起業アイデア 第6回 学習テーマ【商品選びと販路選び】

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

販路の探しやすさ、多さで商品を決める

解説

【顧客の来訪を待つネットショップでは多彩な商品】

循環型植木鉢(スギの間伐材を使用)で野菜 を栽培するキットを発売した菜城秀樹さん。業績は好調。その要因は、商品化したラディッシュ、しそ、ミニキャロット、ミニトマトの 4種類のキットの中から、あるひとつの野菜を主力にしたことで効率的に販路を広げられたからだという。その野菜とは何か? それだとなぜ、販路が広がるの か?

菜城さんが主力商品に選んだのは、ミニトマトの栽培キットだった。その理由を説明する前に、菜城さんが開設したネットショップをのぞ いてみよう。

何とここでは、主力商品に選んだミニトマト以外にも、ラディッシュやシソなど、当初から考えていた他の野菜栽培キットも販売し ている。なぜか。その理由は、キットの中身は野菜の種の種類が違うだけで、鉢や肥料、培養土などは同じものを使う。だから種類が多いことによるコストの上 昇はほとんどない。ならば訪問客の選択肢を多くしておくほうがいいからだ。

インテリアやガーデニングのツールとして、あるいはギフト用とし て栽培キットに関心を持つ人にとっては、いろいろと選べるほうが楽しいし、また、ラディッシュやシソなどは、ミニトマトに比べて生育が早く、栽培も簡単な ので、初心者にはむしろこれらを勧めたほうがいいという判断もある。

【小学校低学年向け学習教 材に】

実は、菜城さんは、ネットショップとは別のルートでミニトマトの栽培キットを強力に販売していたのだ。まず、彼が目を付けたのは小 学校である。子供時代、学校でさまざまな植物の栽培をしたことを思い出したからだ。

調べてみると、低学年用教材としてミニトマトが、すでに多く の学校で導入されていることがわかった。簡単には生育しないところが教材向きなのだという。

教材用だと指定価格は厳しい。だが、もともと低 コストでつくったキットだから、その点での要求はクリアできる。加えて、鉢に間伐材を使用していることで、循環型社会の意義を子供たちに啓蒙できる強みも ある。菜城さんは学習教材会社と組んで、この分野で次々と顧客を開拓したのである。

【“トマト つながり”で宣伝グッズに】

さらに菜城さんは、このキットを「企業やお店の宣伝グッズ」として販売し、成功を収めている。彼は検索エンジ ンに「シソ」「トマト」などの文字を入力してみた。その結果わかったことは、商号や団体名、あるいは商品名に「トマト」という文字を冠しているケースが想 像以上に多いということだった。それに比して他の野菜名を冠しているケースはぐっと少なくなる。「トマト」はイメージも良く、ポピュラーな単語だからだろ う。

菜城さんは、検出した「トマト関連企業」に、栽培キットの写真を添付した営業メールを送った。また「これぞ」と思う相手にはサンプルも 届けた。「各種行事の記念品やキャンペーンの景品に、ミニトマト栽培キットはいかがですか。間伐材を使用した鉢付きで、貴社の企業イメージもアップしま す」などとアプローチしたのだ。これにはかなりの反響があった。

【販路を探してから商品を決 定】

当初は鉢だけの販売を考えていたが、それに野菜栽培キットを付加することで、商品の魅力をアップさせ、さらには 1商品当たりの利益幅もアップさせることに成功した菜城さん。ここまででも十分に素晴らしい取り組みである。

しかし菜城さんは、そこにとど まらず、ひとつの商品が、実はいくつもの市場で通用することに気づいた。そして、狙った販路に合わせて扱い商品を絞るという判断をくだした。この点が大き な成功要因になっている。

商品をガチガチに決めてしまうと、販路はおのずと限定されてしまう。だから反対に有望な販路を先に探し、そのルー トに乗せやすいように商品を選択する、あるいは絞る、または既存商品の一部を改良する、という考え方のほうが事業を軌道に乗せやすいのだ。

 

今週のキーワード<見えない販路>

前回は「見えないライバル」、つまり異業種の競争相手にも注意する必要があることを学んだ。
今回はその逆で「見えない販路」、つまり当初に想定したルート以外にも、
商品を販売できるチャンスが存在していることを学んでもらった。

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