるでしょう。銀行員は、新規の顧客獲得のために街中を日夜、奔走して努力をしています。

公庫では、こうした中、申込した案件をスムーズに対応してもらうには、事前に商工会議所や商工会の経営相談所の経営指導員の方や税理士・コンサルタント等と十分に協議をしておかれることをお勧めします。

実際の申込には、最近増加しているインターネットの他、窓口、紹介者を通じてといろいろありますが、納得のいく方法を相談者と決めて選んでください。

まとめ

コロナ禍の中、企業の運営は非常に難しかと思います。そうした時こそ、『備えあれば憂いなし』といわれるように、常に企業の現状を確認し、資金準備をしておくことは大事です。

最初から、諦めずに取り組んでいく姿勢こそが企業精神かと思います。公庫の融資制度の説明をしましたが、何よりも、相談の窓口を多く持ち、経営の選択肢を増やし、まず行動していく事が求められているかと感じます。最後に皆様のご健勝を期待します。

執筆者プロフィール:
ドリームゲートアドバイザー 多胡 藤夫(日本生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R))
V-Spirits経営戦略研究所株式会社 取締役

日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)において約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職し日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。

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ドリームゲートアドバイザー 多胡 藤夫氏

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