資金調達(融資)のノウハウ Vol.20 創業前の資金調達手段

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
これからは会社の金融機関からの資金調達方法を会社創業からの時系列で見てゆきたいと思います。なお、下記列挙する内容に関しては私自身の経験に即するものをベースとしておりますので、市中金融商品とは地域的、時期的に若干の相違が出るかもしれません。その点、ご考慮のほどお願いいたします。

創業前の資金調達

 創業前の資金調達とは、個人法人を問わず起業する際に行う資金調達をいいます。従って、従来より個人で事業を行っていて法人成りする場合などは今回のケースから外れることとします。

 つまり、事業を営んでいない個人でこれから創業をしようとする人とします。イメージ的には現在サラリーマンで独立して事業を開始するような方を想定できます

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総論として・・・・
創業前の資金調達に関しては基本的には非常に難易度が高いといえます。
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 創業資金としては、使える金融商品も限定的であり要件が該当したとしても、私の経験では調達金額は数百万円程度となるケースが大多数でした。

 なぜなら、どうしても金融機関としては資金調達の際の最重要項目として過去の実績を求めるからなのです。反面、創業者にはその実績がありません。

 創業者によっては、銀行はお金を貸してなんぼなんだから、とか自分が検討している事業計画を理解できない金融機関はなってない!なんて方もいらっしゃるのですが自分がお金を貸す立場になって考えてみると、金融機関のいう融資基準もよく分かる
と思うのです。

 一度サラリーマン経験をしたことがある方なら分かる世界だと思うのですが、所詮銀行員もサラリーマンであり、できることとできないことはあります。そこを理解してあげないと、これは融資取引だけではなく、実際のビジネスの場でも売上先、仕入先、外注先は大きくなれば大きくなるほど相手はサラリーマンとなってくるので、そこを咀嚼できるかできないかはとても重要なポイントとなります。

 さてさて創業資金資金調達の各論として・・・

 資金調達方法は下記のとおりで検討することができます。
 

1.国民生活金融公庫

 ・新規開業ローン
 数少ない新規創業企業向けの金融商品です

 ・無担保・無保証人でご融資する「新創業融資制度」
 これは上限750万円にて無担保・無保証にて融資する制度です
 要件が合致すれば活用したい商品です

 ちなみにいわゆる国民公庫での一般貸付制度も新規創業融資に使用できます。制度の種類に関しては多岐に渡り、窓口で相談しても担当自身がよく分かってないケースも多くあります。くわしくは事前に窓口か専門のコンサルタントにご相談されることをお勧めします。

 なお、上記の金融商品などのパンフレットなどを見ると上限金額を4800万円などと設定してありますが、私の経験ではそれが実行されることはまずないと考えています。なぜなら、そのためには保証人の要件、担保の要件、自己資金の要件その他事業規模,取り引き先などの問題が出てくるためそれら要件に合致することはほとんどありません。

 運転資金としては500万円程度融資が受けられれば上できという感覚です。

 

2.信用保証協会つき銀行融資

 この制度は、区役所などの商工課を通じて事業の認定を頂き、それをもって銀行経由にて信用保証協会の保証をいただき、銀行からの融資を受ける形です。

 実務的な流れとしては
1.まず銀行に相談して担当にその旨の制度融資を使用する打診をする
2.区役所商工課などで申込、認定手続き(ここが一番の山場です)
3.認定書をもらい金融機関にて銀行および保証協会へ申し込み手続き
4.保証協会からの保証書発行
5.銀行からの融資実行

 このように市区町村から保証協会宛の認定をもらって融資を受ける形を制度融資といいます。内容に関しては市区町村にて制度が違うので事前に調べる必要があります。

 国民生活金融公庫との比較で検討すると、第三者保証人が必ずしも必要でない点がありますが、自己資金の範囲内での融資などの制約もあります。

 運転資金としては500万円程度の融資が受けられれば上できだと考えております。

 

3.知人・身内からの借入

 自分の行う事業に絶対の自信があって、それに協力してくれる人がいれば知人、身内からの借り入れを行うことは創業時の資金計画に於いて非常に重要なポイントとなります。

 しかし、今後の人間関係などを考えるとできるだけ避けたい方法でもあります。

 つまり・・貸す側の心理として、自分が手元にある程度お金を持っていたとして、何の業暦もない友人がやってきてこのビジネスは儲かるからぜひ融資をして欲しいといわれたときに、まったくの新規事業に無保証でお金を出せるかどうか・・・ということなのです。

 借りる側は自分の事業に当然ながら絶対の自信をもっており、えてして貸してくれなければおまえは冷たい人間だ、という感じになってしまうんですよね~

 私自身事業に投資したこともありますがそのときに感じたのは・・・

・貸してしまうと借り主のほうが強くなる
 お金を貸してしまうと、借りたほうがお金に関する主導権を握ることとなります。書面を交わして法的に拘束しても、結局借主がお金がなくなってしまうと回収するに回収できない状況となるのです。
 仮に、返済期日を延滞されてそこで督促するのも友人ということで気が引けますし、督促したところで、俺も今がんばってるんだから、まってくれてもいいだろ!なんて、まるで督促する自分が悪者のような気分になってしまうなんて・・・

・自分が本業でない事業分野に投資するとお金の流れが把握できない
 事業におけるお金の流れは一度会社に入金されると売り掛け、買り掛け、借り入れなどと混ざり合い区別がつかなくなります。
自分が身をおいている業界に対しての投資であればある程度お金の流れが把握できますが、専門外の業界に於いてはまったくチェックができない状況となってしまうのです。
 しかも、自分の本業でないところでいちいちチェックを行うその時間を時給で考えるとわずらわしくて・・・利息だけでは足りません!という気分になります。

・精神的に非常につらい
 上にも書きましたが、精神的に非常につらいのです。それは約束どおりに返済があったとしてもそれまでの日々を不安とともに過ごすこととなります。これは金銭的な面と知人との人間関係と・・・・
 しかも、この不安はずっと付きまとい、仕事をしているときも頭の隅で気になります。
 自分の本業にも差しさわりが出るようであれば大きな問題です。

・金利の問題ではない
 ビジネスとして融資を行っているのであれば貸倒れのリスクなどを織り込んで融資するわけですが、知人への融資となるといくら金利をもらえるとしてももう勘弁!という心境になります。
 1000万円貸して、年利20%で年間200万円利息を払うといわれても1年間資金を融通して上記の処々の問題を抱えるのであれば僕はご勘弁願いたいところです・・・・・

・元金返済はいつ・・・
 たとえば最近投資用の不動産ブームですがそれを横目に見ながら僕が思うのは元金部分の回収はいつになるのか・・・・という点なのです。
 これを融資に置き換えて考えると1000万円貸して年利10%、金利収入年間100万円というと、一般的な投資の観点で見ると高利回りということになりますが、3年間で利息を300万回収してその会社が倒産したらマイナス700万円ということになります。
 利回りだけにとらわれると非常に危険です。

 以上、取り留めのない文章となってしまいましたが、ひき続き次回も創業時の資金調達に関してご説明いたします

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        資金調達もビジネスも同じです
       相手の立場・気持ちを汲み取りながら!                                             ◇
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