サービス業が
「海外展開」するためにやるべきこと

海外ビジネス

執筆者: 坂本 洋

あらすじ

2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて、全国各地で観光PRが大変な盛り上がりを見せており、多くの外国人旅行客(=インバウンド)の来日が予想されます。そこで、日本の「おもてなし」の中心となるのが、ホテル・旅館・レストラン・マッサージ・体験ツアーなどのサービス業です。
これらのサービス業、特に中小零細のサービス業経営者から、最近増えているのが、「海外展開」に関する相談です。本章では、ホテルや飲食店、菓子製造販売会社の海外展開や、行政のインバウンドマーケティングを支援した経験から、中小サービス業が「海外展開」をする前に必要なことについてお伝えします。

 

インバウンドを活用して海外展開へ!

現在の日本企業は、以前にも増して「海外展開」に注力しています。いくつか理由が考えられますが、最も大きな理由は、人口減少・高齢化による「労働力と消費の減少」です。日本は50年後、現在の1億2千万人から8千万人程度まで減少することが予想されています。30%が減少する強烈なインパクトです。一方、全世界の人口はすでに70億人を突破し、毎年数億人単位で人口が増加しています。したがって、今後日本の企業が存続していくためには海外展開が必要不可欠な経営課題となっています。

多くの国内企業にとって「海外展開」は、今でも「海の向こうの話」のようですが、海外に販売拠点や営業拠点を持つことだけが「海外展開」ではありません。上述の通り、日本には、急激にインバウンド(=外国人旅行客)が押し寄せて来ています。昨年2017年は2900万人以上のインバウンドが来日し、今年2018年も3500万人程度の来日が予想されています。これらインバウンドを活かして、外国の方々へのサービスノウハウを蓄積することが、「海外展開」の最初の一歩です。
ここで、一つだけ注意があります。「インバウンド」といっても、一括りで考えてしまうのはとても危険です。日本ですら、沖縄・大阪・東京・北海道では嗜好が異なります。もし「海外展開」を考えているのであれば、国、層、年代くらいのイメージは持っておく方が良いでしょう。

 

現地の人脈、人材を獲得!

まず本題の前に、サービス業の3つの特徴について触れましょう。

① 同時不可分性=提供と消費が同時に行われる(在庫できない)
② 非均一性=人により、差が発生し、品質を一定に保てない
③ 無形性=形がないので、支払い時の納得性が低い

この3つの特徴からわかることは、

□繁忙期・閑散期など、お客様の状況により売上が大きく変動する
□サービスする人によって上手下手があり、不公平感が生まれやすい
□形がないため、納得感がお客様の価値観や経済状況に左右される

ということです。

海外展開をする場合、これら3つが不確定要素として懸念されます。
また、繁閑は国・地域によって異なります。例えば、欧米の学生は7−9月の夏休みの後、10月から新学年が開始します。日本と半年ずれています。中国の正月は、いわゆる旧正月と言われて、1月末から2月上旬になります。
これらの不確定要素をある程度解消できるのが、現地パートナーです。しかし、いきなり見つけるのは困難です。どの国に進出したいかがある程度明確であれば、近隣の商工会議所、JETRO(日本貿易振興機構)などに問い合わせてみることをお勧めします。また大使館・領事館へ問い合わせても対応してくれるところもあります。個人的に成功した例を挙げると、外国語大学や留学生が多い大学にお目当ての国からの留学生がいないかを問い合わせたところ、背景や本気度を説明し、その国からの留学生を紹介してくれまた。
このように色々なことを試すことで、その国に関する知識や習慣など、海外展開すべき時に必要な情報が収集できます。自社で全てを抱え込むのではなく、現地パートナーを獲得することで、海外展開の成功率を高めることが重要です。

独自ノウハウで「シンプル」に魅せる!

上述したことを効率よく達成するためにも、まずは自社の状況を振り返ってみることが重要です。「あなたの会社の強みは何ですか?」や「商品の1番の特徴を教えてください」という質問に対して、強みや特徴を1分にまとめて回答できるでしょうか。この強みや特徴など、シンプルに伝えることができる独自ノウハウが、海外展開には必要です。また日本人にとって当たり前のことも、海外では「やらない」・「できない」というケースが多々あります。そのため、何をすべきかを「チェックリスト」、いつ行われるのかを「スケジュール表」、何のためかを「経営理念」として明確にするこが必要です。
これらのツールとノウハウについては、国内で展開する際にも必要になるものです。もしないのであれば、できるものから準備しましょう。

課題・注意点 

海外展開に関しては、とにかく法律や条例、ルール、マナー、習慣の違いなど、様々な課題が波のように押し寄せてきます。そのためにも、自社の利益も重要ですが、海外展開先の国・地域へのメリットも明確にすることで、ソフトランディングとスピーディーな展開が可能になります。

いずれにしても、海外展開は、事前準備に多くの時間を割くとともに、現地で事業開始した後にも時間がかかるものです。長期的な視点でその国や地域の経済成長に合わせて、時に時間をかけ、時にスピーディーに、現地スタッフの成長と歩調を合わせて、事業を育てていくことを心がける必要あります。

執筆者プロフィール:
ドリームゲートアドバイザー 坂本 洋氏
(合同会社GreenOceanz 代表社員)

京セラ株式会社で海外営業、国内営業を経験後、中小企業診断士を取得し、株式会社星野リゾートへ転職。

星のや軽井沢・京都にてマネージャー職を経験後、ホテル旅館専門コンサルタントとして独立開業。
民泊運営からリゾートホテル総支配人、経営から清掃業務まで、広く深く経験した上での具体的で実践的なアドバイスは顧問企業から絶対の信頼を得ている。

創業補助金・ものづくり補助金・小規模事業者持続化補助金の採択件数は60 件以上、審査員もつとめている。

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