資金調達(融資)のノウハウ Vol.15 資金ショートまで後1カ月間!入金・支払い編

資金調達

執筆者: ドリームゲート事務局

資金ショートまで1カ月間でどのような資金繰りができるか、という連載の2回目です。今回は 1 入金を早める、2 支払いを遅らせる ということについて、説明いたします。

 さて、武田商事の資金ショートが700円であることが発覚してからあと2週間しか時間は残っていません。

 では、ピンチを迎えている武田商事は、その間にどのような手を打つべきなのでしょう。前回、資金繰りに関する項目を分類しましたが、今回はその内容ごとにご説明します。

 繰り返しになりますが、前回もお話したとおり資金繰りとは下記のとおりです。
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                資金繰りとは
                   ↓
               1・入金を早める
               2・支払いを遅らせる
               3・借り入れ・増資をする
               4・資産を取り崩す
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 今回は、1と2の説明をします。

1・入金を早める(概要)

 通常の商取引においては売上金の回収は、取引先との支払条件の約束をもとに締め日を設定し、そこで
締めた金額を請求して一定の期間をおいて支払いを受けることになっています。
 一方的にこちらからお願いして、早めに支払いをお願いするということは、得意先との信頼関係がなければ、
即刻対外的に信用をなくすことにつながります。

 また、悪い噂は広がりやすいものですから、お願いするときはその点も注意する必要があります。
「あの会社は資金的に厳しい」という噂が立ってしまうと、予想をしないところから足を引っ張られたり、
このような情報が取り引きしている金融機関などに通じてしまうと円満に行くはずの資金調達も円満に行かなく
なりますので、注意が必要です。

1・入金を早める(具体的に・・・)
 1-1 売り上げの入金を早めてもらう
 すでに締め日を過ぎて請求書を発行しているものを、支払日を早めて入金をお願いすることです。上記の
とおり得意先との信頼関係がないと困難です。

 

2・支払いを遅らせる(概要)
 支払いを遅らせるのであれば、早めに連絡をする必要があります。また、信用問題となるため細心の注意
が必要です。通常の支払いが遅れるのは当然ながら、入金がないから支払いが遅れるなどと、そのような
泣き言は聞かされるほうもいい迷惑です。会社が通常計上する利益とはある程度の資金負担をする利息的
意味合いも含めた上でのものであるべきなのです。

2・支払いを遅らせる(具体的には・・・・)

 2-1 業者の支払いを遅らせる
 仕入会社、外注会社などによって支払いの内容を吟味しながら信頼関係ができている会社にお願いする形
となります。また、お願いする会社の置かれている業種特有の資金の流れを把握する必要があります。
 たとえば仕入会社の場合は、お願いする業者も手形を切っているのか、今回の支払いを遅らせることで
どのような影響が出てくるのか検討しなければなりません。また、外注先の場合は外注先が人件費を立て
替えで払っている場合が多いため優先的に払ってあげる必要があるでしょう。

 2-2 給与の支払いを遅らせる
 人件費を遅らせる順序としては下記のとおりです。
 代表者の報酬→経営に関与している役員・社員の給与→一般の給与
 しかしながら、一般社員給与の遅配となると社員の士気にかかわることになりますので、なんとしても
回避しなければなりません。
       手弁当という言葉が許されるのは経営陣のみです!

 2-3 借り入れの返済の据置の交渉をする
 金融機関の支払いを遅らせることとなると、今後の金融機関との付き合い上での新たな借り入れが困難と
なります。従って、返済の据置交渉は限りなく最後の手段に近いものと位置付けられます。

 2-4 税金の支払いを遅らせる
 税金にもいろいろな種類がありますがその分類にて説明します。

 法人税、地方税→延滞税などはかかりますが
支払いを遅らせてもよいと思います。場合によっては、管轄の役所に出向いていき支払いを分割にするなどの
交渉は可能です。

 消費税、所得税→これらは税金とはいえ預かり金的な性格をもっているため、延滞すると高額の延滞税、
加算税を請求される可能性があるため取り扱いは慎重に行う必要があります。これらも場合によっては、
管轄の役所に出向いていき支払いを分割にするなどの交渉が可能です。

 固定資産税、不動産取得税→事前に連絡の上据置、分割納付の交渉が可能です。特に不動産取得税は、土地・
建物を取得した場合忘れたころに納付書が贈られてきますので注意が必要です。

 2-5 業者の支払いを手形払いに変更する
 これは、自分の会社が当座預金・支払手形を持っていることが前提となりますが、通常の支払いが現金の会社
に対して一時的に手形にて支払うことです。もちろん事前の説明、お願いする会社の資金の流れを考慮しないと
なりません。

 2-6 社会保険料の支払いを遅らせる
 社会保険料の納付は現在中小企業の資金繰りに大きく影響をするものとなっておりますこれも、半分会社負担
とはいえ、従業員から預かった預り金の納付ということですから取り扱いは注意しなければなりません。
どうしても支払うことが困難であれば、社会保険事務所に出向き分割納付の交渉は可能です。

 

 以上、資金繰り手法の1・2の説明でした。次回は3・借り入れ、増資 4・資産の取り崩しの説明をします。基本的に大切なことは結局、周囲に迷惑をかけないことということなのです。今回の、入金を早める、支払いを遅らせるということは基本的に周囲に迷惑をかけることですから、基本的には回避したほうがよいのですね。

 その点、次回説明する借り入れ、増資、資産取り崩しは周囲に迷惑をかけず社内にて資金繰りが完結するため、実際に検討する順序としてはこちらのほうがむしろ先に来るのかもしれません。

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              資金繰りにおける検討順序

       1・入金を早める       → 周囲に迷惑 → 検討優先順位4
       2・支払いを遅らせる     → 周囲に迷惑 → 検討優先順位3
       3・借り入れ・増資をする → 社内で完結 → 検討優先順位2
       4・資産を取り崩す       → 社内で完結 → 検討優先順位1
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